投資信託の手数料等費用とは?種類や計算、確認方法をわかりやすく解説
投資信託に限らず、資産形成をするにあたり手数料や各種費用の支払いが必要になる場合があります。手数料の割合によっては、利益に影響を与えることがあるため、手数料が低いファンドを選ぶことが必要です。
投資信託を運用するに際し、どのような費用がいくらかかり、いつ差し引かれるのかを把握しておきましょう。
- 投資信託に関連する主な費用には、「申込手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」がある
- 手数料を支払うタイミングは種類によって異なる
- NISAの「つみたて投資枠」は申込手数料が0%に設定されている
目次
OPEN投資信託の手数料等費用の種類
投資信託の手数料・費用には、「投資家が直接負担するもの」と「間接的に負担するもの」があります。そして、手数料・費用を支払うのは、「購入時」「保有期間中」「換金時」の3つのタイミングに分けられます。
ここでは、それぞれの手数料・費用の種類と支払うタイミング、計算方法を見ていきましょう。
申込手数料
申込手数料とは、投資信託を購入する際に、販売会社である銀行や証券会社へ支払う費用です。「販売手数料」や「購入時手数料」と呼ばれることもあり、銀行や証券会社が設定しています。
申込手数料は、各ファンド所定の手数料率を乗じて計算され、投資信託購入時に支払います。
申込手数料は購入時のみに発生する費用であり、長期保有することで1年あたりの負担割合は小さくなることが特徴です。たとえば3.30%の申込手数料がかかった場合でも、5年間保有すれば1年あたりの負担は0.66%と考えることもできるでしょう。
申込手数料の計算方法
購入時手数料の計算方法
申込手数料 = 購入金額 ÷(1+手数料率)× 手数料率
たとえば、手数料率3%(税込)の投資信託で、100万円分のファンドを一括購入した場合、購入時手数料は約29,126円になります。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託の運用中に発生する費用です。信託報酬は日割り計算されて毎日信託財産から差し引かれ、投資家が間接的に負担をしています。信託報酬は、投資信託の運用会社が設定しています。
投資信託を保有する期間中、信託財産の運用や管理の対価として、運用会社や販売会社に支払います。
信託財産とは
投資信託が保有する資産であり、信託銀行に預けられている
信託報酬の計算方法
信託報酬の計算式
1日あたりの信託報酬=信託財産×信託報酬の年率×(1+消費税率)÷365
たとえば、信託報酬の年率が0.3%(税抜)の投資信託を100万円分保有するとき、1日分の信託報酬は約9円になります。
信託財産留保額
信託財産留保額とは、投資信託を換金する際、基準価額に対して一定の割合で差し引かれる費用です。信託財産留保額は、投資信託の運用会社が設定しています。
一部の投資信託のなかには、信託財産留保額が設定されているファンドがあります。これは、投資家間の公平性の観点から、換金によってファンドに発生する費用を、換金する投資家が負担するというものです。
換金時の基準価額に対してファンドが定めた料率(0.3%程度)を乗じた金額が、信託財産留保額として差し引かれます。
信託財産留保額の計算方法
信託財産留保額の計算式
信託財産留保額 = 基準価額 × 信託財産留保率
投資信託の基準価額は1万口あたりで表示されるため、信託財産留保額も1万口あたりで計算します。
たとえば、売却時の基準価額が1万円、信託財産留保額が0.3%のファンドの場合、1万口あたりの信託財産留保額は30円です。100万口を売却する場合は、信託財産留保額は3,000円になります。
100万口あたり:30×1,000,000÷10,000
その他費用
その他の費用として、次の費用が発生する場合があります。
| 監査報酬 | 投資信託の経理が公正に行われているか監査するための費用 |
|---|---|
| 売買委託手数料 | 有価証券を売買するときに証券会社へ支払う手数料 |
| 海外保管費用 | 外国の資産を現地の金融機関に保管するための費用 |
支払う費用の種類、金額は、ファンドによって異なります。
これらの費用は信託報酬と同様に、投資家が間接的に負担する費用です。
投資信託の手数料等費用の確認方法
申込手数料や信託報酬、信託財産留保額などの費用は、投資信託説明書(交付目論見書)に記載されています。
売買委託手数料や監査報酬、保管費用などは運用状況により変動するため、具体的な金額ではなく上限や前期実績として記載されています。実際にかかった費用の詳細は、決算期ごとに発行される運用報告書で確認できます。
購入前には、交付目論見書でこれらの費用の目安を確認しておきましょう。
投資信託の手数料等費用が低いファンドの特徴
投資信託にかかる費用が低いファンドには、次の特徴があります。
申込手数料がかからない(ノーロード)
投資信託のなかには、「ノーロード」と呼ばれる申込手数料が0円のファンドがあります。
通常、購入の際に販売会社に最大3.30%程度の手数料を支払う必要がありますが、ノーロードのファンドであれば手数料がかからず、その金額分を投資信託の購入に使うことができます。
ただし、申込手数料がかからないということだけを基準に選ぶのではなく、信託報酬や信託財産留保額などその他の費用も考慮して選択しましょう。
信託報酬が低い
信託報酬は、投資信託を保有している間にかかり続ける費用であるため、数%の差でも長期になると運用益に大きな差が生じるでしょう。
信託報酬が低いほど運用コストを抑えられるため、長期投資の成果に大きな影響を与えます。
たとえば、信託報酬が0.5%の投資信託Aと、1.5%の投資信託Bを100万円ずつ保有し続ける場合、1年間では約1万円の差ですが、30年間でかかる費用の差は33万円と大きくなります。
| 投資信託A | 投資信託B | |
|---|---|---|
| 信託報酬(税抜) | 0.5% | 1.5% |
| 1年間にかかる費用(概算) | 約5,500円 | 約16,500円 |
| 20年間にかかる費用(概算) | 約110,000円 | 約330,000円 |
| 30年間にかかる費用(概算) | 約165,000円 | 約495,000円 |
※信託報酬以外の手数料、運用による利益などは考慮しておりません
市場全体の動きを表す代表的な指数に連動している(インデックスファンド)
投資信託には「インデックスファンド」と「アクティブファンド」があり、それぞれ次の意味をもちます。
インデックスファンド
日経平均株価やTOPIXなどの指標と同じ動きをした成果を目指す投資信託
アクティブファンド
ファンドマネージャーが銘柄を選定し、特定の指数を上回るリターンを目指す投資信託
インデックスファンドは特定の株価指数に連動します。アクティブファンドと比較して信託報酬が低く設定されており、長期投資に向いている商品が多いことが特徴です。
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司
インデックスファンドは信託報酬が低く、長期投資に適した商品です。運用コストを抑えながら着実に資産を増やしたい方に、特におすすめの選択肢といえるでしょう。
投資信託の手数料等費用を抑える方法
投資信託にかかる手数料を抑える手段としては、次の方法があります。
長期運用を心がける
投資信託は売買するごとにコストが発生するため、短期間で売買を繰り返すほど費用が高くなる可能性があります。それに対して、長期で保有するほうが売買時に発生するコストの影響は少なく、本来得られるはずの利益が手数料により減ることを抑えやすくなるでしょう。
また、運用で得られた利益を受け取らない「再投資型」にしていれば、さらに複利の効果で資産を効率的に増やせる可能性があります。
複利効果とは
複利とは、元利(元本+利益)に利益が発生する仕組みのこと
手数料を直接減らせるわけではありませんが、長期保有をすることで結果的にコストの負担を軽減することにつながります。
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NISA口座を活用する
投資信託では、利益に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座を利用して投資信託を運用することでその税金が非課税になります。また、利益に対する税金が0円になれば、運用コストを抑えることにもつながります。
なかでも、NISAの「つみたて投資枠」で購入できる投資信託は、金融庁が定める基準を満たしたファンドで、手数料が比較的抑えられていることが特徴です。さらに、資産運用でリスク軽減につながる「長期・積立・分散投資」に適した商品となっているため、投資初心者の方に向いているでしょう。
投資信託で資産形成をはじめる方は、NISA口座を利用することも検討してみてください。
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投資信託に関する相談は京都銀行へ
投資信託で資産形成をするにあたり、各種費用を考慮して選ぶことになりますが、手数料だけでは目的にあったファンドを見つけるのは難しいかもしれません。
資産形成では、目的や運用期間、ライフプランによって、向いているファンドや組み合わせが変わります。「どの銘柄を選べばよいかわからない」という方は、専門家に相談しながら運用するのがおすすめです。
京都銀行では、多様な投資信託商品のなかから、お客さま一人ひとりに合った運用方法をご提案しています。平日お忙しい方は、「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。
投資信託の手数料に関するよくあるご質問
Q.投資信託の手数料はいつ引かれますか?
A.
手数料が引かれるタイミングは、手数料・費用の種類により異なります。
- 申込手数料:購入時
- 信託報酬:毎日
- 信託財産留保額:換金時
Q.投資信託の手数料は経費にできますか?
A.
個人の資産運用にかかる投資信託の手数料、費用は経費にすることはできません。
Q.銀行は投資信託の手数料が高いですか?
A.
手数料は、販売会社ごとに取り扱う商品や申込手数料の有無が異なるため、銀行で取り扱う投資信託の手数料が特別に高いと一概にはいえません。
投資信託の購入を検討する際は、目論見書などで申込手数料や信託報酬を確認しましょう。
Q.NISA口座で運用する投資信託でも手数料はかかりますか?
A.
NISA口座で投資信託を運用する際も、各種手数料がかかる場合があります。
なお、NISAの「つみたて投資枠」で購入できる商品はすべて申込手数料が0円に設定されています。

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司
投資信託の手数料は、長期運用における収益に大きく影響を与えます。特に信託報酬は保有期間中ずっとかかるコストであるため、購入前に必ず確認しましょう。手数料の仕組みを正しく理解することで、効率的な資産形成につながります。