ブックタイトル株式会社京都銀行 ディスクロージャー誌 2019

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概要

株式会社京都銀行 ディスクロージャー誌 2019

「債務者格付」は、与信先の信用度あるいは債務履行の確実性を、定型化・統一化した尺度で評価したうえ一定の符号によって段階的に表すものであり、原則として当行の与信に係る全ての債務者に格付を付与しております。また、適正な償却・引当の基礎となるものであることから、自己査定における債務者区分と整合的なものとしております。さらに、債務者格付は、取引先の属性により、中小企業向け、大企業向け、ソブリン向け、個人事業主向け等があります。「案件格付」は、個別の与信案件のリスクを評価した格付であり、債務者の信用力及び担保や保証などの保全面を勘案した予測損失率に応じて付与しております。「プール管理格付」は、同一のリスク特性を持つグループ(プール区分)単位で付与する格付であり、個人向けの消費性与信及び小規模の事業性与信を対象としております。これらの与信ではプール管理格付に基づき、信用リスクの把握及び管理を行っております。債務者区分債務者格付案件格付プール管理格付正常先要注意先要管理先破綻懸念先実質破綻先破綻先SABCDEFGHIJKXYZ高債務履行の確実性低予測損失率に応じた格付を付与延滞状況、債務者特性、取引特性に基づきプール管理格付を付与「パラメータ推計」は、デフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)及びデフォルト時エクスポージャー(EAD)の予測値を算出(推計)することであり、この推計値を使用して自己資本比率における信用リスク・アセットの額を算出しているほか、統合的リスク管理における内部管理上の信用リスク量を計測しております。「リスクの計量化」は、内部管理上の信用リスク量を計測することであり、潜在的な信用リスクやその変化状況、与信集中リスク状況等を適切かつ適時に把握・管理することを目的としております。「検証」は、債務者格付、案件格付、プール管理格付及びパラメータ推計について年1回以上実施するものであり、内部格付制度の正確性・一貫性の確保及び適切な見直しを行うことを目的としております。検証の結果を踏まえ、必要に応じこれらの格付制度やパラメータ推計方法の見直しやパラメータ推計値の修正を検討することとしております。(3)ポートフォリオごとの格付付与手続の概要当行では、個々の与信を与信先や取引の属性に応じて、以下のポートフォリオに区分したうえで、「債務者格付」の付与及び「プール管理格付」への割当を行っております。ポートフォリオ内部格付制度付与手続の概要事業法人向け債務者格付エクスポージャー金融機関等向けエクスポージャー株式等エクスポージャー特定貸付債権ソブリン向けエクスポージャー居住用不動産向けエクスポージャー適格リボルビング型リテール向けエクスポージャーその他リテール向けエクスポージャープール管理格付取引先の財務を基にモデルによるスコアリング評価等を行った上で、定性的な評価を踏まえ総合的に勘案し格付を付与する。ノンリコースローンなどの与信は、対象与信毎に事業内容について定量的な評価及び定性的な評価を総合的に勘案し格付を付与する。(地方公共団体・地方公営企業)財政状態を表す指標を基に格付を付与する。(中央政府・政府関係機関等)外部格付に応じた格付ランクから定性面を踏まえ格付を付与する。取引先ごとに格付を付与するのではなく、債権ごとに同一のリスク特性を持つグループ(プール区分)に割当てる。延滞状況、債務者特性、取引特性に基づき付与する。(4)パラメータの推計手続債務者格付を付与するポートフォリオに関しては債務者格付ランクごとにPDの推計を行っており、プール管理格付を付与するポートフォリオについては、プール区分ごとにPD、LGD、EADの推計を行っております。PDの推計に際しては、要管理先以下をデフォルトとし行内の過去実績データを使用しております。推計値の算出にあたっては、年度毎のPDの実績値から過去平均のPDの実績値を求め、さらに保守性を勘案した数値を上乗せしております。ただし、債務者格付において上位格付ランクではデフォルト実績が少ないことを考慮し、行内の過去実績データに加え外部格付機関が公表しているデフォルト実績も勘案しております。LGD及びEADについても、同様に実績値から保守性を勘案し推計しております。また、検証においても行内の過去実績データを使用し、上記の推計方法の適切性を確認しております。<制度ごとの主な検証内容>制度債務者格付プール管理格付パラメータ推計主な検証内容格付ランクの序列精度、エクスポージャーの集中状況、格付の遷移状況などプール区分の有効性、プール区分内におけるリスク水準の均質性など実績値と比較した推計値の適切性、サンプルデータの適切性など<内部格付制度の体系>検証制度の適切性についての検証を定期的に実施モニタリング(運用監視)債務者格付債務者単位での格付付与(全与信先を対象)プール管理格付明細単位での格付付与(リテール向け与信を対象)案件格付明細単位での格付付与格付の付与パラメータ推計実績データ等に基づきPD、LGD、EADを推計リスクの計量化信用リスク量を計測・個別与信管理・自己査定・金利プライシング・自己資本比率等への活用・与信ポートフォリオ管理・経営戦略等への活用97