おまとめローンは総量規制の対象外!制限なしの理由や審査のポイントを紹介

更新日:2025/05/28
おまとめローンは総量規制の対象外!制限なしの理由や審査のポイント

複数の借り入れを1つにまとめる「おまとめローン」は、総量規制の「例外貸付」に分類されます。そのため、年収の3分の1を超える金額でも、返済能力があると認められれば貸金業者から借り入れをすることが可能です。

ただし、おまとめローンを利用するには、申込条件を満たしたうえで審査に通過する必要があります。

この記事では、おまとめローンが総量規制の対象外となる理由や利用条件、審査に通らない場合に考えられる要因について詳しく解説します。

この記事で分かること
  • おまとめローンとは、複数の金融機関からの借り入れを1つの金融機関にまとめるローンのこと
  • おまとめローンは総量規制の対象外となるため、年収の3分の1を超えて借りられる可能性がある
  • 収入の安定性や借入状況などによっては、おまとめローンの審査通過が難しい場合がある
監修者
飯田道子(いいだみちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 他
飯田 道子

複数の金融機関から借り入れがあり毎月の返済額が多いなら、おまとめローンへの借り換えを検討しましょう。おまとめローンの商品は貸金業法により、総量規制の対象外とされているため、年収の3分の1を超える金額でも借り入れられる可能性があります。自分が行っている取引は、おまとめローンの対象となっているか確認し、負担額がどれくらい変わるか確認することが大切です。

目次

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おまとめローンは総量規制の対象外となる!

複数の借り入れを一本化できる「おまとめローン」は、総量規制の例外貸付に該当します。総量規制とは、貸金業者に対して年収の3分の1を超える貸し付けを禁止するものであり、過度な借り入れや多重債務から消費者を守るために設けられた基準です。

総量規制にはいくつかの例外が認められており、そのひとつに「顧客に一方的に有利となる借り換え」があります。おまとめローンは、新たな借り入れではなく、既存の借り入れを一本化し、返済負担を軽減することを目的としているため、この例外に該当します

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おまとめローンが総量規制の例外とされる理由

おまとめローンが総量規制の例外に該当する理由は、おもに2つあります。

新たな借り入れではなく、既存の借り入れの整理が目的だから

総量規制は、利用者の借りすぎを防ぐことを目的としています。しかし、返済専用のおまとめローンは、追加の借り入れではなく、既存の借り入れを整理するためのローンであるため、総量規制の例外として扱われます。

おまとめローンは、借り入れの総額が増えるわけではなく、借り入れを一本化することで返済負担を軽減できる点が特徴です。このように、総量規制の趣旨とは異なるため、総量規制の対象外とされています。

利用者にとって負担が軽減される借り入れだから

おまとめローンを利用することで、金利負担を軽減したり、毎月の返済額を抑えたりすることが可能です。日本貸金業協会では、次のような借り入れを総量規制の例外としています。

  • 顧客に一方的に有利となる借り換え
  • 借入残高を段階的に減少させるための借り換え

たとえば、複数の金融機関から借り入れがあり、毎月の返済負担が大きい場合や、返済期日の管理が煩雑になっている場合、おまとめローンを利用すると負担を軽減できます。このように、利用者にメリットがある借り入れと認められるため、総量規制の例外貸付に分類されます

おまとめローンで借りられる金額

おまとめローンで借りられる金額は、最大でもおまとめする借り入れの合計金額までとなります。「念のため多めに借り入れる」といったことはできず、必要な金額のみが融資される仕組みです。

また、借りられる金額は金融機関の審査基準によって決まります。審査では、申込者の年収や勤務先などの属性情報や、現在の借入状況、返済履歴などの信用情報が確認され、各金融機関の審査基準に基づいて融資の可否や借入限度額が決定されます。

おまとめローンで総量規制以上借りたらどうなる?

おまとめローンは総量規制の対象外となるため、年収の3分の1を超える金額を借り入れられる場合があります。ただし、おまとめローンは返済専用のローンであるため、おまとめ後に追加の資金を借り入れることはできません

また、おまとめローン契約後に、別の金融機関で新たな借り入れを行うと、契約内容によっては契約違反となる可能性があります。契約違反に該当すると、借入残高の一括返済を求められる可能性もあるため、契約内容はしっかり確認することが重要です。

おまとめローンの利用条件

おまとめローンの利用条件は金融機関によって年齢制限が異なりますが、一般的には20歳〜65歳の方を対象としています

また、安定かつ継続した収入があることが求められるため、正社員・契約社員・派遣社員・公務員・個人事業主などが主な対象です。一部の金融機関では、パートやアルバイトの人でも申込可能な場合もあります。

また、外国籍の場合は永住許可が条件となる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

総量規制の範囲内でもおまとめローンの審査に通らない原因

おまとめローンは総量規制の対象外ですが、必ずしも利用できるわけではありません。たとえば、申込条件を満たしていたとしても、審査に通らないケースがあります。

その理由としては、次の4つが考えられます。

総量規制の範囲内でもおまとめローンの審査に通らない原因

信用情報に問題がある

おまとめローンの審査では、申込者の同意を得たうえで、信用情報機関に記録されている信用情報が確認されます。信用情報とは、クレジットやローンの契約・利用状況などに関する情報のことで、客観的な取引を記録した個人情報のことです。

信用情報機関

たとえば、過去に返済の遅延があると、審査で不利になる可能性があります。債務整理をした場合も、その情報が信用情報機関に記録され、審査通過が難しくなります。

また、短期間に複数のローンを申し込んだ履歴も残るため、安易に申込みを繰り返すことは避けたほうがよいでしょう。

収入が不安定・返済能力が低い

おまとめローンの審査では、安定かつ継続した収入があるかどうかが重視されます。

年収が低い場合や、契約社員や派遣社員、アルバイトなどの収入の安定性が低い雇用形態の場合、審査に通りにくくなる可能性があります。転職直後の場合も収入の安定性が証明されていないため、審査通過が難しいかもしれません。

借入件数・借入額が多すぎる

おまとめローンの審査では、現在の借入件数や借入額も重要な判断材料となります。

おまとめローンは複数の借り入れを一本化する貸し付けであるため、借入件数の多さ自体が必ずしも不利に働くわけではありません。しかし、おまとめローンを利用しても返済の見通しが立たない場合や、収入に対して借入額が著しく多い場合は、審査通過が難しくなります

たとえば、年収300万円の人がすでに100万円近く借り入れている場合、審査に通過しにくくなると考えられます。また、借入残高が数万円など一括返済できる程度の借り入れがある場合は、まずそちらを完済・解約して、借入件数を減らすことも検討してみましょう。

申込内容に不備や虚偽がある

年収や勤務先などの申込内容に誤りがあると、審査に通らない可能性が高くなります。特に、他社での借入額や借入件数などの情報は、申込者の同意を得たうえで信用情報機関を通じて確認されるため、正確な情報を申告しましょう。

また、提出書類の不備や不足も審査に通らない原因となる場合があるため、注意が必要です。正確な情報を入力し、指定された必要書類をしっかり準備することが重要です。

おまとめローンの申込みの流れ

おまとめローンの申込みの流れは、次のとおりです。

自分の借入状況を確認する

まずは、現在の借入状況を正確に把握しましょう。複数の金融機関からの借入額や適用金利、返済期間を整理し、借入先ごとの毎月の返済額を計算します。

申込手続きを行う

借入状況を確認したら、おまとめローンの申込手続きを行います。多くの金融機関ではWEB申込みが可能です。なかには、電話や店舗での申込みに対応している金融機関もあります。

申込後は必要書類の提出が求められるため、指定された方法で提出しましょう。

必要書類

一般的には、「本人確認書類」と「収入証明書類」が必要です。

本人確認書類の例

  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書
  • パスポート
  • 個人番号カード
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 各種福祉手帳 など

借入額が50万円を超える場合、または他社からの借り入れと合計で100万円を超える場合は、収入証明書の提出が求められます

収入証明書類の例

  • 源泉徴収票
  • 給与明細書+賞与明細書
  • 税額通知書
  • 所得証明書
  • 確定申告書 など

上記の書類に加えて、金融機関や申込者によっては、資金使途確認書類や現在の借り入れや返済内容の明細などの追加の書類提出が求められる場合があります。

審査を受ける

必要書類を提出した後は審査が実施されます。審査では「属性情報」と「信用情報」が確認されます。

審査で確認される項目

審査基準はどの金融機関でも公開されていませんが、「安定かつ継続した収入があるか」「返済能力があるか」「信用情報に不利な履歴はないか」などが確認されます

また、審査の過程で勤務先への在籍確認が行われる場合があります。

審査結果が出るまでの日数は金融機関によって異なりますが、最短即日〜1週間程度で結果が通知されることが一般的です。

※京都銀行では即日融資に対応しておりません。

契約・借入実行

審査に通過した後は、契約手続きを行います。契約内容には金利・返済期間・毎月の返済額などが記載されているため、しっかりと確認しておきましょう。

契約後は、既存の借入先への返済を行います。返済方法は、おまとめローンを提供する金融機関が直接返済するか、自分で返済するかの2パターンがあり、どちらの方法になるかは金融機関によって異なります。

既存の借入先への返済が完了した後は、おまとめローンのみの返済を続ける流れです。

おまとめローンを利用するときの注意点

おまとめローンを利用する前に知っておきたい注意点が3つあります。

利息の軽減効果を確認したうえで申し込む

おまとめローンを利用すると、借入先が一本化されることで適用金利が低くなる可能性があります。しかし、必ずしも金利を抑えられるとは限りません。たとえば、現在の借入先の金利がすでに低い場合、おまとめ後にかえって金利の負担が増えてしまうこともあります。

こうした状況を防ぐためにも、契約前に返済シミュレーションを行うことが重要です。現在の適用金利とおまとめ後の金利を比較し、支払総額が減るかどうかを確認したうえで申込みを進めましょう。

返済計画を立てる

おまとめローンを利用すると、返済が一本化されて管理しやすくなります。しかし、ただ借り換えるだけでなく、確実に完済できるようにきちんと計画を立てることが重要です。

収支のバランスを考えずに高額な返済額を設定してしまうと、生活費が不足し、新たな借り入れが必要になる可能性があります。そのため、まずは毎月の収入と支出を把握し、無理のない返済額を設定しましょう。

また、貯金に余裕がある場合やボーナスが支給された際に繰り上げ返済を行うなど、支払総額を減らす工夫をすることも大切です。

他社で追加借入をしない

おまとめローンの目的は、借り入れを一本化し、返済負担を軽減することです。しかし、おまとめ後に新たな借り入れを行うと、結局借入額が増え、返済負担がさらに大きくなるという悪循環に陥る可能性があります。

おまとめローンを利用する際は、返済の負担を軽減しつつ、最終的に完済を目指すことが重要です。そのため、新たな借り入れをせずに済むよう、計画的な資金管理を心がけましょう。

もし追加の借り入れが必要になる可能性がある場合は、カードローンをおまとめや借り換えに利用する方法もあります。ただし、カードローンは総量規制の対象となるため、年収の3分の1を超える借り入れはできません。

おまとめにも対応!京都銀行カードローン<ダイレクト>

京都銀行カードローン<ダイレクト>は、入会金・年会費は0円のカードローンです。通常のカードローンでありながら、おまとめ目的でも利用できます。借入限度額の範囲内であれば追加の借り入れも可能です。
※お申込みは、京都府、大阪府、滋賀県、兵庫県、奈良県、愛知県にお住まいの方が対象です。

借入利率は年1.9%〜年14.5%

京都銀行カードローン<ダイレクト>の借入利率は、年1.9%〜年14.5%です。

一般的にキャッシングの借入利率の上限は年18.0%前後ですが、京都銀行は借入利率の上限が年14.5%と比較的低いといえます。ただし、実際に適用される借入利率は借入限度額によって異なり、たとえば借入限度額10万円の場合、借入利率は年14.5%となります。

申込み・借り入れがWEB完結で利便性が高い

京都銀行カードローン<ダイレクト>は、WEBで24時間365日申込可能です。仮申込時は京都銀行の口座がなくても申し込めます。
※別途、正式審査のお申込みまでに普通預金口座のご開設が必要となります。

京都銀行のキャッシュカードで京都銀行ATMやコンビニATMで借り入れができ、専用のローンカードは発行されません。また、京銀アプリでも借り入れができます。

返済シミュレーションでおまとめの効果を判断しよう

「お借り入れ5秒診断」では、年齢、年収、借入件数を入力するだけで借り入れ可能か簡易的に診断できます。
※「お借り入れ5秒診断」は借り入れを検討する際の目安であり、実際の申込時の審査結果と異なる場合があります。

「カードローンご返済シミュレーション」では、利息額、毎月の返済額、返済総額、返済期間の目安がわかります。おまとめ後に適用金利が低くなるか、毎月の返済額を減らせるのかを判断できますので、申込前に行っておきましょう。
※シミュレーション結果はあくまでも簡易的な試算であり、お取引状況により実際のご返済金額やご返済期間と異なる場合があります。(ご返済金額は借入残高に応じて決まるため、ご返済が進み借入残高が少なくなると、毎月のご返済金額は少なくなります。)

よくある質問

Q.おまとめローンは総量規制の対象外ですか?

A.

おまとめローンは、総量規制の対象外です。通常、総量規制では貸金業者から年収の3分の1を超える借り入れはできません。しかし、おまとめローンは総量規制の「例外貸付」に該当するため、返済能力があると認められれば、年収の3分の1を超える借り入れが可能です。

Q.銀行カードローンは総量規制の対象外ですか?

A.

銀行カードローンは総量規制の対象外です。総量規制は貸金業法に基づくルールですが、銀行は貸金業法ではなく銀行法の管轄となるため、「借り入れは年収の3分の1以下」といった制限はありません。ただし、銀行も貸しすぎを防ぐために独自の審査基準を設けています。

Q.おまとめローンで総量規制以上借りても問題ないですか?

A.

貸金業者のおまとめローンは、総量規制の「例外貸付」として認められるため、年収の3分の1を超える借り入れが可能です。ただし、総量規制は利用者の借りすぎを防ぐために設けられたルールであるため、安易に利用するのは避けるべきです。しっかりと返済計画を立て、計画的に返済を進めることが大切です。

Q.おまとめローンで年収以上を借りられますか?

A.

おまとめローンで年収以上の借り入れができるかどうかは審査次第です。法律上の明確な決まりはありませんが、返済能力が重視されるため、年収以上の借り入れは困難と考えられます。おまとめローンの借入額は年収の範囲内に収まることが一般的です。

Q.おまとめローンの審査に通らない原因は?

A.

おまとめローンの審査に通らない主な原因として、次のような点が挙げられます。


  • 信用情報に問題がある
  • 収入が不安定・返済能力が低い
  • 借入件数・借入額が多すぎる
  • 申込内容に不備や虚偽がある

総量規制の範囲内でもおまとめローンの審査に通らない原因」で詳しく説明しています。