私は、絵画の持つ「物質性」が気になります。なぜなら、私は今までインターネットやテレビ、雑誌等の、メディアを介し、図像情報を得る生活を送ってきました。ですので、図像は媒体の変化するものだという意識が強かったからです。
その為、素材や方法から自身で選定する事で、私なりの「生で見る必要性」のある、絵画作品を作り出すことができるのではないかと考えました。
ニスでおうとつをつけることで、角度を変えると、見えてくる表情が変わります。また、メディウムを用いた転写技法を用いることで、意図しないおうとつ情報を減らすことを目指しました。
絵の中には1人の人物を中心に配置し、プライベートな時間を描きました。
このように、「物質性」、「図像」、共に現代を意識し、描きこんだ一作です。