総量規制対象外のカードローンはある?上限を超えて借り入れられるローンと注意点

更新日:2025/01/10
総量規制対象外のカードローンはある?上限を超えて借り入れられるローンと注意点

総量規制は、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社といった貸金業者が対象です。そのため、銀行が提供するローンは総量規制対象外です。また、貸金業者が提供するローンにも総量規制対象外のローンがあります。

そこで、総量規制対象外のローンの種類を解説します。総量規制対象外のおまとめローンや借り換えを活用すれば、現時点の返済負担を軽減できる可能性があるため、借り入れが増えて悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
  • 銀行ローンは、総量規制対象外
  • 貸金業者が提供するローンも、総量規制対象外の貸し付けがある
  • 新たに借り入れることよりも、今ある返済負担を軽減することも大切
監修者からのコメント

消費者金融からお金を借りる場合、貸付時に総量規制があるため、原則として年収の3分の1までしか借りることはできません。一方、銀行ローンの場合は総量規制対象外ですが、必ずしも年収の3分の1を超えて借り入れられるとは限りません。お金が必要な場合、新たに借りることに気持ちが集中してしまいますが、返済負担の軽減を考えることも必要です。

目次

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銀行カードローンは総量規制対象外

銀行カードローンをはじめ、銀行で提供されているローンは総量規制の対象外です。

総量規制の対象になるのは、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社といった「貸金業者」であり、銀行は貸金業者に該当しません。

総量規制対象の金融機関の違い

ただし、総量規制対象外だからといって、必ずしも年収の3分の1を超える金額を借り入れられるわけではありません。

銀行カードローンにも必ず審査があり、独自の審査基準に沿って、消費者が返済に困難にならないような借入限度額が設定されます。

安定かつ継続した収入や返済能力が認められれば、年収の3分の1を超えて借り入れられる可能性もあります。

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総量規制対象外の貸し付け

貸金業者からの借り入れであっても、総量規制対象外の貸し付けであれば借り入れられる可能性があります。

総量規制対象外の貸し付けには「除外貸付」と「例外貸付」の2種類があります。

総量規制対象外の借り入れ

除外貸付|借りたお金は借入残高に算入されない

除外貸付とは、返済能力があると認められた場合に、貸金業者から年収の3分の1を超えて借り入れができる契約のことです。借入金額が借入残高に算入されないことが特徴です。

除外貸付の例

  • 住宅ローン
  • マイカーローン(自動車ローン)
  • 高額療養費の貸し付け
  • 有価証券を担保とする貸し付け
  • 不動産を担保とする貸し付け

たとえば、総量規制の対象である場合、年収300万円の人は、年収の3分の1にあたる100万円までしか借り入れられません。しかし、200万円のマイカーローンを組むことは可能です。200万円のマイカーローンは除外貸付のため、借入残高に含まれません。そのため、その後カードローンなどを使って最大100万円まで借り入れられます。

このように除外貸付は、一般的に年収の3分の1を超える借り入れが必要と考えられる高額なローンが該当します。

住宅ローン

住宅ローンとは、住宅取得専用のローンです。

新築・中古のマンションや建売住宅を購入したり、一戸建てを建築したりする際に利用できます。また、新たに住居を取得する場合のみならず、リフォームや現在の住宅ローンを別の住宅ローンに変更する借り換えにも利用可能です。

金融機関によっては「リフォームローン」「借り換えローン」などと目的によって商品が細分化されている場合もあります。

マイカーローン(自動車ローン)

マイカーローン(自動車ローン)とは、自動車を購入する資金を借り入れるためのローンです。車だけではなくバイクの購入、車検や修理の費用、カー用品の購入資金などにも活用できます。

マイカーローンは、銀行や信販会社、自動車メーカーや中古車ディーラー提携の信販会社、損害保険会社などで提供されており、どの金融機関のマイカーローンも、総量規制の対象外で利用できます。

高額療養費の貸し付け

公的医療保険が提供する「高額療養費貸付制度」や、金融機関が提供する医療ローン(※)も、除外貸付に該当します。
※借入先によっては対象外とならない場合があります。

借入金は手術や入院、通院に関連する費用として使用できます。

有価証券を担保とする貸し付け

有価証券を担保とする貸し付けも、総量規制の対象外です。

有価証券とは、株式や債券、投資信託、小切手などそれ自体に財産的価値があるものを指します。有価証券を担保にすることで借り入れができ、有価証券を手放さずに資金調達できます。

有価証券の価値に応じて借りられる金額が異なり、価値が高い有価証券であるほど大きな金額を借りられます。

不動産を担保とする貸し付け

不動産を担保とする貸し付けも、総量規制の対象外です。

不動産の価値に応じて借りられる金額が異なり、価値が高い不動産であるほど大きな金額を借りられます。

例外貸付|総量規制を超えて借りられるが借入残高に算入される

例外貸付とは、申込者の利益を守るために必要と判断される契約のことです。返済負担を減らすための借り換えや利益を生み出すための事業用資金などの借り入れが該当します。

例外貸付の例

  • おまとめローン・借り換え
  • 緊急に必要と認められる医療費の貸し付け
  • 社会通念上緊急に必要と認められる費用の貸し付け
  • 配偶者貸付
  • 個人事業主に対する貸し付け

ただし、除外貸付とは異なり、例外貸付の借入額は借入残高に算入されます。そのため、例外貸付を利用することにより借入残高が総量規制の基準を超える場合は、除外貸付と例外貸付を除く貸金業者からの借り入れができなくなります。

おまとめローン・借り換え

おまとめローンとは、複数の金融機関からの借り入れを一つの金融機関にまとめるローンのことです。

借り換えとは、現在契約しているローンから別のローンに借入先を変更することを指します。

おまとめローンと借り換えの違い

いずれも、すでにカードローンなどでお金を借りている人が対象で、おまとめローンは「顧客が一方的に有利になる契約」、借り換えは「借入残高を段階的に減少させる契約」となり、例外貸付に該当します。

金利が低いおまとめローンや借り換えを利用することで、返済負担の軽減が期待できます。

緊急に必要と認められる医療費の貸し付け

申込者本人またはその家族の医療費を払うための緊急の貸し付けは例外貸付に該当し、総量規制の対象外です。

除外貸付の「高額療養費の貸し付け」と異なる点は、緊急性があるかどうかです。

社会通念上緊急に必要と認められる費用の貸し付け

「社会通念上緊急に必要と認められる費用の貸し付け」とは、海外において緊急に必要となった費用、葬儀費用、天災・震災の被災者の生活費などが挙げられます。

たとえば、令和6年1月17日に「貸金業法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布・施行され、令和6年能登半島地震の被災者の生活費等を例外貸付となるよう対応する旨が日本貸金業協会員に周知されました。

配偶者貸付

配偶者貸付とは、申込者本人と配偶者の年収を合算し、その3分の1を限度に借り入れができる制度です。

配偶者の同意書や収入証明書類など必要書類を提出することで、例外貸付として借り入れられます。

個人事業主に対する貸し付け

個人事業者に対する貸し付けは、原則として総量規制の対象です。

ただし、事業資金などの借り入れのため、事業・収支・資金計画を提出し、返済能力があると認められる場合には例外貸付として借り入れられます。

クレジットカードのショッピング枠は総量規制対象外

クレジットカードのショッピング枠は、総量規制が定められている貸金業法ではなく「割賦販売法」が適用されます。そのため、総量規制に関係なく利用できます。

クレジットカードのショッピング枠とは、商品の購入やサービスの支払いに利用できる金額を指し、借り入れではありません。

付帯済みのキャッシング枠を利用していないなら借り入れができる

クレジットカードのキャッシング枠が付帯されていれば、別途申込みが不要で借り入れができます。クレジットカードを所有している人は、会員専用アプリなどでキャッシング枠が付帯しているかを確認してみましょう。

ただし、キャッシング枠が付帯されていない場合は、別途申込みが必要です。借り入れには、審査に通過し、キャッシング枠の利用可能枠が設定される必要があります。キャッシング枠が付帯されるまでに1週間程度かかる場合があるため、借り入れに急いでいる場合は注意しましょう。

なお、クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象です。借入残高が年収の3分の1を超えている場合はキャッシング枠を付帯できません。

総量規制を超えて借り入れるときの注意点

総量規制を超えて借り入れる場合は、次の点に注意しましょう。

総量規制対象外の借り入れにも審査がある

たとえ総量規制の対象外となるローンであっても、審査に通過できなければ借り入れができません。

ローンの審査に通るには、安定かつ継続した収入が必要です。また、過去に返済を遅延していないかなども確認されます。

審査基準は、ローンの種類や金融機関により異なります。

返済計画を立てたうえで申し込む

借り入れの際は、返済計画を立てたうえで申し込みましょう。総量規制を超えて借り入れる場合でも、無理のない返済計画を立てることが大切です。

金融機関のWEBサイトなどにある返済シミュレーションを活用して、毎月の返済額や、利息額、完済までの期間などを把握しておきましょう。

違法な業者からは借り入れない

どれほどお金が必要な場合でも、個人間融資や非正規の業者などの違法な業者からは借り入れないようにしましょう。

違法な業者から借り入れると、法外な利息を要求されたり、犯罪に巻き込まれたりする可能性があります。

お金を融資する銀行や貸金業者などの金融機関は、免許や登録を受けて金融業を営んでいます。登録がなければすべて違法業者です。SNSやインターネット上の掲示板などで「お金を貸します」「審査なしで融資」と誘う個人間融資も、登録を受けていなければ違法業者同様、近づかないようにしましょう。

なお、正規の金融機関かどうかは、金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。

返済の負担を軽減する方法

総量規制を超えて借り入れる前に、現時点の返済負担を軽減できないかを検討してみましょう。

次の方法で、返済の負担を軽減できる可能性があります。

おまとめローン・借り換えを利用する

すでに借り入れをしている場合は、おまとめローンや借り換えの利用を検討しましょう。

今よりも金利が低い借入先に借り換えできれば、利息負担が軽減できる可能性があります。たとえば、下表の返済シミュレーションでは、借り換えの前後で支払総額に約13万円の差額が生まれています。

借り換え前 借り換え後
借入残高 80万円 80万円
残存期間 7年 7年
金利(年利) 18.0% 14.5%
毎月の返済額 16,814円 15,213円
支払総額 約141万円 約128万円

※シミュレーション結果はあくまでも簡易的な試算であり、お取引状況により実際のご返済金額やご返済期間と異なる場合があります。

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返済方法・返済期日などを見直す

返済負担を軽減するには、自分にあった返済方法や返済期日などに変更するのも有効です。

たとえば、返済方法が振り込みで不便に感じている場合は、給料が振り込まれる口座からの自動引落に変更するとよいでしょう。返済期日が給料日前でいつもお金が不足しがちという場合は、給料日や給料日の翌日などに設定するとよいでしょう。

自分の都合のよい返済方法や返済期日に変更できない場合は、他の借入先に借り換えることも手段のひとつです。

返済が困難なときは弁護士などに相談する

「返済が進まない」「返済のための借り入れを繰り返している」など返済が困難なときは、弁護士などの専門家に相談しましょう。

状況によっては、新たな借り入れをせずに返済計画を立て直したほうがよい場合もあるでしょう。法テラスや弁護士事務所などへ相談して、専門家と一緒に今後の対応を検討することで、少しずつ返済が進む可能性があります。

申込みから契約までWEB完結の京都銀行カードローン<ダイレクト>

京都銀行カードローン<ダイレクト>は、24時間365日申込可能のカードローンです。申込時は京都銀行の口座がなくても申し込めます。
※別途、正式審査のお申込みまでに普通預金口座のご開設が必要となります。
※申込みは京都府、大阪府、滋賀県、兵庫県、奈良県、愛知県にお住まいの方に限ります。

京都銀行カードローン<ダイレクト>の借入利率は、年1.9%〜年14.5%です。

一般的にキャッシングサービスの借入利率の上限は年18.0%前後ですが、京都銀行は借入利率の上限が年14.5%と比較的低いといえます。同じ借入金額・借入期間の場合、金利が低ければ利息が抑えられるため、返済負担を軽減したい場合は、京都銀行カードローン<ダイレクト>への申し込みや借り換えもご検討ください。

まずはお借り入れ5秒診断をチェック

京都銀行カードローン<ダイレクト>は、総量規制の対象外である銀行カードローンですが、必ずしも年収の3分の1を超える借り入れができるとは限りません。

まずは「お借り入れ5秒診断」をチェックしてみましょう。年齢、年収、借入件数を入力するだけで借り入れ可能か簡易的に診断できます。
※「お借り入れ5秒診断」は借り入れを検討する際の目安であり、実際の申込時の審査結果と異なる場合があります。

※シミュレーション結果はあくまでも簡易的な試算であり、お取引状況により実際のご返済金額やご返済期間と異なる場合があります。(ご返済金額は借入残高に応じて決まるため、ご返済が進み借入残高が少なくなると、毎月のご返済金額は少なくなります。)

総量規制に関するよくある質問

Q.総量規制対象外の貸し付けの例を教えてください

A.

総量規制の対象外となる貸し付けには、除外貸付と例外貸付があります。

除外貸付の例は、次のとおりです

  • 住宅ローン
  • マイカーローン(自動車ローン)
  • 高額療養費の貸し付け
  • 有価証券を担保とする貸し付け
  • 不動産を担保とする貸し付け


例外貸付の例は、次のとおりです。

  • おまとめローン・借り換え
  • 緊急に必要と認められる医療費の貸し付け
  • 社会通念上緊急に必要と認められる費用の貸し付け
  • 配偶者貸付
  • 個人事業主に対する貸し付け

それぞれの詳細は「総量規制対象外の貸し付け」をご確認ください。

Q.銀行カードローンなら年収の3分の1を超えて借り入れることはできますか?

A.

銀行カードローンだからといって、必ずしも年収の3分の1を超えて借り入れられるとは限りません、

銀行は貸金業者でないため、総量規制は適用されません。しかし、銀行カードローンも借り入れでは審査があり、返済が困難になるような貸し付けは行っていません。

Q.クレジットカードは総量規制対象外ですか?

A.

クレジットカードのショッピング枠は、「割賦販売法」に基づくため、総量規制の対象外です。

一方、クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象です。利用可能枠は、審査によって決まります。

Q.おまとめローンは総量規制対象外ですか?

A.

おまとめローンは総量規制の対象外です。そのなかでも、例外貸付に該当します。

Q.総量規制対象外のローンで即日融資可能なものはありますか?

A.

総量規制対象外のローンは、多くの場合で即日融資に対応していません。

申込みから融資までにかかる時間は、金融機関のWEBサイトに記載されている場合があるため、申込前に確認するとよいでしょう。
※京都銀行では即日融資に対応しておりません。