NISAとiDeCoの違いをわかりやすく解説!自分に向いている資産形成の方法の探し方
NISAとiDeCoは、どちらも運用益が非課税となる制度です。上手に活用すれば、効率的に資産を増やせる可能性があります。
ただし、NISAとiDeCoは利用対象者や資金を引き出せるタイミング、税制上のメリットなどが大きく異なります。ご自身にあった資産運用の方法を選択し、計画的に資産を形成するためにも、NISAとiDeCoの違いを理解しておきましょう。
- NISAもiDeCoも運用で得た利益に税金がかからない制度です。
- NISAとiDeCoは、対象者や資金を引き出せるタイミング、税制上のメリットなどの違いがあります。
- NISAとiDeCoは併用も可能です。
目次
OPENNISAとは:投資目的を限定しない非課税制度
NISA(少額投資非課税制度)とは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度のことです。
通常、投資で得た利益や配当に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座(非課税口座)で運用して得られた利益には税金がかかりません。
NISAは、NISA口座を開設する1月1日時点において、18歳以上で日本に住んでいるすべての方が利用できます。毎月100円や1,000円などの少額から始められるため、投資初心者の方も始めやすい制度です。
2023年までの旧制度では、非課税で運用できる期間が5年もしくは20年までと限られていましたが、2024年1月からスタートした新制度では、非課税保有期間が無期限になりました。
また、NISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」があり、併用することも可能です。
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iDeCoとは:老後資金を目的とした私的年金制度
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金にプラスして個人で加入できる私的年金制度のひとつです。
20歳以上65歳未満のほぼすべての方※が加入できますが、加入は任意であり、申込みから掛金の払い込み、運用のすべてをご自身で行います。掛金と運用で得た利益の合計を原則60歳から年金として受け取れます。
※一定の条件があります。
なお、令和7年6月13日に成立した年金制度改正法により、老齢基礎年金、iDeCoの老齢給付金を受給していない方の場合、今後、加入年齢の上限が70歳未満まで引き上げられることになりました。
公的年金と組み合わせることで、豊かな老後生活を送る助けとなる制度です。
NISAとiDeCoの制度を比較
NISAとiDeCoの特徴をまとめると、次の表のとおりです。
| NISA | iDeCo | |
|---|---|---|
| 目的 | 自由 | 老後資金 |
| 税制上のメリット | 運用益が非課税になる |
|
| 加入対象者 | 日本に住む18歳以上 |
原則65歳未満の国民年金被保険者(一定の条件あり) (今後70歳未満に引き上げ) |
| 上限金額 |
1,800万円 (うち成長投資枠の上限は1,200万円) |
年間24万円~81.6万円 (加入区分により異なる) (今後、27.6万円〜90万円に引き上げ) |
| 最低積立金額 |
100円や1,000円 (金融機関により異なる) |
5,000円 |
| 購入可能商品 |
【つみたて投資枠】 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託 【成長投資枠】 上場株式・投資信託など |
|
| 非課税で運用できる期間・年齢 | 制限なし | 最長75歳になるまで |
| 資金の引き出し | いつでも引き出し可能 | 原則60歳以降 |
| 購入方法 |
【つみたて投資枠】 積立 【成長投資枠】 一括・積立 |
積立 (毎月・年単位拠出) ※年間の拠出限度額の範囲内で、1〜12回から選択し、年間の掛金拠出スケジュールを設定 |
| 向いている人 |
|
|
NISAとiDeCoの違い
NISAとiDeCoは、次の表のような違いがあります。
税制上のメリット
NISAとiDeCoでは、税制上のメリットに違いがあります。
| NISA | 運用益が非課税になる |
|---|---|
| iDeCo |
|
NISAとiDeCoは、どちらも運用益が非課税になる点は同じです。
iDeCoはさらに、拠出期間と受取時に税制上のメリットがあるため、節税しながら資産運用できるのが大きなメリットです。
掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となるため、所得税や住民税を節税できます。受取時は「退職所得控除」や「公的年金等控除」の対象となるため、受取時に支払う税金が少なくなります。
一方、NISAで投資した金額は所得控除の対象ではなく、資産を受け取る際もiDeCoのような控除は受けられません。
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司
iDeCoは、お勤めの方は年末調整、個人事業主は確定申告をしないと、税金の軽減が受けられないため注意してください。
対象者
NISAとiDeCoでは、利用できる対象者が異なります。
| NISA | 日本に住む18歳以上の人 |
|---|---|
| iDeCo |
原則65歳未満の国民年金被保険者 (一定の条件あり) (今後70歳未満に引き上げ) |
NISAは、NISA口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上であれば誰でも利用でき、60歳以上の方も口座開設が可能です。
一方、iDeCoには加入時の年齢制限に加えて、次の加入区分があり、加入区分に応じて拠出できる金額が異なります。
- 国民年金第1号被保険者(自営業者など)
- 国民年金第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)
- 国民年金第3号被保険者(専業主婦(夫)など)
- 国民年金任意加入被保険者
今後、iDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする方で、老齢基礎年金やiDeCoを受給していない方は70歳未満まで加入できるようになります。
農業者年金の被保険者や、国民年金の保険料納付を免除されている人などは加入対象外です。ご自身が加入できるか不安な場合は、一度iDeCo公式サイトで加入資格を確認しておくとよいでしょう。
上限額
NISAとiDeCoでは、投資/拠出できる上限額も異なります。
| NISA |
1,800万円 (うち成長投資枠の上限は1,200万円) |
|---|---|
| iDeCo |
年間24万円〜81.6万円 (加入区分により異なる) (今後、27.6万円〜90万円に引き上げ) |
NISAの非課税保有限度額はつみたて投資枠と成長投資枠をあわせて1,800万円までです。年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠は240万円であり、年間投資枠の再利用ができます。
一方、iDeCoの拠出限度額は年間24万円〜81.6万円で、職業や企業年金の有無などの加入区分により異なります。生涯非課税で保有できる金額に制限はありません。なお今後、iDeCoの拠出限度額が引き上げられることで、さらに所得控除による節税効果が期待できる可能性があります。
iDeCoの加入区分ごとの拠出限度額は次のとおりです。
| 加入資格 | 拠出限度額 | |
|---|---|---|
|
(第1号被保険者・任意加入被保険者) 自営業者等 |
月額6.8万円 (年額81.6万円) ※国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠 |
|
|
(第2号被保険者) 会社員・公務員等 |
会社に企業年金がない会社員 |
月額2.3万円 (年額27.6万円) |
| 企業型DCのみに加入している会社員 |
月額2.0万円 (年額24.0万円) |
|
| DBと企業型DCに加入している会社員 | ||
| DBのみに加入している会社員 | ||
| 公務員 | ||
|
(第3号被保険者) 専業主婦(夫) |
月額2.3万円 (年額27.6万円) |
|
なお、iDeCo公式サイトの「カンタン加入診断」では、簡単な質問に答えていくだけで加入資格の有無や掛金の限度額がわかります。iDeCoの加入を検討している人は、利用してみましょう。
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最低積立金額
NISAとiDeCoでは、設定できる最低積立金額も異なります。
| NISA |
100円や1,000円 (金融機関により異なる) |
|---|---|
| iDeCo | 5,000円 |
NISAは毎月100円や1,000円などの少ない資金で始められます。一方iDeCoは、毎月5,000円から始められ、掛金額を1,000円単位で設定が可能です。
また、NISAは、最低積立金額や積立単位が金融機関によって異なります。一方で、iDeCoは、どの金融機関を選んでも同様で、毎月5,000円以上1,000円単位で設定できます。
運用可能商品
NISAとiDeCoでは、運用できる商品も異なります。
| NISA |
【つみたて投資枠】 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託 【成長投資枠】 上場株式・投資信託など |
|---|---|
| iDeCo |
投資信託 定期預金 保険商品 |
NISAは、利用する枠によって運用できる商品が異なります。つみたて投資枠は、金融庁が定める基準を満たす投資信託が対象ですが、成長投資枠は、一定の投資信託や上場株式等も投資対象です。なお、令和7年度税制改正により、従来の投資信託に加え、購入できるETFの選択肢が広がりました。
一方、iDeCoの運用商品には、大きく分けて「元本確保型商品」と「投資信託」の2つがあります。元本確保型商品とは、定期預金や保険商品など、原則として満期まで保有すれば元本が保証される運用商品です。
対象商品は金融機関によって異なりますが、NISAのほうが対象商品のラインナップが豊富な傾向があります。
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運用できる期間
NISAとiDeCoでは、運用できる期間も異なります。
| NISA | 制限なし |
|---|---|
| iDeCo | 最長75歳になるまで |
NISAは、2024年1月に新しいNISAが導入されたことにより、運用できる期間に制限なく運用できるようになりました。年間投資枠および非課税保有限度額の範囲内であれば、いつでも新規の買い付けができ、買い付けた投資商品は期間の制限なく非課税で保有できます。
一方、iDeCoは原則60歳になるまで(会社員・公務員は65歳未満まで)掛金の払い込みができ、最長75歳になるまで非課税で運用できます。今後は、要件を満たしていれば70歳未満まで加入可能となります。
なお、iDeCoは受取方法を「一時金」「年金」「一時金と年金」の組み合わせの3パターンから選べますが、75歳を超えても受け取りの手続きを行わなかった場合は、一時金として受け取ることになります。
資金を引き出せるタイミング
NISAとiDeCoでは、資金を引き出せるタイミングも異なります。
| NISA | いつでも引き出し可能 |
|---|---|
| iDeCo | 原則60歳以降 |
NISAは資金の引き出し制限がないため、投資した商品をいつでも売却して、売却金を現金で受け取れます。
さらに、2024年1月以降の新制度では、保有商品を売却した際の非課税枠が翌年復活するようになりました。たとえば、100万円で買い付けた商品を売却した場合、翌年に100万円の非課税投資枠が復活するため、追加の買い付けが可能です。
一方、iDeCoは原則として60歳になるまで資金の引き出しができません。さらに、60歳になるまでにiDeCoに加入していた期間等(確定拠出年金の通算加入者等期間)が10年以上なければ受け取りができません。そのため、通算加入者等期間を有しない方が60歳から受け取りたい場合は、50歳になるまでに加入する必要があります。
通算加入者等期間が10年に満たない場合は、次のように受給開始年齢が遅くなります。
NISAとiDeCoの共通点
NISAとiDeCoの共通点は、次のとおりです。
毎月一定金額を積み立てられる
NISAとiDeCoは、どちらも毎月一定金額を積み立てる方法も採用しています。
この方法により、安いときに買わなかったり高いときに買い過ぎたりすることを防げるため、初心者の方でも長期的な資産形成を目指せます。
また、一度積立設定をすれば、定期的に自動で買い付けが行われるため、忙しい人でも継続的に投資を行えるのも共通のメリットです。
得た利益が非課税になる
NISAとiDeCoは、どちらも運用から得られる利益に税金がかかりません。
利益に税金がかからない分、複利効果によって資産をより効率的に増やせる可能性があります。
複利とは、元利(元本+利益)に利益が発生する仕組みのこと。たとえば、元本100万円に対して1年目に10万円の利益を得た場合、次の年は利益を合算した110万円に対して利益がつきます。複利効果により、運用する年数が長くなるほど資産を増やせる可能性があります。
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司
複利効果を最大限に活用するには、できるだけ早く始めて長期間継続することが大切です。時間を味方につけることで、効率的な資産形成が期待できます。
NISAとiDeCoはどちらを選ぶべき?
NISAまたはiDecoで資産形成をする際は、自身の状況や投資の目的によって異なります。どのような人に向いているか特徴を把握し、当てはまるほうを優先してスタートしてみましょう。
NISAが向いている人
NISAが向いているのは、次のような人です。
ライフプランに応じた資金を準備したい
iDeCoは60歳まで引き出すことができませんが、NISAは任意のタイミングで売却できます。この特徴を生かし、必要なタイミングで売却して資金にすることが可能です。
たとえば20代からつみたて投資枠で積立を開始し、結婚・出産を経て、子どもの進学などにあわせて売却し現金を得るといったことができます。
投資初心者
投資初心者の方は、NISAのなかでもつみたて投資枠が向いています。
つみたて投資枠は一度購入の設定をすれば、毎月決まった金額を積み立てる仕組みです。つみたて投資枠で購入できるファンドは、手数料などのコストが低めに設定されており、長期投資に適していることから、初心者の方にも向いています。
60歳まで引き出せないiDeCoと比較すると、任意のタイミングで売却できるNISAのほうが、初心者の方に向いているといえるでしょう。
まとまった金額で投資をしたい
NISAは、年間投資枠や非課税保有限度額は決まっていますが、成長投資枠を活用することで、つみたて投資枠よりもまとまった金額で投資できます。
成長投資枠は積立以外にも、任意のタイミング・金額で投資信託、上場株式などを購入できます。
投資に使える余剰資金があり、積立よりもまとまった資金での投資を行いたい方には、NISAの成長投資枠が向いているでしょう。
さまざまな投資先で運用してみたい
NISAの成長投資枠では、つみたて投資枠、iDeCoよりも幅広い商品を購入できることが特徴です。たとえば、国内外の株式、投資信託(ETF、REIT含む)などが購入できます。
成長投資枠で購入できる商品のなかには、比較的リスク・リターンが大きなものがあり、リターンを求めて積極的な運用が可能です。また、上場株式の購入もできるので株主優待のある株を購入することもできます。
商品によっては、市場の分析など投資に対する知識を身につけ運用を行う必要があります。
iDeCoが向いている人
iDeCoが向いているのは、次のような人です。
60歳以降のために資産形成したい
60歳以降のセカンドライフのために資産形成をしたい方の場合、iDeCoのほうが向いているでしょう。
自営業者などは退職金制度がないことに加え、国民年金だけになるため、老後資金としては不安な方もいるかもしれません。iDeCoは退職金の代わりとして老後の生活などに使えることが特徴です。
iDeCoはNISAのように任意のタイミングで売却・引き出しができないため、年月をかけてじっくりと資産形成できます。
60歳まで引き出せなくても問題ない
iDeCoでは、60歳まで引き出すことができません。そのため、60歳まで引き出せなくても問題がなく、当面使うことがない余剰資金があるうえで、資産形成をしたい方に向いています。
所得税や住民税を減らしたい
iDeCoの掛金は、全額が所得控除の対象です。
確定申告や年末調整をすれば、翌年の住民税、所得税を抑えることができます。掛金によりますが、長年iDeCoを継続すれば、大きく節税できる可能性があります。
【年代別】NISAとiDeCoどちらがおすすめ?
ここでは、年代別に資産形成としておすすめな手段を紹介します。
ただし、同じ年代でも、配偶者の有無や子どもの人数、ライフプラン、ローンの有無など状況が異なるためひとつの例として確認することをおすすめします。
20代の場合
20代の場合、NISAがおすすめです。
その理由としては、今後結婚や出産、マイホームの購入、子どもの教育費用など、ライフプラン次第ではまとまった出費が発生するためです。
必要に応じて売却し資産を現金化できることから、いざというときに資金を確保できるNISAのほうが向いているでしょう。
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30代の場合
30代の場合、NISAがおすすめです。理由は20代同様、ライフプラン次第でまとまった出費が発生する可能性があるためです。
30代の場合、20代と比較して給与が増えている方もいるでしょう。そのような方は、つみたて投資枠の積立金額を増やすことも検討してみてください。
結婚している方の場合、夫婦で目標を立ててNISAをはじめるのもよいかもしれません。
40代の場合
40代の場合、iDeCoのほうがおすすめです。まずはiDeCoを優先してスタートさせ、生活に余裕資金がある場合は、iDeCoとNISAの併用も検討しましょう。
iDeCoが向いている理由としては、40代になりある程度収入が増えた場合、税金の納付額も増えていると考えられます。掛金が全額所得控除の対象となるiDeCoを運用すれば、所得税や住民税の納付額が抑えられる可能性があります。
50代の場合
50代の場合、iDeCoがおすすめです。
生活に必要な資金を確保し投資に利用できる余剰資金がある場合は、iDeCoとNISAを併用して資産形成をするといった選択肢もあります。また、ある程度投資になれてきたら、積立金額や掛金を増額するのもよいでしょう。
「50代からiDeCoやNISAを始めるのは、遅いのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。55歳から資産形成をスタートし、10年間継続すれば、定年後の資金を確保できる可能性があります。
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60代以上の場合
60代以上の場合は、NISAがおすすめです。
積み立てる期間としてはやや短いというデメリットがあります。NISAには開始・受け取りの年齢制限がないため、60歳以降でも開始できます。
60歳を超えると、医療費や介護費用、リフォームなどまとまった資金が発生する機会があるかもしれません。そのようなとき、必要に応じて売却して引き出せるNISAのほうが向いているでしょう。
NISAとiDeCoは併用が可能
NISAとiDeCoは、加入条件を満たしていれば併用できます。iDeCo、NISAのつみたて投資枠、成長投資枠のすべてを使った運用も可能です。
NISAとiDeCoはそれぞれにメリットがあり、併用することで、運用益が非課税になるだけでなく、翌年度の所得税や住民税を減らせるなどの節税効果が得られます。NISAは子どもの教育資金、iDeCoは老後資金といったように、目的ごとにNISAとiDeCoを併用することも可能です。
NISAとiDeCoは同じ金融機関で運用できる
NISAとiDeCoを始めるには、それぞれを取り扱っている金融機関で口座を開設する必要があります。
「NISA口座」と「iDeCo口座」はそれぞれ別口座で運用することになるため、同じ金融機関で口座開設することも、異なる金融機関で口座開設することも可能です。
同じ金融機関で口座開設すれば、資産の管理がスムーズになるでしょう。
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NISAとiDeCoを併用したときのシミュレーション
ここでは、NISAとiDeCoを併用して資産形成したときのシミュレーション結果を紹介します。どちらかだけを運用する方も、運用益を参考にすることは可能です。あくまでもシミュレーション結果であるため、ご自身の状況に近い結果を知りたい方は、シミュレーションツールを活用してみてください。
自営業者の場合(第1号被保険者)
まずは、第1号被保険者である自営業者が、20年間NISAとiDeCoを併用した場合でシミュレーションをしてみましょう。
✔️シミュレーションの条件
| 年収 | 500万円 |
|---|---|
| 運用利回り(NISA・iDeCo) | 3.0% |
| 継続期間 | 20年間(40歳〜60歳) |
| NISAの積立金額 | 毎月50,000円 |
| iDeCoの掛金 | 毎月68,000円 |
| 扶養配偶者 | あり |
| 扶養している親族 | なし |
✔️NISAシミュレーション結果
| 積立金額 | 12,000,000円 |
|---|---|
| 運用収益 | 4,340,000円 |
※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。
✔️iDeCoシミュレーション結果
| 掛金 | 16,320,000円 |
|---|---|
| 運用益 | 5,906,102円 |
※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。
20年間継続した場合、元本2,832万円に対し運用利益は約1,025万円発生し、資産総額は約3,857万円になる計算です。
会社員(第2号被保険者)
次は、第2号被保険者である会社員で、企業年金がない方が20年間NISAとiDeCoを併用した場合でシミュレーションをしてみましょう。
✔️シミュレーションの条件
| 年収 | 500万円 |
|---|---|
| 運用利回り(NISA・iDeCo) | 3.0% |
| 継続期間 | 20年間(40歳〜60歳) |
| NISAの積立金額 | 毎月30,000円 |
| iDeCoの掛金 | 毎月23,000円 |
| 扶養配偶者 | あり |
| 扶養している親族 | なし |
✔️NISAシミュレーション結果
| 積立金額 | 7,200,000円 |
|---|---|
| 運用収益 | 2,610,000円 |
※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。
✔️iDeCoシミュレーション結果
| 掛金 | 5,520,000円 |
|---|---|
| 運用益 | 1,997,652円 |
※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。
20年間継続した場合、元本1,272万円に対し運用利益は約461万円発生し、資産総額は約1,733万円になる計算です。
NISA・iDeCoに関する注意点
NISAやiDeCoで資産形成をはじめる前に、次のポイントに注意しましょう。
投資資金は無理のない範囲で拠出する
投資の目的は、ご自身の将来のためや子どものためなどさまざまです。
目標を達成するために投資で資産形成するのは手段のひとつではありますが、投資に使うお金は余剰資金で行うことが大切です。たとえば生活費を無理に削減して投資をする、近い将来使う予定があるお金を投資に使うということは避けましょう。
生活などに必要な資金を投資に使うと、価格が下落したときの精神的な負担が大きくなりやすいでしょう。また、冷静な判断がしづらくなり、積み立てた資産を生活費のために売却せざるを得ない状況になるかもしれません。
多くの商品は元本割れのリスクがある
NISA、iDeCoに限らず投資では、元本割れの可能性があることを把握しておきましょう。
投資では、為替の変動、企業の業績、市場の状況など、さまざまな要素で値動きが発生します。上がることもあれば下がることもあり、場合によっては元本割れする可能性もあります。
NISAの場合、つみたて投資枠で元本割れをしても、あせってすぐに売却しないようにしましょう。一時的に大幅な値動きがあり元本割れしても、時間が経過すると価格が元どおりになることもあるためです。投資は一般的に「長期・分散・積立」を意識することで、元本割れのリスクを軽減しやすくなります。
NISAとiDeCoを活用した資産運用の相談は京都銀行へ
京都銀行では、NISAとiDeCoの両方を取り扱っています。
投資初心者の方で不安がある方は、まずは店舗相談できる銀行でNISAを始めてみるのもよいでしょう。投資に関する不安を解消しながら資産運用を始められます。
NISA口座の開設は、店舗で申込みができるのはもちろん、「京銀アプリ」を利用すれば口座開設から取引までアプリで完結することも可能です。
土曜日・日曜日の9:00〜17:00には、京都銀行の一部支店で資産運用などお金に関する相談会を実施しています。iDeCoやNISAを活用した資産運用も無料で相談可能ですので、ぜひご活用ください。
NISAとiDeCoに関するよくある質問
Q.NISAとiDeCoはどちらから始めるべきですか?
A.
NISAから始めるべき人の特徴は、次のとおりです。
- ライフプランに応じた資金を準備したい
- 投資初心者
- まとまった金額で投資をしたい
- さまざまな投資先で運用してみたい
一方、iDeCoから始めるべき人の特徴は、次のとおりです。
- 60歳以降のために資産形成したい
- 60歳まで引き出せなくても問題ない
- 所得税や住民税を減らしたい
Q.NISAとiDeCoは併用できますか?
A.
併用できます。NISAとiDeCoを併用して上手に活用することで、節税メリットを受けながら資産を形成できます。
NISAは子どもの教育資金、iDeCoは老後資金といったように、目的ごとにNISAとiDeCoを併用するのも手段のひとつです。
Q.NISAとiDeCoの違いを教えてください
A.
NISAとiDeCoの異なる点は、次の項目です。
- 税制上のメリット
- 対象者
- 上限額
- 最低積立金額
- 運用可能商品
- 運用できる期間
- 資金を引き出せるタイミング
具体的な違いは「NISAとiDeCoの違い」で解説しています。
Q.老後のための資産を形成する場合、NISAとiDeCoどちらがおすすめですか?
A.
NISAとiDeCo、どちらでも老後の資産形成は可能ですが、iDeCoのほうが向いているといえるでしょう。
iDeCoは60歳まで引き出すことができず、この特徴を活かし「老後までお金を使わない」と決めて資産形成できるからです。
NISAは、任意のタイミングで売却でき現金を引き出せることがメリットです。老後のための資産形成を目的にNISAを運用してもよいですが、いざというときに売却し現金を得られるため、老後に限定せずライフイベントに応じて使う運用が向いています。
Q.NISAとiDeCoは別の金融機関で口座を開設することはできますか?
A.
NISAとiDeCoの口座は、それぞれ異なる金融機関で開設することは可能です。
スマートフォンやパソコンで運用状況を確認する際、異なる金融機関の会員ページへログインしなければならないため、同じ金融機関で口座開設をするほうが便利でしょう。

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司
NISAとiDeCoのどちらが自身に合っているかは、投資目的や年齢、収入状況などによって異なります。両者の特徴を理解し、ご自身に最適な資産形成の方法を見つけてください。