美術研究支援制度:2018年度

京都銀行の「美術研究支援制度」は、京都市立芸術大学の学生が制作された作品を毎年継続的に購入することによって制作者の美術研究費用を支援するもので、優れた芸術の創造・振興に寄与することを目的として2001年に創設いたしました。
購入作品をホームページ上でご紹介することによって多くの方々にご鑑賞いただき、文化・芸術振興の一助になればと願っております。

  • 個々の作品についてのお問い合わせにはお答えいたしかねますのでご容赦願います。

購入作品のご紹介

2018年度購入作品(制作者の敬称略)

好きに委ねる

大槻 拓矢 日本画 60cm×72cm

そういう風に見えるけれど、本当にそこにあるのかどうかは分からないものについて考えています。

素材:岩絵具、麻紙

来訪

森 萌衣 日本画 72.7cm×60.6cm

誰かと、何かと目線を交えながら、たくさんの会話や感動を共有していく事は私にとってとても大切な事です。
新しい出会いに耳を澄まし、見知らぬ何かを見つけたいと思います。

素材:白麻紙、岩絵具、膠

ぐらぐら

作田 優希 油画 100cm×100cm(141.5cm×141.5cm)

‘森’をきっかけとして制作をしている。目の前を覆い尽くす葉々、縦横無尽に視界を走る枝が、区切られた空間を切り裂いて上下左右の概念が揺らぐように表現した。

素材:キャンバス、油彩、パステル、墨汁、顔料

Warp(ワープ)

中谷 圭 油画 60.5cm×73cm

二つのイメージを絵画の上で重ね合わせ、単体である時には無かった意味を生じさせる。本来のモチーフとは異なる色彩を用い、筆致を残しつつ描くことで新しい印象を探る。

素材:キャンバス、油彩、アクリル絵具

Trajectory(トラジェクトリー)

武雄 文子 版画 168cm×84cm

銅版画の魅力として手作業の良さがあり、私はそこにデジタルの表情、処理などが加わることにより自分の手から離れる感覚を加えたいと考え、完成した銅版画をコピー機にかけながら、像をのばす。できた像をもう一度銅版画に直すことでデジタルと銅版画の融合を試みた作品です。

素材:ハーネミューレ、インク

庭園

上森 響子 版画 112cm×81cm

滲みや気泡などのインクに起こる現象や物質感に魅力を感じて作品に取り入れてきた。シルクスクリーン技法を用い、インクが物質として刷られるイメージに加わることで、具体的な映像が崩壊していくことに着目して制作を行っている。

素材:アルミ複合版、シルクスクリーン

おかげさまで元気に暮らしています

毛利 愛実子 陶磁器 20cm×58cm×23cm/20cm×30cm×25cm

何気ない日常でのはっとした瞬間を、土を使い形に残したくて制作をしています。これは屋久島に行ったときにバスの中から見かけた墓地が忘れられず、作品にしたものです。

素材:陶土、釉薬

ラーレの夢路

野口 結貴 染織 116cm×116cm

チューリップは、枯れ始めると、怪しく揺れ動きながらも、その美しさを保とうとする。その枯れていく様子をドローイングし、時折描いたものをコラージュしながら、ろうけつ染めという技法を用いて表現した。

素材:反応性染料、綿布