投資信託の基準価額とは?仕組みや見方、運用時の考え方をわかりやすく解説

更新日:2026/01/20
投資信託の基準価額とは?仕組みや見方、運用時の考え方をわかりやすく解説

投資信託の情報を調べているとよく目にする「基準価額」。なんとなく値段のようなものだとは分かっていても、具体的に何の値段かよくわからない方も多いのではないでしょうか。

基準価額とは、投資信託の購入や売却などの取引時に基準となる価格です。本記事では、基準価額の意味や決まり方、更新されるタイミングに加え、NISA口座で投資信託を運用するときの基準価額の見方や、知っておきたいチェックポイントをわかりやすく解説します。

この記事で分かること
  • 投資信託の基準価額とは何か、どのように計算されるのか
  • 基準価額が変動する要因と、確認する際のポイント
  • NISAで投資信託を運用する際に、基準価額以外で注目すべきポイント
監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

基準価額は投資信託の値段を示す指標ですが、『高い・安い』で判断するものではありません。購入時からの変化を長期的な視点で確認し、運用コストや純資産総額もあわせてチェックすることが大切です。

目次

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投資信託の基準価額とは

投資信託の基準価額とは、投資信託の値段のことです。投資信託は、たくさんの投資家から集めたお金をひとつにまとめ、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が株式や債券などに分散して投資する商品を指します。その「ひとまとめのお金」が今いくらの価値になっているかを示したものが基準価額とイメージするとわかりやすいです。

なお、「基準価格」と表記されることもありますが、正式な呼び方は「基準価額」です。

投資信託における「口数」とは

投資信託の取引を行う際の単位を「口(くち)」といいます。通常、投資信託設定時の1口あたりの金額が1円の投資信託では、基準価額は1万口あたりの価額で表示されます。一方、1口あたり1万円の投資信託では、基準価額は1口あたりの価額で表示されます。

実際に取引するときは、「10,000円購入する」といったように金額を指定すれば、自動的にその時点の基準価額から「何口分」に換算されます。

基準価額で利益が決まる仕組み

投資信託では、購入時と売却時の基準価額の差によって、利益や損失が決まります。たとえば、購入時の基準価額が10,000円の場合、売却時に11,000円になっていれば1,000円の利益、9,000円になっていれば1,000円の損失です。

基準価額で利益が決まる仕組み

ここで大切なのは、「基準価額が今高いか・低いか」ではなく、「自分が買ったときからどれくらい変化しているか」です。現在の数字だけを見て良し悪しを判断するのではなく、「自分が購入してからどのくらい増えた(減った)か」 を見ることが重要です。
また、これから購入を検討する場合は、「今購入したら、どのくらい増える見込みがあるか」という視点で基準価額をチェックしましょう。

投資信託の基準価額の決まり方

投資信託の基準価額は、次の式で計算されます。

純資産総額 ÷ 総口数 = 基準価額(一口あたりの価額)

純資産総額とは、投資信託が保有する資産の時価に債券利息や株式配当金を加えた総額から、信託報酬など運用にかかる費用を差し引いた金額のことです。また、総口数とは、投資家が保有している口数の合計を指します。この純資産総額を総口数で割ることで、1口あたりの価額が求められます。

たとえば、純資産総額が12万円で、総口数が10万口の場合、1口あたりの価額は「12万円÷10万口=1.2円」です。基準価額が1万口あたりで表示される場合、基準価額は1.2円×10,000で12,000円になります。

投資信託の基準価額の更新時間

投資信託の基準価額は、株式のようにリアルタイムで動いているわけではなく、1日1回だけ更新される仕組みです。市場での取引が終わったあと、運用会社がその日の終値などをもとに基準価額を計算し、公表します。国内資産のみで運用しているファンドは当日の夕方~夜に公表されることが多く、海外資産を含むファンドは翌営業日に公表されるのが一般的です。

ただし、何時に公表されるかは運用会社によって異なる点に注意しましょう。

購入・売却した場合はいつの基準価額が反映される?

投資信託を購入・売却したときに実際に適用されるのは、「注文が成立した日(約定日)」の基準価額です。注文画面に表示されている基準価額が、そのまま購入・売却価格になるわけではない点には注意しましょう。

なお、注文から約定までにかかる日数や、どの日の基準価額が反映されるかはファンドの種類によって異なります。具体的な締切時間や約定日は、運用会社のWEBサイトや目論見書で確認しておくと安心です。

投資信託の基準価額の確認方法

基準価額を調べたいときは、販売会社のWEBサイトやアプリ、運用会社の公式WEBサイト、あるいは新聞などで確認が可能です。WEB上では「基準価額一覧」や「ファンドランキング」といったページに、各商品の基準価額が並んでいます。

興味のあるファンドを選ぶと詳細ページに移動し、「チャート」や「運用レポート」から過去の動きも見られるようになっています。チャートを見れば、直近の細かい動きだけでなく、数年単位での大きな流れもつかみやすくなるでしょう。

表示単位が「1万口あたり」なのか「1口あたり」なのかは、ページの下部などに注釈で書かれているケースが多いため、他のファンドと比べる際には単位も一緒に確認してください。

京都銀行の場合は以下のように確認できます。

投資信託の基準価額の確認方法

※2026年1月時点

投資信託の基準価額が変動する要因

投資信託の基準価額は日々変動しています。変動する主な要因は以下のとおりです。

  • 組入資産の価格変動
  • 分配金の支払い
  • 信託報酬の支払い

組入資産の価格変動

投資信託は、株式や債券などを組み合わせて運用しているため、これらの資産価格が動けば基準価額も連動して変化します。株式を多く組み入れているファンドであれば、株価が上昇すると保有資産の評価額が増えて基準価額も上がり、株価が下落すると基準価額も下がります。

また、海外資産に投資しているファンドでは、為替レートも影響要因のひとつです。たとえば、円安になると、外貨建て資産の評価額は相対的に高くなり、基準価額が上昇することがあります。

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分配金の支払い

分配金がある投資信託では、分配金はファンドが保有する資産(純資産)から支払われます。そのため、分配金を支払うと純資産総額がその分だけ減少します。基準価額は純資産総額を総口数で割って計算されるため、結果として基準価額が下がるのです。

なお、分配金はそのまま受け取ることも、再び投資に回す「再投資」を選ぶこともできます。受け取りと再投資のどちらを選ぶかで資産の増え方にも違いが出てくるため、ご自身の目的にあわせて選択することが大切です。

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信託報酬の支払い

投資信託の運用には、信託報酬や監査費用などの運用コストが日々発生しています。これらの費用は、毎日少しずつ純資産から差し引かれるため、基準価額もわずかに下がるしくみです。短期的には変化を感じづらい部分ですが、長期で運用していくと、このわずかなコストの差が最終的なリターンの差につながることもあります。

信託報酬や監査費用は投資信託ごとに異なり、目論見書や商品ページなどで確認できます。同じような投資対象のファンド同士を比較する際は、基準価額の動きだけでなく、信託報酬などのコストの水準もあわせてチェックしておくようにしましょう。

監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

基準価額が下がったとき、市場の変動なのか分配金の支払いなのか、要因を把握しておくと冷静に判断できます。

NISAにおける投資信託の基準価額の見方

NISA口座で運用している場合も、売買のタイミングを判断するために基準価額をチェックすることは欠かせません。ただし、注目すべきは「基準価額が現在いくらか」ではなく、「購入時点からどのくらい増えたり減ったりしているか」です。

基準価額は日々変動するものの、1日や1週間といった短期の値動きは、長期の成果を判断する材料にはなりにくいものです。短期の上下に振り回されると、一時的な下落の不安から焦って売却してしまうなど、本来の長期運用方針を崩してしまうリスクがあります。

NISAは長期運用を前提とした制度であるため、長期的な値動きの傾向や、購入時からの増減を軸に確認することが大切です。

積立投資では基準価額の変動の影響を受けにくい

NISAのつみたて投資枠や成長投資枠では、毎月一定の金額をコツコツと買い付ける「積立投資」ができます。

積立投資の特徴は、基準価額が高いときには少ない口数しか買わず、安いときには多くの口数を買う「ドル・コスト平均法」を採用している点です。これにより、購入単価が自然と平準化されていきます。こうした仕組みがあるため、積立投資なら短期的な基準価額の動きを気にしすぎる必要はありません。

積立投資では基準価額の変動の影響を受けにくい

一括投資では購入時の基準価額が直接影響する

NISAの成長投資枠では、まとまった金額を一度に投資する「一括投資」も選択できます。一括投資の場合、購入した日の基準価額がそのまま取得価格になるため、基準価額が運用成績に直接影響しやすいのが特徴です。

ただし、「今の基準価額が高いから損をしやすい」「低いから必ず得をする」といった単純な話ではありません。短期的な値動きを正確に見極めるのは難しく、基準価額の水準だけを頼りに判断するのはリスクもあります。

一括投資を検討するときは、「その投資信託が長期的に成長を期待できるか」「運用方針やコストは納得できるか」といった点も含めて、総合的に判断するようにしましょう。

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NISAで投資信託を運用する際の基準価額以外のポイント

基準価額は大切な指標ではありますが、それだけで投資信託を選ぶのは避けましょう。NISAのように長期運用を前提にする場合は、次のポイントもあわせて見ることが大切です。

  • 長期的な成長が期待できるか
  • 運用コストが低いか
  • 純資産総額が大きいか

長期的な成長が期待できるか

投資信託を選ぶ際は、長期にわたって成長が期待できるかどうかを確認しましょう。一時的な利回りの高さよりも、継続的に安定しているかどうかを重視することが大切です。

投資信託の商品ページにある、3年・5年・10年などの長期チャートを見れば、長期的に右肩上がりの傾向があるかを判断できます。また、投資している地域や資産の種類など、運用方針も確認しておくと判断材料となります。投資先が特定の国や業種に偏っていないか、複数の地域や資産に分散されているかなどを確認し、自分のリスク許容度に合った商品かどうかをチェックしましょう。

運用コストが低いか

投資信託には「信託報酬」などの運用コストがかかります。長期運用の場合、運用コストが高いと、将来の利益に大きく影響を与える可能性もあります。

同じ投資対象でも商品ごとにコストが異なります。同じような投資対象の商品を比較する際は、基準価額の推移や分配金だけでなく、「信託報酬はどのくらいか」「購入時・売却時に手数料はかかるか」といった点も、判断材料に加えてみてください。

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純資産総額が大きいか

純資産総額は、その投資信託にどれだけの資金が集まっているかを示す数字で、ファンドの「運用規模」と考えることができます。

純資産総額がある程度大きいファンドは、多くの投資家に選ばれており、安定して運用されているケースが多い傾向です。一方で、純資産総額が小さいファンドは、解約が増えたときに運用しづらくなったり、一定の基準を下回ると「繰上償還」といって予定より早く運用が終了してしまったりする可能性もあります。

安定した運用を続けるためには、ある程度まとまった純資産総額が確保されている投資信託を選ぶことが望ましいです。

投資信託やNISAに関する相談は京都銀行へ

NISAや投資信託を始めたいと思っても、「どのファンドを選べばよいか分からない」「基準価額の見方やリスクが不安」と感じる方は少なくありません。そのようなときは、一人で悩まず、専門知識を持つスタッフに相談してみるのもひとつの方法です。

京都銀行の各店舗では、どのようなファンドを選べばいいかといった資産運用に関するご相談が可能です。
平日お忙しい方は、「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。

選べる2つの開設方法

投資信託の基準価額に関するよくあるご質問

Q.投資信託の基準価額は高いほうがいいですか?

A.

投資信託の基準価額は「高いほうがいい」「安いほうがいい」と一概に判断するものではありません。投資信託は、購入時よりも売却時の基準価額が高ければ利益が出ます。そのため、「購入したときからどれくらい増えているか」が重要になります。

Q.NISAの基準価額が高いとどうなりますか?

A.

NISAで投資信託を購入する際、基準価額が高いからといって不利になるわけではありません。基準価額は、その投資信託がこれまでどのように運用されてきたかを反映したもので、「高い=割高」「低い=割安」と判断するものではありません。利益が出るかどうかは「購入したときの基準価額より、売却したときに上がっているか」がポイントです。

Q.投資信託の基準価額はいつ更新されますか?

A.

投資信託の基準価額は、1日の取引が締め切られたあとに1日1回算出されます。注文から約定までにかかる日数や、どの日の基準価額が反映されるかは、ファンドの種類によって異なります。

Q.投資信託の基準価額が下がる理由は何ですか?

A.

投資信託の基準価額が下がる理由として、組み入れている資産の価格が下落した場合が挙げられます。また、ファンドが支払う分配金や、信託報酬などの運用コストも基準価額を下げる要因になります。

Q.基準価額の値動きが大きい投資信託はやめたほうがいいですか?

A.

基準価額の値動きが大きい投資信託が必ずしも悪いとは限りません。値動きが大きいファンドは、その分リスクを取って積極的に運用している場合があり、長期的には高いリターンを目指せる可能性があります。

ただし、短期的な値動きが気になると、不安から売却してしまい、結果的に損をすることもあります。「どのくらいの値動きまでなら落ち着いて見ていられるか」というご自身のリスク許容度を踏まえて判断することが大切です。