つみたて投資枠の銘柄変更はしないほうがいい?知っておきたいデメリットとタイミング

つみたて投資枠で積立中の銘柄は、任意のタイミングで変更できます。積立中の銘柄を売却して、その資金で新たな銘柄を積み立てる方法はもちろん、積立銘柄の一部を変更するなど、ライフスタイルや目標にあわせて柔軟に変更しましょう。
ただし、銘柄変更を頻繁に行うと、資産を効果的に増やせなくなってしまう可能性があります。
つみたて投資枠の銘柄変更を行う前に、デメリットや注意したいポイントを押さえたうえで、今本当に銘柄変更をするべきかを検討しましょう。
- つみたて投資枠の銘柄変更は、任意のタイミングで何回でもできる
- 頻繁な銘柄変更は、複利効果を得にくくなるなどのデメリットがある
- 銘柄変更のデメリットやポイントを押さえたうえで、銘柄変更するべきかを検討することが大切
目次
OPENつみたて投資枠は銘柄の変更が可能
つみたて投資枠の銘柄変更は、任意のタイミングで何回でもできます。たとえば、銘柄Aと銘柄Bを積み立てている場合、翌月から銘柄Aだけにしたり、新たに銘柄Cも積み立てたりと、組み合わせは自由です。
また、積立を停止した場合は、今まで積み立てた資産を運用し続けられます。銘柄変更によって保有銘柄を手放さなければならないわけではありません。
銘柄変更を検討している場合は、さまざまな選択肢から広く検討することが大切です。
積み立てる金額の変更も可能
銘柄変更だけでなく、毎月の積立金額も任意のタイミングで変更できます。
たとえば、退職などで収入が減ったときやライフイベントなどで大きな出費があったときは、積立金額を減らし、無理のない範囲で積立を継続しましょう。一方で、収入が増えたなど資金に余裕ができたときは、積立金額を増やして資産を上手に運用するとよいでしょう。
なお、頻繁な積立金額の変更は、ドル・コスト平均法の効果が薄れる可能性があるといったデメリットもあります。銘柄や積立金額を変更する際は、デメリットを踏まえたうえで、ライフスタイルや経済状況の変化などに応じて、柔軟に変更しましょう。
つみたて投資枠の銘柄を変更するデメリット
つみたて投資枠の銘柄変更には、次のデメリットがあります。銘柄を変更する場合は、デメリットを把握したうえで行いましょう。
頻繁な銘柄変更は複利の効果を得にくい
積立銘柄を頻繁に変更すると、複利の効果を得にくいといったデメリットがあります。
複利とは、元利(元本+利益)に利益が発生する仕組みのことです。

複利は、長期運用するほど大きな利益を期待でき、効率よく資産を増やせる可能性があります。
数ヵ月や数年といった期間で銘柄変更すると、運用期間が短くなり、複利の効果を得にくくなってしまうでしょう。たとえ手放したい銘柄であっても、まずは積立を停止したり、積立金額を減額したりすることが有効です。売却せずに運用を続けることで複利効果を得られ、資産を増やせる可能性があります。
リスクを軽減する効果が薄くなりやすい
積立銘柄を変更すると、「ドル・コスト平均法」の効果が薄れる可能性があります。
ドル・コスト平均法とは、一定額を定期的に購入する方法です。価格が安い時に多く、価格が高い時に少なく購入することにより、リスクを軽減しながら安定した運用を目指します。

ドル・コスト平均法によって、一般的に長く積み立てるほど平均購入単価を低く抑えられる効果があると言われています。
ドル・コスト平均法を活用できるのは、一定金額で同じ銘柄を継続して購入した場合なので、運用期間が短いとドル・コスト平均法のメリットを得にくくなります。
最初に設定した投資の目標が崩れやすくなる
「◯年後に✕✕に使うためのお金を積み立てたい」「◯年後に✕万円の資産を形成したい」などと、NISAを始めるときに目標を立てている方もいるでしょう。
頻繁に銘柄変更をすると、複利効果を得にくくなることやドル・コスト平均法の効果が薄まることによって、結果的に目標を達成できなくなるかもしれません。
銘柄を変更しなければ必ず目標達成できるとは限りませんが、できるだけ目標に近づくためにも、頻繁な銘柄変更はしないようにしましょう。
銘柄変更する場合は、改めて目標を設定し、新たな目標に向けた毎月の積立金額や運用年数、ポートフォリオを検討しましょう。
監修者コメント

投資の目標が曖昧だと、頻繁に商品を入れ替えたりお金を引き出したりしがちです。投資は老後、旅行資金、結婚資金など具体的な目標を定めることをおすすめします。
つみたて投資枠の銘柄を変更するときのポイント
つみたて投資枠の銘柄を変更するときは、次のポイントを押さえるとよいでしょう。
元本割れしていてもすぐに変更・売却をせず様子を見る
たとえ元本割れしていても、すぐに銘柄変更や売却をせず、様子を見るようにしましょう。
元本割れすると「これ以上損はしたくない」という思いから、あせって手放そうとする方もいるでしょう。しかし、値下がりは一時的で、日数が経過すれば値上がりする可能性もあります。
すぐに売却するのではなく、保有し続ける選択肢もあります。あせらずに判断することが大切です。
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つみたて投資枠(旧つみたてNISA)の売却方法|タイミングや手数料、注意点も解説
スイッチングではなく積立銘柄の一部変更や金額変更をする
銘柄変更する場合は、スイッチングをするのではなく、積み立てる銘柄を一部変更したり積立金額を変更したりするとよいでしょう。
スイッチングとは、保有する銘柄を売却し、そのお金で別の銘柄を購入することです。

スイッチングは複利効果が得にくく、ドル・コスト平均法の効果も薄れてしまうため、資産を効率的に増やせなくなってしまう可能性があります。
銘柄を変更したい場合は、スイッチングではなく、積み立てる銘柄を一部変更したり金額を変更したりして調整するのがおすすめです。
たとえば、銘柄A・Bに毎月10,000円ずつ積み立てている場合、保有している銘柄Aは売却せず積立金額を毎月5,000円に減額し、新たに銘柄Cを毎月15,000円ずつ積み立てるなど、工夫しましょう。銘柄Aの積み立てを継続することで、複利の効果やドル・コスト平均法の効果を得やすくなります。
また、複数の銘柄を保有している場合は、配分を変更することも有効です。たとえば、A:B=50:50の比率で積み立てている場合、A:B=30:70などと、積立配分の変更も検討してみましょう。
つみたて投資枠の銘柄を変更するタイミング
つみたて投資枠の銘柄変更をする場合は、次のタイミングで行うとよいでしょう。
同じ条件で信託報酬等が低い銘柄を見つけた
現在積み立てをしている銘柄より信託報酬等の総コストが低い銘柄があった場合は、銘柄変更を検討してもよいかもしれません。
信託報酬とは商品を保有している間、保有額に応じて日々支払う費用のことです。信託報酬が低いほど保有コストが抑えられ、運用益が増える可能性があります。
ただし、同じ条件で信託報酬が低い投資信託に乗り換える場合でも、スイッチングをするのではなく、保有し続けるのがおすすめです。
運用方針を変えたい
NISAを始めたときから運用方針が変わり、新たな目標ができた場合は、銘柄変更を検討してみてもよいでしょう。
「なんとなくNISAを始めてみた」「あの銘柄がいいと言われた」と明確な目標がないままに始めた方もいるでしょう。しかし、運用し続けるうちに目標ができたのなら、目標をより達成できそうな銘柄に変更するのも選択肢のひとつです。
なお、運用方針を変えたいと思いつつもポートフォリオの組み方がわからない場合は、次の記事も参考にしてみてください。
あわせて読みたい
つみたて投資枠のポートフォリオの作り方とは?年代別・リスク別の組み方を解説
つみたて投資枠で銘柄を変更する手順
銘柄を変更する手順は、次のとおりです。
- スマートフォンまたはパソコンで金融機関の会員専用ページにログインする
- 投資信託またはNISAのページを開く
- 変更したい投資信託の積み立てを解除する設定を行う(このとき暗証番号が必要)
- 次に、新たに積立したい投資信託を選択し、積み立ての手続きを行う
なお、保有中の投資信託を売却する場合は、積立解除設定をしたあと、売却手続きを行う必要があります。
投資初心者の方にも!京都銀行のNISA
京都銀行の店舗では、NISAを含む資産運用・保険・各種ローンなどのご相談ができ、運用中の銘柄変更に関しても相談できます。平日お忙しい方は、「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。
わからないことを相談しながらNISAで運用したい方は、京都銀行でNISAを始めるのがおすすめです。
なお、京都銀行のつみたて投資枠対象商品数は全11本※です。ファンドの値動きが比較的分かりやすく、運用期間中のコスト(信託報酬)水準が相対的に低いインデックス型のファンドや、市場平均を上回る投資成果を目指すアクティブ型ファンドがあります。
※2024年10月執筆時点
京都銀行のNISAは投資銘柄を迷わず選びやすい商品数となっており、投資初心者の方でも選びやすいラインナップとなっています。

つみたて投資枠の銘柄変更に関するよくある質問
Q.つみたて投資枠の銘柄を変更しないほうがいい理由を教えてください
A.
つみたて投資枠の銘柄を変更しないほうがいい理由は、次のとおりです。
- 頻繁な銘柄変更は複利の効果を得にくい
- リスクを軽減する効果が薄くなりやすい
- 最初に設定した投資の目標が崩れやすくなる
スイッチングによって銘柄を変更するのではなく、投資銘柄の一部変更や金額変更といった手段もあります。銘柄変更する場合は、デメリットをしっかり押さえたうえで行いましょう。
詳細は「つみたて投資枠の銘柄を変更するデメリット」をご確認ください。
Q.つみたて投資枠の銘柄を変更するとき何に気をつければいいですか?
A.
つみたて投資枠の銘柄を変更するときは、次のポイントを把握しておきましょう。
- 元本割れしていてもすぐに変更・売却をせず様子を見る
- スイッチングではなく積立銘柄の一部変更や金額変更をする
詳細は「つみたて投資枠の銘柄を変更するときのポイント」をご確認ください。
Q.つみたて投資枠の銘柄を変更するタイミングを教えてください
A.
つみたて投資枠の銘柄を変更する場合は、次のタイミングで行うとよいでしょう。
- 同じ条件で信託報酬等が低い銘柄を見つけた
- 運用方針を変えたい
詳細は「つみたて投資枠の銘柄を変更するタイミング」をご確認ください。
監修者コメント

つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に向いている商品が揃っています。そのため一旦はじめたらあまり銘柄変更をする必要はありませんが、放置してはいけません。定期的に、当初の定めた目標に合った運用ができているか確認しましょう。