NISA口座の変更方法|金融機関を変えるタイミングやデメリットを詳しく解説

更新日:2026/02/10
NISA口座の変更方法|金融機関を変えるタイミングやデメリットを詳しく解説

すでにNISAの口座を開設しているけれど、他の金融機関でNISAを利用したいと感じることもあるかもしれません。NISA口座は1人につき1つしか開設できませんが、金融機関の変更は可能です。

金融機関を変更するためには所定の手続きが必要です。また、変更手続きができるタイミングも、条件によって異なります。

この記事では、NISAの口座変更に必要な手続きと、金融機関を変更することで生じるメリット・デメリットを解説します。また、「令和7年度税制改正」における変更点も記載しているので参考にしてください。

この記事で分かること
  • NISA口座の金融機関は、1年に1度だけ変更できる
  • その年に買い付けをしているかによって、金融機関を変更できるタイミングが異なる
  • NISA口座を変更することで、これまで買い付けできなかった商品に投資できる可能性がある
監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

金融機関の頻繁な変更は、長期投資の効果を薄めるため注意が必要です。税制改正により即日買付が可能となり、変更手続き中の投資機会を逃すデメリットが軽減されます。

目次

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NISA口座の金融機関は年単位で変更できる

NISA口座は1人につき1つまでしか持てません。すでにNISA口座を開設している状態で2つ目以降のNISA口座の開設申込を行うと、税務署の審査により却下されます。

複数のNISA口座を開設することはできませんが、金融機関の変更は年単位で可能です。ただし、変更手続きができる時期はNISA口座の利用状況によって異なります。また、金融機関は変更できても、保有資産ごとに新しい口座に移すことはできないなど、注意点もあります。

変更前・変更後の金融機関で手続きが必要

金融機関を変更する場合、変更前・変更後の金融機関で、次の手続きが必要です。

  • NISA口座の変更手続き(変更前の金融機関)
  • NISA口座の開設手続き(変更後の金融機関)

このとき、NISA口座で保有している商品を売却する必要はありません。言い換えれば、NISA口座で保有している商品をすべて売却した場合や、一度も買付を行ったことがない場合でも、手続きをしなければ金融機関の変更はできません。

変更前の保有商品は変更後のNISA口座に移管できない

変更前の金融機関で保有している株式や投資信託などの金融商品は、変更後のNISA口座に移すことはできません。あくまで、新しく買い付けする金融機関が変更になるだけなので注意しましょう。

変更前のNISA口座で保有している商品は、旧口座で保有するか、一度売却して新しいNISA口座で買い直すケースが多いです。

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NISA口座の金融機関の変更手続きができるタイミング

金融機関の変更手続きができる期間は、その年のNISA口座の利用状況によって異なります。具体的には、その年にNISA口座で買い付けをしているかがポイントです。

NISA口座の金融機関の変更手続きができるタイミング

その年にNISA口座で買い付けがない場合:いつでも手続き可能

金融機関の変更をしたい年に、NISA口座での買い付けがない場合はいつでも手続きが可能です。ただし、年内に変更して新しい金融機関で取引を行いたい場合は、その年の9月30日までに手続きを完了させる必要があります

10月1日以降に手続きを行った場合は、新しいNISA口座の利用は翌年1月からになるため注意しましょう。

その年にNISA口座で買い付けがある場合:10月1日以降手続きが可能

一方で、変更したい年の1月1日以降にNISA口座での買い付けが1度でもあった場合は、その年内は金融機関の変更はできません。10月1日以降に、翌年分の金融機関変更手続きを行います。

その年にNISA口座で買い付けがある場合:10月1日以降手続きが可能

10月1日以降に金融機関変更の手続きが完了すれば、翌年からは新しい金融機関でNISAの取引が可能です。なお、手続き完了後も、その年の12月末までは変更前の金融機関で引き続きNISA口座の利用ができます。

監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

NISA口座は年に1度しか金融機関の変更ができません。期限もあるので、金融機関の変更を考えている方は、仕組みを理解して計画的に進めていきましょう。

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NISA口座の金融機関の変更手続き

NISA口座の金融機関変更の手続きは、大きく分けると2つのステップがあります。

NISA口座の金融機関の変更手続き

1. 現在利用している金融機関で変更手続きを行う

NISA口座の金融機関を変更するためには、まず現在利用している金融機関での手続きが必要です。手続きの流れは次のとおりです。

  1. 「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止届出書」を請求する
  2. 「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止届出書」に必要事項を記入し、金融機関に提出する
  3. 金融機関より「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が発行される

NISA口座を開設した金融機関で、一度でも買い付けを行っていた場合には「勘定廃止通知書」、一度も買い付けを行っていない場合には「非課税口座廃止通知書」が発行されます。

必要な書類の取り寄せはWEB上、または店舗での手続きが必要です。各金融機関によって手続きの方法が異なるため、わからない場合は「○○銀行(または証券)NISA口座 廃止」などで検索してみましょう。

2. 新たに利用する金融機関で口座開設手続きを行う

新しい金融機関でNISA口座を開設する手続きは、各金融機関の窓口もしくはオンラインで進められます。オンラインで手続きする場合は、金融機関のWEBサイトまたはアプリから申込みを行いましょう。申込みの際に、「新規開設」または「他社からの乗り換え」を選択できる場合は、乗り換えを選択します。

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NISA口座の開設に必要なもの

新たな金融機関でNISA口座を開設する際に必要な書類は金融機関によって異なります。京都銀行の場合は次の通りです。

NISA口座の開設に必要なもの
NISA口座の開設に必要なもの

マイナンバーカードがあれば本人確認書類が1つで済みます。マイナンバーカードを作っていない場合は、手続きをスムーズに進められるように、必要な書類を事前に用意しておくのがおすすめです。

NISAの口座変更を行うメリット

NISA口座の金融機関を変更するメリットはおもに3つあります。

投資する商品を変えられる

NISA口座を別の金融機関に変更することで、投資できる商品を変えられる可能性があります。

つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が定める基準を満たした投資信託とETFのみです。成長投資枠の場合は、つみたて投資枠では投資できない投資信託やETF、株式も選択できます。

取り扱っている商品は金融機関によって異なるため、金融機関を変更することで投資する商品の選択肢が増える可能性があります。

取引画面が使いやすくなる場合がある

保有している資産の管理や取引は、WEBサイトやアプリを利用して行う金融機関が多いです。管理画面や操作画面は金融機関によって仕様が異なるため、金融機関の変更により、画面が見やすくなる可能性があります。

ツールの使い勝手が悪いと、管理のしづらさやストレスにつながります。ご自身に合った仕様の金融機関に変更すれば、よりスムーズに資産管理や取引が可能です。

店舗がある金融機関に変更すれば相談できる

NISAをきっかけに初めて投資を行う人の場合、運用していくうちに悩みや疑問が生じることもあります。そのようなときに、店舗型の金融機関なら窓口での相談が可能です。

NISA口座を銀行や証券会社などの実店舗で開設すれば、困ったときに直接相談できます。また、銀行なら投資に限らず、お金の悩み全般で相談ができるため心強いでしょう。

NISAの口座変更を行うデメリット

NISAの口座変更にともなうデメリットは次のとおりです。

変更手続きに時間がかかる

NISA口座の金融機関変更の手続きには、1ヵ月ほど時間がかかる場合があります。これは、変更前の金融機関から書類を取り寄せたり、新しい金融機関へ郵送したりする必要があるためです。

書類に不備があれば、それ以上時間がかかることもあります。金融機関の変更を検討している場合は、余裕を持って手続きを進めましょう。

金融機関変更時の即日買付が可能になった

従来は、金融機関変更の申込みから買い付けが可能になるまで、1〜2週間の期間が必要でした。

その間、新たなNISA口座で買い付けができませんでしたが、令和7年度税制改正により、金融機関の変更手続を行った日から新しい金融機関のNISA口座で買付できる仕組みが導入されました。

これにより、従来必要だった一定の待機期間がなくなり、より計画的に非課税枠を活用しやすくなったといえるでしょう。

管理すべき口座が増える場合がある

NISA口座の金融機関を変更することは、新たに買い付けする金融機関を変えるということです。変更前の金融機関のNISA口座で保有している資産を移すことはできません。そのため、NISA口座全体の資産を把握するには、変更前後の金融機関の口座を確認する必要があります。

資産全体の把握がしづらいだけでなく、各金融機関のWEBサイトなどを利用する際に必要なパスワードやIDの管理も煩雑になる可能性があります。金融機関のログインパスワードなどは大切な情報です。忘れないようにスマホやノートなどにまとめ、安全な方法で保管しておきましょう。

NISA口座を変更したほうがよいケースとは?

手続きに時間を要することや、資産全体の管理がしづらくなることはデメリットですが、次のケースに当てはまるときは、口座変更を検討してもよいでしょう。

  • 他の投資商品を運用してみたい
  • 今よりわかりやすいWEBサイト・アプリで運用したい
  • サポートが充実した金融機関で運用したい

まずは、口座を変更したい理由を考えてみるのがおすすめです。

「プロにアドバイスを受けて投資の方向性を決めたい」「投資の勉強をしながら資産運用してみたい」という方は、サポートが充実した金融機関への変更も検討してみてください。

京都銀行ではNISAの口座変更に関する相談が可能

京都銀行でもNISA口座の開設が可能です。店舗での開設申込みができるのはもちろん、「京銀アプリ」を利用すれば、来店不要で口座の開設から取引までオンラインで完結します。

また、土曜日・日曜日の9:00〜17:00には、京都銀行の一部支店でお金に関する相談会も実施しています。口座開設や資産運用に関して不安な点があれば、相談会を利用してみるのもひとつの手です。

選べる2つの開設方法

NISAの口座変更に関するよくある質問

Q.NISA口座の金融機関は変更できますか?

A.

NISA口座の金融機関は、年単位で変更が可能です。ただし、その年のNISA口座の利用状況によって手続き可能な期間が異なります。

その年にNISA口座で買い付けがない場合はいつでも手続き可能です。一方で、NISA口座で1度でも買い付けがあった場合はその年の10月1日以降に、翌年分の金融機関変更の手続きが行えます。

Q.NISA口座を変更したら保有商品はどうなりますか?

A.

NISA口座の金融機関を変更した場合でも、変更前の金融機関で保有していた商品は変更後のNISA口座に移管できません。変更前のNISA口座で保有している商品はそのまま運用を続けるか、一度売却して新しいNISA口座で買い直すのが一般的です。

Q.今年すでにNISA口座で買い付けをしている場合、保有商品をすべて売却しても10月からの手続きとなりますか?

A.

はい、10月以降の手続きになります。すでに年内にNISA口座で買い付けをしている場合、保有資産をすべて売却しても年内の金融機関変更はできません。

10月1日以降に翌年からの金融機関の変更手続きが完了したあとも、12月末までは引き続き変更前の金融機関でNISAの利用が可能です。

Q.これまで利用していたNISA口座の積立停止と解約を行った場合、別の金融機関で新規申込はできますか?

A.

可能です。ただし、これまで利用していた金融機関での変更手続きが必要です。NISA口座で買い付けを行っていた場合は「勘定廃止通知書」、利用をしていなかった場合は「非課税口座廃止通知書」を発行してもらいましょう。

Q.NISAの口座変更を行う際に手数料はかかりますか?

A.

一般的に、NISA口座の金融機関変更に手数料は発生しません。ただし、NISA口座の開設にはマイナンバーカードもしくはマイナンバーを確認できる個人番号記載書類が必要です。マイナンバーカードを持っていない場合、必要書類の発行に費用がかかる可能性があります。