つみたて投資枠での運用は毎月5,000円でも意味はある!始めるメリットやポイント

更新日:2025/12/01
つみたて投資枠での運用は毎月5,000円でも意味はある!始めるメリットやポイント

「NISAを毎月5,000円から始めても意味があるの?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。毎月5,000円であっても、長期目線でコツコツ運用を続けることで、資産を増やせる可能性があります。

NISAのつみたて投資枠は、1,000円などと少額から始められることも魅力のひとつです。毎月5,000円という金額は、無理なく長期的に続けやすいだけでなく、老後の資産形成にも活用できる可能性があります。

毎月5,000円からつみたて投資枠での運用を始めるメリットを知ったうえで、デメリットや注意点、資産を増やしていくポイントなどを押さえておきましょう。

この記事で分かること
  • つみたて投資枠での運用を毎月5,000円から始めると、長期的に続けやすく、老後の資産形成にも活用できるなどのメリットがある
  • 毎月5,000円で、想定利回り年5.0%で30年運用し続けた場合、将来の運用資産額が400万円を超える可能性がある
  • つみたて投資枠での運用は、あくまでも投資であるため元本割れなどのリスクもある
監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

長期投資は、長く続けることで複利効果を得ながら、投資リスクを軽減できる投資手法です。そのため、無理のない金額で継続することが大切です。毎月5,000円が難しければ金額を減らす方法もあるので、まずは継続することを心がけましょう。

目次

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つみたて投資枠を毎月5,000円から始めるメリット

NISAのつみたて投資枠は、長期・積立・分散投資を目的とした非課税制度で、毎月1,000円などの少額から始められることが特徴です。

「月5,000円では資産形成に意味がないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、長期目線でコツコツ運用を続けることで、資産を増やせる可能性があります

つみたて投資枠を毎月5,000円から始めるメリットは次のとおりです。

  • 無理なく長期的に続けやすい
  • 老後の資産形成に活用できる
  • 家計の状況に応じて積立金額を変更できる
  • 貯金が苦手でも続けやすい
  • いつでも売却・解約できる

無理なく長期的に続けやすい

毎月5,000円であれば、家計に大きな負担をかけずに続けやすいと感じる方が多いのではないでしょうか。ひと月あたり5,000円は、スマホ代を見直したり外食を減らしたりなど、ちょっとした節約で捻出できる金額です。

つみたて投資枠で資産形成を行うには、ひと月あたりの積立金額も大切ですが、どれだけ長く継続できるかが重要です。その点でも、無理のない金額で始めることは、有効な選択肢といえるでしょう。

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老後の資産形成に活用できる

近年、老後の生活費として年金以外に約2,000万円の資産が必要になるという「老後2,000万円問題」が話題になっています。

たとえ毎月5,000円でも30年、40年と長期にわたって積立投資を継続することで、老後資金を準備する有効な手段のひとつになります

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家計の状況に応じて積立金額を変更できる

つみたて投資枠の毎月の積立金額は、家計の状況に応じて柔軟に変更できます。

たとえば、最初は月5,000円から始めて、収入が増えたタイミングで毎月10,000円、15,000円と段階的に増額していくことも可能です。反対に、家計が一時的に厳しくなった場合は、積立金額を減額したり、一時的に積立を停止したりすることもできます。

ライフステージの変化にあわせて調整できることは、つみたて投資枠の大きなメリットといえるでしょう。

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貯金が苦手でも続けやすい

つみたて投資枠での運用は、一度積立設定すれば、指定した金額が毎月自動的に積み立てられ、運用されます。そのため、毎月手動でお金を移動する必要がありません。

銀行の普通預金では、いつでも引き出せることからつい使ってしまう、といった方でも、運用を続けやすいでしょう。

いつでも売却・解約できる

つみたて投資枠で購入した投資信託は、いつでも売却できます。急にまとまったお金が必要になった場合でも、保有している商品を売却して現金化することが可能です。

ただし、売却時に手数料がかかる商品があることや、売却手続きから現金化まで1週間程度かかる場合があることを留意しておきましょう。

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つみたて投資枠で毎月5,000円運用すると資産はどれくらい増える?

ここでは、つみたて投資枠で毎月5,000円ずつ積み立てた場合に、資産がどれくらい増えるのかシミュレーションを紹介します。

毎月5,000円を10年間運用した場合のシミュレーション

毎月5,000円を10年間積立投資した場合の、利回り別の将来の運用資産額のシミュレーション結果は、次のとおりです。

利回り(年) 投資元本 運用収益 将来の運用資産額積立金額
3.0% 60万円 10万円 70万円
5.0% 60万円 18万円 78万円
7.0% 60万円 27万円 87万円

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

年3.0%の利回りであったとしても、10年後には10万円増え、将来の運用資産額が70万円になる可能性があります。より高い利回りで、かつ長い年月で運用できれば、さらなる資産の増加が期待できるでしょう。

毎月5,000円を20年間運用した場合のシミュレーション

毎月5,000円を20年間積立投資した場合の、利回り別の将来の運用資産額のシミュレーション結果は、次のとおりです。

利回り(年) 投資元本 運用収益 将来の運用資産額
3.0% 120万円 44万円 164万円
5.0% 120万円 86万円 206万円
7.0% 120万円 140万円 260万円

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

同じ金額を10年積み立てるよりも、20年積み立てることで大きな運用収益が期待できます。さらに、シミュレーション結果では、7.0%の利回りであれば、運用収益が投資元本を大きく超えることがわかります。

毎月5,000円を30年間運用した場合のシミュレーション

毎月5,000円を30年間積立投資した場合の、利回り別の将来の運用資産額のシミュレーション結果は、次のとおりです。

利回り(年) 投資元本 運用収益 将来の運用資産額
3.0% 180万円 111万円 291万円
5.0% 180万円 236万円 416万円
7.0% 180万円 430万円 610万円

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

仮に30歳から積み立て始め、3.0%の利回りで運用した場合、60歳のころには将来の運用資産額が300万円近くになる可能性があります。仮に運用しなければ、元本の180万円に少額の利子が付くのみです。たとえ毎月5,000円であっても、長い期間運用し続ければ、貯蓄するよりも資産を築ける可能性が高いでしょう。

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つみたて投資枠を始める前に知っておきたいデメリット・注意点

つみたて投資枠での運用は、毎月5,000円でも多くのメリットを得られます。一方で、次のように事前に知っておきたいデメリットや注意点があります。

  • 元本割れのリスクがある
  • 何度も売却していると複利効果が得られない
  • 売却しても現金化には数日〜1週間程度かかる

元本割れのリスクがある

つみたて投資枠はあくまで投資であり、市場の値動きによっては投資した金額を下回る元本割れのリスクがあります。特に、短期間の運用では価格の変動が大きく、一時的に大きな含み損を抱える可能性もあります

しかし、長期投資を前提とすれば、時間の経過とともにリスクは分散され、価格変動の影響は軽減される傾向です。投資を始める際は、このリスクを十分に理解し、余裕資金で投資を行うことが大切です。

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何度も売却していると複利効果が得られない

つみたて投資枠は、長期的に運用することで複利効果が期待できます。複利とは元利(元本+利益)に利益が発生する仕組みのことです。

何度も売却していると複利効果が得られない

しかし、頻繁に売却を繰り返していると、この複利効果を十分に享受できなくなります

つみたて投資枠は長期投資を前提とした制度であることを理解し、短期的な変動に惑わされずに継続することが重要です。

売却しても現金化には数日〜1週間程度かかる

つみたて投資枠で運用中の金融商品はいつでも売却できますが、売却手続後すぐに口座に現金が入るわけではありません。売却する商品によっても異なりますが、売却分のお金が入金されるまでは数日〜1週間程度かかることが一般的です。

引き出しまでにかかる時間をあらかじめ考慮し、急ぎで現金が必要な場合に備えて、預貯金を別途準備しておくとよいでしょう

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監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

つみたて投資枠で頻繁に商品を売買すると、投資リスクを抑える効果が十分発揮されない場合があります。コツコツと投資元本を積み上げていくという視点が欠かせません。

つみたて投資枠を毎月5,000円ずつ運用して資産を増やすポイント

ここからは、つみたて投資枠の運用で資産を増やすためにも、あらかじめ意識したいポイントを紹介します。

最初に投資目的と目標金額を決める

つみたて投資枠を利用した投資を始める前に、まず投資の目的と目標金額を明確にしましょう。「老後資金として1,000万円を目標とする」「子どもの教育資金として500万円を準備する」など、具体的な目標を設定することが重要です。

目的と目標金額を決めたら、毎月5,000円を積み立てた場合に何年継続すれば目標達成できそうか、各金融機関が公式WEBサイト上で提供している積立シミュレーションなどで試算してみるとよいでしょう。

試算することで、現状の投資可能金額と照らし合わせて目標を調整したり、将来的に積立額を増やす計画を立てたりするのに役立ちます。

損失が出ても長期目線で運用を続ける

つみたて投資枠の運用で重要なのは、短期的な価格変動に惑わされずに長期投資を継続することです。

市場は常に変動しており、一時的な下落の影響で損失が出ることもありますが、時間をかけて回復するケースも少なくありません。
短期的な結果に一喜一憂せず、投資目的と目標金額を思い出しながら、長期的な視点を持って投資を続けることを心がけましょう

毎月5,000円からNISAを始める方法

つみたて投資枠での運用を始める手順は、次のとおりです。

毎月5,000円からNISAを始める方法

つみたて投資枠での運用を始めるには、まずNISA口座の開設が必要です。NISA口座は、金融機関の窓口やオンラインで申込みができます。
NISA口座開設後は、投資する商品を選んで積立設定を行うことで、毎月自動的に積立購入が行われるようになります。

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NISAで将来の資産形成をするなら京都銀行へ

京都銀行では、つみたて投資枠や成長投資枠を活用したNISAの運用を始められます。つみたて投資枠の利用には、NISA口座の開設が必要です。

京都銀行の「京銀アプリ」なら、マイナンバーカード、または通知カードと運転免許証(運転経歴証明書)があれば来店不要でアプリから口座開設が可能です。

京都銀行の各店舗では、資産運用・保険・各種ローンなどのご相談も承っています。初めての投資で、口座の開設方法や運用商品の選び方などわからないことがあれば、ぜひご相談ください。
平日お忙しい方は、無料の「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。

選べる2つの開設方法

つみたて投資枠の少額投資に関するよくあるご質問

Q.つみたて投資枠は毎月5,000円だと意味ないですか?

A.

つみたて投資枠での運用は、たとえ毎月5,000円でも意味はあります。
つみたて投資枠は、毎月1,000円などの少額から始められるため、5,000円は無理のない金額として多くの人が取り組みやすいラインです。
無理のない金額でコツコツ長期投資することで、将来の資産形成につながります。
家計に余裕が出てきたら、積立金額を増額することも可能なため、まずは始めてみることが大切です。

Q.つみたて投資枠で毎月5,000円ずつ運用すると、20年後いくらになりますか?

A.

あくまでも試算ですが、想定利回り年3.0%で164万円、想定利回り年5.0%で206万円、想定利回り年7.0%で260万円になる可能性があります。

Q.つみたて投資枠はいくらから始めるのがおすすめですか?

A.

つみたて投資枠での運用を始めるにあたって、正解金額はありません。
家計に無理のない範囲で続けられる金額から始めるのがおすすめです。
毎月1,000円や5,000円などの少額からでも、長期的に運用すれば資産形成につながります。

Q.つみたて投資枠の積立金額はあとから変更できますか?

A.

積立投資枠の積立金額は、いつでも変更できます。
ライフスタイルや収入の変化に応じて、積立金額を増やしたり、減らしたりすることが可能です。

Q.毎月5,000円投資するならNISAとiDeCoどちらがおすすめですか?

A.

NISAとiDeCoはそれぞれにメリットがありますが、投資初心者の方なら好きなタイミングで資金を引き出せるNISAがおすすめです。
iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、収入が安定する40代・50代の方や、老後資金をしっかり貯めたい方に向いているといえるでしょう。