ブックタイトル株式会社京都銀行 ディスクロージャー誌 2019

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概要

株式会社京都銀行 ディスクロージャー誌 2019

の大きな誇りであると感じております。そして、当行が過去に出資し保有を続けてきた株式の数々は、長い年月を経る中で、地方銀行の中でも抜きん出て良質な資産となり、収益を下支えする配当金収入や強固な財務基盤構築の源泉となってきました。こうした歴史を刻む中で、当行は、景気悪化をはじめとする諸リスクが顕在化した場合においても、安定した経営を継続してゆけるだけの体力を備えるに至りました。当行といたしましては、お客さまに長く安心してご利用いただくためにも、この財務の健全性を引き続き維持・向上してまいりたいと考えております。地域の産業とともに歩む金融持続可能社会の実現への取り組みが、国をあげての共通テーマとして一層重要性を増す中、将来の地域経済をけん引する企業の輩出は、どの地域もが期待し官民一体となって取り組んでいる課題です。当行では、意欲やアイデアに富む起業家に対する創業準備から事業化までの一連のプロセスに道筋をつけるサポートや、事業の一段の成長を期する経営者に対する販路拡大のためのビジネスマッチングや事業拡大のためのM&Aなど、さまざまなコンサルティングを通じたサポートを展開しております。とりわけベンチャー企業への創業支援につきましては、さきほど申し上げた当行の歴史的成長過程とも関係の深い分野なだけに、強い思いをもって取り組んでおります。これまでにも複数ファンドへの出資を行っているほか、当行独自ファンドの設立も行っておりまして、10年間で総額50億円を目途に積極的かつ継続的に投資してまいりたいと考えております。また、経営者の高齢化に伴う事業の休廃業についても、地域経済が抱える社会的問題として、一段と注意が向けられています。当行では、事業承継にかかる本部専門スタッフを育成しており、こうしたお悩みへの解決策をともに導き出す、経営者の方々に寄り添った金融サービスにも注力しております。こうした産業振興は、一朝一夕に成果があらわれるものではございませんが、当行が創立以来大切にしてきた経営理念のもと、じっくりと腰を据えて取り組むことによって、地域の持続的発展につなげてまいりたいと思っております。時代が求める金融サービス提供に向けた挑戦産業の振興以外にも、地方銀行に求められている取り組みは多岐にわたります。その中でも、個人のお客さまにとって非常に関心が高い貯蓄や資産形成、資産承継に関する分野のコンサルティング業務は、“人生100年時代”や“大相続時代”といわれる現代において一段と重要性を増している業務の一つです。当行では、一昨年の京銀証券株式会社の開業に加えて、昨年の銀行本体での信託業務参入によって、お客さまの身近な営業店で「銀行・証券・信託」の各サービスをワンストップでご提供できる体制が整い、総合金融サービス業としての大きな一歩を踏み出しました。お客さまにとって、いつもの馴染みのある営業店で、それぞれのライフステージに応じた各種ご相談にきめ細かく対応してまいりたいと考えております。一方で、デジタル技術の目覚ましい進展とともに、スマートフォンなどを活用した銀行取引を希望されるお客さまも飛躍的に増えております。こうしたお客さまのニーズにお応えするために、ご来店いただくことなく口座開設ができ、24時間いつでも残高や入出金明細の確認などができる「京銀アプリ」の取り扱いを開始し機能拡充に努めております。また、政府が推進するキャッシュレス化につきましても、煩わしさなどの理由で現金決済を望まれないお客さまへの価値提供という観点から積極的に取り組んでおり、銀行系デジタル通貨プラットフォーム「J-Coin Pay」との連携開始など新たなサービスの導入に努めております。このように京都銀行グループは、時代が求める新たな金融サービスのご提供に、引き続き挑戦してまいります。時代の変遷とともに、お客さまの金融サービスに対するニーズ、地方銀行に対する期待も変容していきます。京都銀行グループでは、お客さまの求めに応じたサービスをご提供できるよう、常にお客さまの声に耳を傾け、自己変革に挑んでまいります。そして、地方銀行のあり方が問われる時代においても、その使命・役割をしっかりと果たすことで、幅広いステークホルダーのみなさまの期待に応えつつ持続的な企業価値の向上につなげてまいりたいと考えております。引き続き格別のご支援、ご高配を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。5