クレジットカードのキャッシング枠とは|限度額の確認と増額・減額の設定方法を解説

更新日:2025/03/10
クレジットカードのキャッシング枠とは|限度額の確認と増額・減額の設定方法を解説

クレジットカードのキャッシング枠とは、クレジットカードで借り入れられる利用可能枠のことです。キャッシング枠が付帯されていれば、その範囲内で繰り返し借り入れができます。

この記事では、クレジットカードのキャッシング枠の概要や、キャッシング枠の確認方法、申込方法などを解説します。

クレジットカードのキャッシングサービスは、申込方法や利用方法が便利な一方で、他のキャッシングサービスと比べて金利が高い傾向があります。同じ借入金額・借入期間の場合、金利が低いほうが利息負担が抑えられるため、カードローンなどの他のキャッシングサービスの利用もあわせて検討しましょう。

この記事で分かること
  • キャッシング枠とは、クレジットカードで借り入れられる利用可能枠のこと
  • キャッシング枠が付帯していれば、必要なときにすぐに借り入れができる
  • キャッシング枠は利用の仕方によっては利息負担が大きくなってしまうため、カードローンなどの他のキャッシングサービスの検討も必要
飯田道子(いいだみちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 他
飯田 道子

クレジットカードのキャッシング枠は付帯されていればいつでも利用できるため便利です。ただし、クレジットカードの利用状況によってはキャッシング枠が満額使えないことがある他、ショッピング枠が減ってしまうこともあります。キャッシング枠、ショッピング枠をより多く確保したいなら、別途カードローンなどの借り入れの申込みを検討するとよいでしょう。

目次

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キャッシング枠とはクレジットカードでお金を借りられる利用可能枠のこと

キャッシング枠とは、クレジットカードでお金を借りられる上限額(利用可能枠)のことです。

クレジットカードには、買い物やサービスの支払いに利用できる「ショッピング枠」と、お金を借りられる「キャッシング枠」の2種類があります。ショッピング枠の上限がクレジットカードの「総利用枠」となり、その範囲内でショッピングサービスとキャッシングサービスを利用できます。

たとえば、総利用枠が100万円のクレジットカードで20万円分のキャッシング枠を利用した場合、ショッピング枠で利用できるのは80万円までです。

ショッピング枠とキャッシング枠を利用した場合

なお、クレジットカードにキャッシング枠を付帯しなければキャッシングサービスを利用できません。

キャッシング枠はどう決まる?

たとえ総利用枠が100万円であっても、ショッピング枠を利用せずにキャッシング枠だけで100万円まで借りられるわけではありません。

ショッピング枠とキャッシング枠にはそれぞれ利用可能枠が決められており、利用可能枠を超えて利用することはできません。

キャッシング枠は、金融機関の審査によって決められます。

キャッシング枠は「総量規制」の対象であるため、最も高額の場合でも申込者の年収の3分の1を超える金額のキャッシング枠が設定されることはありません。総量規制とは、年収の3分の1を超えて貸し付けてはならないと金融機関に定められた規則です。

クレジットカードのキャッシング枠を確認する方法

クレジットカードのキャッシング枠の有無や金額は、会員専用WEBページやアプリ、電話などで確認できます。

確認方法はクレジットカード会社によって異なるため、所有しているクレジットカード会社のWEBページなどで確認しましょう。

キャッシング枠の申込方法

すでにクレジットカードを所有している場合は、クレジットカードの会員専用WEBサイトやアプリからキャッシング枠付帯の申込みが可能です。

ただし、キャッシング枠を付帯するには、申し込むだけでなく審査に通過する必要があります。

審査の際に収入証明書類の提出が求められることもあるため、求められた際は、次の書類を提出しましょう。

収入証明書類の例

  • 源泉徴収票
  • 給与明細書+賞与明細書
  • 税額通知書
  • 所得証明書
  • 確定申告書 など

※提出できる書類や書類条件などは、金融機関や申込者によって異なる場合があります。

クレジットカードを新規発行する場合は、申込時にキャッシング枠の有無や金額を設定できます。

キャッシング枠は増額・減額も可能

キャッシング枠は、増額・減額ができる場合があります。

増額する場合は審査に通過する必要があり、減額する場合には審査がなく、手続きのみで引き下げが可能です。

ただし、減額してから再度増額する際は、審査への通過が必要です。

キャッシングサービスの利用方法

クレジットカードのキャッシングサービスは、指定口座へ振り込んでもらうか提携ATM・CDから引き出すことで利用できます。

指定口座への振り込み

クレジットカードのキャッシングサービスは、会員専用WEBサイトやアプリ、電話などからの申込後、銀行口座に振り込んでもらうことで利用できます。入金先の口座は、基本的にはクレジットカード利用料金の支払口座です。

専用のアプリがあれば外出する必要がなく、24時間365日どこでも振り込みの依頼ができます。振込手数料は基本的に無料で、申込みから最短数分など即時で振り込んでもらえることもメリットです。

ただし、申込みのタイミングや振込先の金融機関によっては、即時で振り込まれない場合があります。借り入れを急いでいる場合は、クレジットカード会社のWEBサイトやアプリで詳細を確認してから申し込むとよいでしょう。

提携ATM・CD

クレジットカード会社が提携するコンビニや銀行のATM・CD(キャッシュディスペンサー)などから、借り入れることも可能です。

利用する店舗が現金払いだったときや冠婚葬祭でお金を包むときなど、現金が必要な場合は、提携ATM・CDでの利用が便利です。

キャッシングサービスの返済方法

キャッシングサービスの返済方法は、ほとんどの場合で口座振替(自動振替)です。

毎月の返済期日に返済額が自動で引き落とされます。

返済回数には「一括払い」「リボ払い」の2種類がある

キャッシングサービスの返済回数は、おもに一括払い(1回払い)と、リボ払いの2種類です。

一括払い
(1回払い)
翌月に借りたお金をすべて一度で返済する
リボ払い 毎月決まった金額を返済していく

返済回数は借入時に選択しますが、クレジットカード会社やカードの種類によっては選択できない場合もあるため、あらかじめ確認が必要です。

キャッシングサービスを利用する際は、返済シミュレーションを活用しましょう。

返済シミュレーションは、キャッシングサービスを提供する各金融機関が提供しており、毎月いくらずつ返済が必要か・完済までの期間はどれくらいかなどを確認できます。

【シミュレーション】キャッシングサービスを利用すると利息はいくらかかる?」では、金利年18.0%で10万円を借り入れ、1年かけて返済した場合のシミュレーション例を紹介していますので、あわせてご確認ください。

キャッシング枠を付帯させるメリット

クレジットカードにキャッシング枠を付帯させておくことで、次のメリットがあります。

  • 急な出費に備えられる
  • 海外でもお金を借りられる

急な出費に備えられる

キャッシング枠を付帯しておけば、必要なタイミングですぐに借り入れができ、急な出費に備えられます。

支払時に現金がなかったときなど「今すぐに」お金が必要な場合は、申し込むキャッシングサービスを選んだり申し込んで審査を待ったりすることは難しいでしょう。

所有しているクレジットカードにキャッシング枠があれば、近くのコンビニATMなどで必要に応じて借り入れができます。

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海外でもお金を借りられる

クレジットカードには「海外キャッシングサービス」という機能もあり、海外旅行時や海外出張時に便利です。

海外キャッシングサービスとは、海外の空港や観光地などにあるATMで現地通貨を引き出す形で借り入れができるサービスです。あくまでも借り入れであるため、返済はもちろん、利息の支払いが必要です。

なお、海外キャッシングサービスを利用する前に申込みが必要です。審査に通過後、海外キャッシング枠(海外キャッシングサービスで利用できる利用可能枠)が付帯されます。

日本国内でのキャッシング枠とは異なるため、別途申込みが必要です。

キャッシング枠を付帯させるデメリット

クレジットカードのキャッシング枠には、次のデメリットもあります。付帯する際は、デメリットも理解したうえで申し込みましょう。

  • 金利はやや高め
  • 必要以上にお金を借りてしまうことがある
  • 審査に時間がかかることがある
  • ショッピング枠が減る

金利はやや高め

クレジットカードのキャッシングサービスの金利は年15.0〜年18.0%と、カードローンと比較するとやや高めに設定されています。

金利は次のように計算されるため、同じ借入金額・借入期間の場合は、金利が高いほど支払う利息額も高くなります。

利息の計算方法は利息=借入金額×金利×利用日数×365日

※具体的な計算方法は金融機関によって異なります。

たとえば、借入金額と借入期間が同じであっても、金利が異なると支払う利息総額にも違いが生まれます。金利年18.0%と年15.0%で比較した場合を見てみましょう。

金利が異なる場合のシミュレーション結果

※シミュレーション結果はあくまでも簡易的な試算であり、お取引状況により実際のご返済金額やご返済期間と異なる場合があります。

上の表のシミュレーション結果で、金利年18.0%と年15.0%の利息額を比べると約2,000円ほどの違いがあることがわかります。
利息負担を少しでも軽減したい人は、より金利が低い商品を利用するとよいでしょう。

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必要以上にお金を借りてしまうことがある

キャッシングサービスは便利な一方で、人によっては使いすぎてしまう可能性があります。

クレジットカードのキャッシングサービスは、急な出費が発生したときなど、いざというときに備えておくには便利なサービスです。しかし、日常的に足りないお金を補うために利用することはあまり好ましくないでしょう。

お金に慢性的に困っている状況であれば、まずは家計を見直したり、収入に応じたお金の使い方をしたりするなど、根本的改善が優先です。

キャッシングサービスを利用すれば、困難な状況を一時的にしのげるかもしれませんが、キャッシングサービスを利用すると借入金額の返済だけでなく利息も支払う必要があります。借入金額や借入期間によっては金銭的負担が大きくなり、さらに困難な状況に陥る可能性もあることを理解しておきましょう。

審査に時間がかかることがある

クレジットカードのキャッシング枠の付帯までにかかる時間は、金融機関や申込時間によって異なりますが、数日〜1週間ほどかかることがあります。

そのため、キャッシング枠が付帯していない場合は、急な出費に備えられない可能性があります。

キャッシング枠が付帯している場合は、申込手続きや審査なしで借り入れが可能です。

ショッピング枠が減る

キャッシング枠を利用すると、利用できるショッピング枠が減ってしまう点に注意しましょう。

毎月ショッピング枠を上限近くまで使っている場合に、追加でキャッシング枠を利用すると、クレジットカードで支払えなくなる状況が起こる可能性があります。特に、家賃や水道光熱費など、家計の支出のほとんどをクレジットカード払いにしている場合は、ショッピング枠を上限近くまで使っていることが考えられます。

ショッピング枠が足りなければ、これらの支払いもできなくなってしまうため、クレジットカードのキャッシングサービスを利用したい場合はショッピング枠の残高に配慮することが重要です。ショッピング枠の残高は、会員専用アプリなどで確認できます。

なお、クレジットカードのショッピング枠やキャッシング枠は、増額を申し込めます。増額には審査に通過する必要がありますが、利用可能枠が足りなかったり余裕を持たせたかったりする場合は、申し込むとよいでしょう。

【シミュレーション】キャッシングサービスを利用すると利息はいくらかかる?

たとえば、金利年18.0%で10万円を借り入れ、1年かけて返済する場合のおおまかな利息額や返済額は、次のとおりです。

借入金額 10万円
金利 18.0%
借入期間 12ヵ月
利息額
(総額)
10,004円
返済額
(総額)
110,004円
返済額
(毎月)
9,167円

※シミュレーション結果はあくまでも簡易的な試算であり、お取引状況により実際のご返済金額やご返済期間と異なる場合があります。

利息額は、金利や借入金額、借入期間によって計算されるため、シミュレーション条件が1つ異なれば利息額は大きく異なります。

金融機関が提供するシミュレーションページにて、さまざまなケースを想定してシミュレーションをしてみるとよいでしょう。

キャッシング枠を付帯するならカードローンの利用も考えたい

お金を借りる手段は、クレジットカードのキャッシングサービスだけではありません。

さまざまなキャッシングサービスのなかでもカードローンが便利であるため、あわせて検討するとよいでしょう。

カードローンは、クレジットカードのキャッシングサービスよりも金利が低い傾向があり、同じ借入金額・借入期間の場合は、金利が低いほど利息負担を軽減できる可能性があります。

カードローンとクレジットカードのキャッシングサービスの違いを把握し、返済シミュレーションを活用しながら、自分の状況に合ったキャッシングサービスを選びましょう。

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キャッシングサービス・カードローン利用時の注意点

クレジットカードのキャッシングサービスやカードローンなどを利用してお金を借りる場合は、次の点に注意することが大切です。

  • 返済計画を立てて利用する
  • 返済に遅れると遅延損害金が発生する
  • 商品によっては総量規制の対象になる

返済計画を立てて利用する

お金を借りる際は、事前に返済シミュレーションを利用し返済計画を立てることが重要です。

返済計画を立てるときのポイント

  • 毎月いくら返済するか
  • 利息を含めた支払総額はいくらか
  • いつごろ完済できるか

返済が滞ると、支払総額が増えたり、他のクレジットカードやローンの申込みに影響が出たりする可能性があります。借り入れたお金は、返済を滞らせることなくスムーズに返済することが大切です。

返済に遅れると遅延損害金が発生する

遅延損害金とは、返済が遅れた際に発生するお金です。

返済できなかった場合、一般的に返済予定日の翌日から返済が完了した日までの期間に対して発生します。さらに、遅延損害金の金利は、借入時の金利よりも高く設定されていることがほとんどです。

返済が遅れるほど遅延損害金が増えるため、返済に遅れないようにすることが大切です。

商品によっては総量規制の対象になる

総量規制とは、貸金業者からの借り入れが年収の3分の1までと定められているルールです。

消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などの貸金業者が提供するキャッシングサービスは、総量規制の対象であるため、すべての借り入れの合計が年収の3分の1を超える金額を借りることはできません。

クレジットカードのキャッシング枠も総量規制の対象です。そのため、クレジットカードのキャッシング枠が付帯されている状態で貸金業者が提供するカードローンを申し込むと、希望金額が借り入れられないといった状況になる可能性があります。

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借入利率は年1.9%〜年14.5%

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一般的にクレジットカードのキャッシングサービスの借入利率上限は年18.0%前後ですが、京都銀行は借入利率の上限が年14.5%と比較的低いといえます。同じ借入金額・借入期間の場合、金利が低ければ利息が抑えられるため、返済負担を軽減したい場合は、京都銀行カードローン<ダイレクト>への申込みや借り換えもご検討ください。

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よくある質問

Q.キャッシング枠とはどういうものですか?

A.

キャッシング枠とは、クレジットカードを使って借りられる上限金額(利用可能枠)です。

クレジットカードには、商品やサービスの支払える利用可能枠「ショッピング枠」と、お金を借りられる利用可能枠「キャッシング枠」の2種類があります。

Q.キャッシング枠がいらない場合どうすればいいですか?

A.

キャッシング枠がいらない場合は、キャッシング枠を減らしたり、0円にしたりすることが可能です。キャッシング枠の減額は、クレジットカードの会員専用アプリなどで設定できます。

なお、再度付帯させたい場合は、申込後、審査に通過する必要があります。

Q.キャッシング枠は他のローンの審査に影響を与えますか?

A.

クレジットカードのキャッシング枠を付帯すると、他のローンの審査に影響を与える可能性があります。

たとえば、クレジットカードのキャッシング枠を付帯後に貸金業者のカードローンを申し込んでも、総量規制により、希望する借入金額よりも低い借入限度額が設定される可能性があります。

また、返済を遅延していると信用情報機関に記録され、他のローンの審査に通過できない可能性があります。

Q.キャッシング枠を付帯するデメリットを教えてください

A.

クレジットカードのキャッシング枠を付帯すると、次のデメリットがあります。

  • 金利はやや高め
  • 必要以上にお金を借りてしまうことがある
  • 審査に時間がかかることがある
  • ショッピング枠が減る

それぞれの詳細は「キャッシング枠を付帯させるデメリット」で解説していますので、参考にしてください。

Q.キャッシング枠の必要性はありますか?

A.

クレジットカードのキャッシング枠は、付帯しておくと急な出費に備えられる点が大きなメリットです。外出先で現金が必要になったときでも、キャッシング枠が付帯したクレジットカードでお金を借りられるため、必要性を感じた場合は付帯を申し込んでおくとよいでしょう。

なお、キャッシング枠の必要性を感じなくなった際は、キャッシング枠を減らしたり0円にしたりすることも可能です。