つみたて投資枠を運用した10年後はどうなる?毎月の積立金額別のシミュレーション結果を紹介

更新日:2025/07/28
つみたて投資枠を運用した10年後はどうなる?毎月の積立金額別のシミュレーション結果を紹介

つみたて投資枠の運用を検討している方のなかには、「まずは10年続けてみたい」という方がいるかもしれません。そのときに気になるのが、10年後にどのような資産状況になっているのかという点です。

10年後にどれくらいの利益が出ているのかをある程度イメージし、ご自身に合った運用方法を探してみましょう。

この記事で分かること
  • つみたて投資枠で10年間運用したあとの選択肢
  • 10年未満で運用をストップしたことによる影響
  • つみたて投資枠を、20年運用したときのシミュレーション結果
監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

NISAの大きなメリットは、必要に応じて非課税で資金を引き出せる点です。これにより、教育費や住宅購入など、ライフプランの変化に柔軟に対応できます。 例えば、一時的に引き出し、ゆとりができたら再投資することも可能です。

目次

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【金額別】つみたて投資枠での運用開始から10年後の資産シミュレーション

ここでは、金融庁が公開するNISAの「つみたてシミュレーター」を用いて、つみたて投資枠での運用を10年間続けた後の資産シミュレーションを行います。シミュレーションでは、毎月同じ金額を積み立てる想定をしていますが、実際には、途中で積立金額を増減させることは可能です。

毎月1万円を積み立てた場合

毎月1万円を利回り5%で、10年間積み立てた場合、元本120万円に対する運用益が35万円、資産総額は155万円というシミュレーション結果になります。

毎月1万円を積み立てた場合の10年後のシミュレーション

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

毎月2万円を積み立てた場合

毎月2万円を利回り5%で、10年間積み立てた場合、元本240万円に対する運用益が71万円、資産総額は311万円というシミュレーション結果になります。

毎月2万円を積み立てた場合の10年後のシミュレーション

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

毎月3万円を積み立てた場合

毎月3万円を利回り5%で、10年間積み立てた場合、元本360万円に対する運用益が106万円、資産総額は466万円というシミュレーション結果になります。

毎月3万円を積み立てた場合の10年後のシミュレーション

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

毎月5万円を積み立てた場合

毎月5万円を利回り5%で、10年間積み立てた場合、元本600万円に対する運用益が176万円、資産総額は776万円というシミュレーション結果になります。

毎月5万円を積み立てた場合の10年後のシミュレーション

※あくまでもシミュレーションの結果であり、実際の運用成果は異なります。

つみたて投資枠を20年継続した場合のシミュレーション

10年間の運用を継続した例を紹介しましたが、さらに10年運用し、合計20年間運用するとどうなるのでしょうか。ここでは毎月3万円、利回りが5%だったときのシミュレーション結果をもとに比較を行います。

10年間 20年間
元本 360万円 720万円
運用収益 106万円 513万円
資産総額
(元本+運用収益)
466万円 1,233万円

毎月3万円を利回り5%で10年間積み立てた場合、運用益が106万円となります。一方、運用期間を20年間に延ばすと、期間は2倍にもかかわらず、運用益は513万円と約5倍に増加します

これは、投資で得た利益を元本に組み入れて再投資する「複利効果」の働きによるものです。つみたて投資枠のように長期運用を前提とした制度の場合、10年以上運用することも検討してみましょう。

NISAで積み立てた10年後はどうする?

つみたて投資枠で10年間運用したあとは、次のような手段をとることができます。

積み立てを継続する

10年間運用を継続したあと、すぐに現金が必要ではない場合は、売却せずに積み立てを継続するという選択があります。

つみたて投資枠は長期運用をすることで複利効果を得やすくなるため、継続することでより大きな利益も期待できるでしょう。

積み立てをストップし運用だけを継続する

毎月の積み立てはストップしつつ、売却せずに運用だけを継続するという選択肢もあります。

つみたて投資枠での運用を続けていると、ライフスタイルの変化や収入の減少などにより、投資以外のことに資金を使う必要が出てくることもあるでしょう。また、10年間運用を継続したものを売却してしまうのは「もったいない」と感じる方もいるかもしれません。そのような方には、毎月の積み立てだけをストップし、すでに投資した分の運用は継続するという選択もおすすめです。

その場合、運用は継続するため、資産の状況は定期的に確認しましょう。

売却して利益を確定させる

「子どもの教育資金のために10年間運用する」など、明確な目的をもって積み立てていた場合は、当初の予定どおり売却して現金化するという手段もあります。

NISAでは、すべての資産を売却する以外にも、一部のみを売却することも可能です。そのため、必要な金額分だけを売却し、残りは運用を継続するという柔軟な対応もできます。

そのときの状況にあわせてポートフォリオを見直す

10年間つみたて投資枠を継続していると、ライフスタイルの変化以外にも、収入や支出、投資におけるリスク許容度が変化することもあるでしょう。

もし長期間にわたり同じ銘柄に積み立ててきたのであれば、状況に応じてポートフォリオを見直してみるのもおすすめです。

ポートフォリオとは

金融商品の組み合わせのこと。たとえば「Aの銘柄30%、Bの銘柄70%」といった構成のことをいいます。

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成長投資枠の併用も考える

新NISAにはつみたて投資枠のほかにも、「成長投資枠」を利用することができます。成長投資枠では、つみたて投資枠で購入できる投資信託以外にも、個別株などが購入できます
また、年間投資枠は240万円であり、つみたて投資枠の120万円よりも大きな枠をもつことが特徴です。

つみたて投資枠で運用をするなかで、特定の企業の株式を購入してみたい、より幅広い商品で運用してみたいといった方は、成長投資枠の利用も検討してみてください。

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10年後、つみたて投資枠で損失が発生していたらどうする?

つみたて投資枠の運用スタートから10年が経過し、資産状況を確認したら損失が発生していたということがあるかもしれません。

このときの対処法としては、すぐに現金が必要な状況ではないのであれば、売却せず、しばらく状況をうかがうようにしてみましょう。ある程度日数が経過することで市場が回復し、元本割れの状況が回復することも考えられます。

つみたて投資枠では、損失が発生していてもあせって売却をするのではなく、冷静に対応することが大切です。

監修者
金子賢司(かねこけんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金子賢司

プロの投資家でさえ、10年後の市場を正確に予測するのは不可能です。だからこそ、長期運用の特性を活かし、リスクを抑えた運用を心がけるべきです。

10年を待たずにつみたて投資枠をやめるとどうなる?

つみたて投資枠の運用を10年未満でストップしても、状況によっては利益が出ていることもあれば、元本割れをしていることもあるでしょう。つみたて投資枠に限らず、投資では将来を正確に予測することは困難です

金融庁が公表しているデータによると、保有期間が短いほど利回りに幅が出やすく、元本割れする可能性も高くなるといったものがあります。つみたて投資枠は、数年単位の短期運用ではなく、10年、20年といった長期運用によって、複利の効果をより活かしやすく、リスクの低減を図ることができる点が大きな特徴です。

可能であれば10年未満で売却するのではなく、次の選択を検討してみてください。

  • 積立金額を減らして運用を継続する
  • 積み立ては一時的にストップし、運用を継続する(資金に余裕ができたら積み立てを再開)

まずは無理のない金額を継続して積み立てることを優先しよう

つみたて投資枠は、10年以上の長期運用を前提とした制度です。時間をかけて積み立てることで、利益を得られる可能性も高まります。まずはシミュレーションを活用しながら、「毎月◯万円ずつ投資をして10年後、自分が◯歳のころには、△万円くらいにはなっている」といったイメージをしてみましょう。

投資初心者の方の場合、どのような銘柄を購入すればいいのか、収入や投資の目的から見て、毎月いくらずつ積み立てるのがよいのかなど悩むことは多いかもしれません。

そういった方は、金融機関の窓口で相談をしながら運用の方向性を決めてみるのがおすすめです。

京都銀行では、NISAをはじめとする資産運用のほか、保険や各種ローンなどのご相談が可能です。平日以外にも、土曜日や日曜日に相談いただける「土・日ご相談プラザ」「土曜ご相談プラザ」をご活用ください。

選べる2つの開設方法

よくある質問

Q.つみたて投資枠は1年でどれくらい増えますか?

A.

つみたて投資枠を年利5%、1万円・3万円・5万円で1年間運用した結果は、次のとおりです。


1万円 3万円 5万円
元本 12万円 36万円 60万円
運用収益 0万円 1万円 1万円
資産総額
(元本+運用収益)
12万円 37万円 61万円

シミュレーションの結果ではありますが、1年という短い期間では、大きな利益は期待できないでしょう。

Q.つみたて投資枠は10年後にやめてもいいですか?

A.

目的があり10年後に売却することを想定して運用をしたのであれば、売却という選択肢もあります。

一方、「長期的に運用して、老後のための資産形成を行いたい」など、期間を明確に決めずに積み立てをした方であれば、売却をせず積み立てを継続するのもおすすめです。

つみたて投資枠の場合、10年以上の長期運用を継続することで、複利効果でより大きな利益が期待できるかもしれません。

Q.月3万円でつみたて投資枠をすると10年後どうなっていますか?

A.

つみたて投資枠で、毎月3万円、利回り5%で10年間運用をしたときのシミュレーション結果は、元本360万円に対する運用益は106万円、資産総額は466万円になります。