新NISAは一括投資と積立投資どちらがいい?購入のタイミングとメリット・デメリット

投資方法にはさまざまな選択肢がありますが、大きく分けると「一括投資」と「積立投資」の2つの方法があります。それぞれには異なる特徴とメリット・デメリットがあり、投資家の目標やリスク許容度によって適した投資方法は異なります。
この記事では、一括投資と積立投資の違い、それぞれに向いている人の特徴、新NISAでの活用方法などを詳しく解説します。
- 一括投資と積立投資の違い
- 一括投資と積立投資のメリット・デメリット
- NISAで一括投資をする方法
目次
OPEN一括投資・積立投資の意味と違い

一括投資と積立投資の主な違いは「買い方」です。ここでは投資信託を例に、それぞれの投資方法の違いや意味を解説します。
一括投資とは資金を一度にまとめて投資すること
一括投資とは、その名の通り、資金を一度にまとめて投資する方法です。どのタイミングで投資するかは投資家の判断によりますが、基準価額が低いときに購入されることが多いです。
低いときに買って値上がりすれば利益が生まれますが、もちろん、相場によってはその反対も起こりえます。一括投資は短期間で大きな利益を得られる可能性がある一方で、リスクが大きい投資方法といえるでしょう。
積立投資とは定期的に一定金額を投資すること
積立投資は、毎月など定期的に決めた金額を投資していく方法のことです。たとえば、毎月1万円ずつ投資をして積み立てていくというものです。
一括投資と比較すると一度に投資する金額は少ない傾向にあります。長期運用をすることで値動きのリスクは軽減できますが、短期的にみると大きな利益を得にくい投資スタイルといえます。
新NISAで一括投資できるのは「成長投資枠」のみ
新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があります。このうち、一括投資ができるのは「成長投資枠」のみです。


「つみたて投資枠」では、積立投資の手法を取り入れた投資を行い、金融庁の基準を満たした投資信託とETFの積み立て購入が可能です。
一方、「成長投資枠」では、投資信託のほか、国内外の株式、ETF(上場投資信託)も購入できます。成長投資枠では、投資信託などをご自身の好きなタイミングで購入することが可能です。
つみたて投資枠なら最大毎月10万円ずつ積み立てられる
NISAでは、それぞれの投資枠で年間投資枠が決められており、つみたて投資枠の上限は年間120万円です。1カ月10万円ずつ積み立てることで、1年間で合計120万円の積み立てが可能となります。
なお、120万円というのはあくまで年間の上限額であり、もちろん毎月の積立額は10万円未満の金額でも問題ありません。新NISAの非課税期間は無期限となったため、年間投資枠を無理に使い切らなくてもご自身のペースで投資ができるようになりました。
つみたて投資枠と成長投資枠を併用すればまとまった金額の積立も可能
つみたて投資枠は毎月最大10万円の投資しかできませんが、成長投資枠を併用すればさらに年間240万円の投資が可能です。
成長投資枠は一括投資のイメージが強いかもしれませんが、つみたて投資枠のように毎月同じ商品に積立投資することもできます。
一括投資できる資金をもっているものの、リスクを抑えて積み立てたい場合は、成長投資枠も利用した積立投資を検討してもよいでしょう。
リスクを分散したい初心者は積立投資から始めるのがおすすめ
一括投資と積立投資どちらがよいかは、投資の目的やご自身のリスク許容度などによって異なります。ただし、投資初心者の場合は、まず積立投資から始めるのがおすすめです。
投資初心者に積立投資がおすすめな理由のひとつが、ドル・コスト平均法によりリスクを軽減できるからです。ドル・コスト平均法とは、定期的に一定金額を投資することで、価格が高いときには少ない口数を、価格が安いときには多くの口数を購入できる仕組みです。その結果、平均購入単価を抑えられます。


ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司
まずは焦らず少額から積立投資を始め、投資に慣れたら一括投資も視野に入れた投資方法を取り入れると良いでしょう。
一括投資のメリット・デメリット
一括投資のメリットは、大きな利益を得られる可能性があることです。一方、相場によっては利益が少ない、あるいは大きく損をしてしまう可能性があることがデメリットとして挙げられます。
一度にまとまった金額を投資するため、値動きの影響を大きく受けやすく、投資するタイミングによっては運用成果に差が起こりやすいのが特徴です。基準価額が低くなったタイミングで購入し、その後高くなれば利益を得られますが、購入したタイミングで基準価額が高く、その後低くなってしまえば当然損失を被ることになります。
積立投資のメリット・デメリット
積立投資は大きな損をしにくい点がメリットです。
積立投資の場合、購入するタイミングが分散されます。基準価額が低いときにも高いときにも一定の金額ずつ購入が続けられるため、長期的に続けることで購入価格が平準化されるのが特徴です。そのため、一括投資と比較して結果的に大きな損失が出にくい傾向にあります。
ただし、このように良くも悪くも値動きの幅が小さい傾向にあり、短期間で大きな利益が出にくいのがデメリットともいえるでしょう。
一括投資がおすすめの人
短期間での大きな利益を期待する方や、一定のリスクを受け入れた上で高いリターンを目指したい方には一括投資が適しています。
一括投資は、投資のタイミングをご自身で見極められる方や、ある程度経験を積んだ中級者以上の方に向いている方法といえます。
積立投資がおすすめの人
投資リスクを抑えながら資産形成をしたい方や、まとまった資金はないものの継続的に投資を行いたい方には積立投資が向いています。
NISAをきっかけに投資に興味を持ちはじめた方や、投資を始めたばかりの初心者の方に特に適した方法といえるでしょう。
一括投資をするならどのタイミングがいい?
一括投資をする場合、投資信託なら基準価額、株式投資なら株価が低下しているタイミングでの購入が理想的です。投資では安い価格で購入し、その後高い価格で売却することで利益が発生します。
しかし、下がり始めた基準価額がさらに下落するのか、あるいはいつ回復するのかを正確に判断するのは簡単ではありません。市場動向を完璧に予測することは誰にもできないため、一括投資を選択する際は、ある程度のリスクを受け入れる心構えと、あくまで投資は自己判断で行うものだという認識が大切です。
損失リスクをなるべく避けたいと考える方は、無理に一括投資をせず、まずは積立投資からスタートすることを検討しましょう。
NISAの投資方法で迷ったときのご相談は京都銀行
投資初心者の方にとっては、「どの商品を選べばよいか」「毎月いくら積み立てるべきか」「最適な購入タイミングはいつか」など、さまざまな悩みや疑問が生じるものです。
ご自身で判断して投資信託を運用することも可能ですが、投資を始めたばかりの方は、専門家に相談しながら少しずつ知識を身につけていくアプローチもおすすめです。
京都銀行では、窓口でNISA口座の開設手続きが可能です。また、各店舗では資産運用・保険・各種ローンなどのご相談を承っています。平日お忙しい方は、無料の「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。

一括投資・積立投資に関するよくある質問
Q.つみたて投資枠で一括投資することはできますか?
A.
つみたて投資枠では一括投資はできません。毎月(一部の金融機関では毎日の設定も可能)定額を積み立てながら投資信託を買い付ける仕組みとなっています。NISAで一括投資を行いたい場合は「成長投資枠」を利用する必要があります。
Q.一括投資と積立投資、どちらがおすすめですか?
A.
ご自身の投資目標やリスク許容度に応じて選択するとよいでしょう。
一括投資と積立投資はそれぞれにメリットとデメリットがあります。一括投資は高い収益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を被るリスクも伴います。積立投資は大きな損失が生じにくい反面、一括投資ほど大きな利益も期待しにくい点が特徴です。
Q.新NISAで一括投資する方法を教えてください
A.
新NISAでは成長投資枠を利用して一括投資が可能です。成長投資枠には年間最大240万円の枠があり、この範囲内であれば好きなタイミングで一括投資を行うことができます。
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司
つみたて投資枠と成長投資枠の両方に年間投資枠があり、成長投資枠の年間投資枠は240万円なので、一括投資ができるとしても得られる利益は限られています。どちらの枠を使うにしても、新NISAは長期目線で積み立てながら資産を増やす運用が望ましいでしょう。