家賃が払えないときにやるべきことと相談先は?給付金・貸付制度を解説

更新日:2026/08/31
家賃が払えないときにやるべきことと相談先は?給付金・貸付制度を解説

失業や収入の減少、急な出費などで家賃が払えない状況になると、「どうすればいいのかわからない」「強制退去になってしまうのでは」と不安になる方が多いかもしれません。

家賃が払えないときは、対応が遅れるほど状況が悪化する可能性があります。慌てずに対処するためにも、まずは適切な対応を確認しておきましょう。

この記事では、家賃が払えないときにまずやるべきことや利用できる公的支援制度、一時的な資金調達方法、滞納した場合の流れについて詳しく解説します。

この記事で分かること
  • 家賃が払えないとわかった時点で、管理会社または大家へ連絡する
  • 状況によっては、自治体の公的支援制度を利用できる場合がある
  • どうしても資金を用意できない場合は、カードローンを利用する選択肢もある
監修者
飯田道子(いいだみちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者) 他
飯田 道子

家賃が払えないとわかったら、まず大家や管理会社への連絡を最優先にしてください。連絡せずに滞納するより、早めに事情を伝えるほうが解決策を見つけやすくなります。公的支援制度も複数あるため、一人で抱え込まず、まずは相談窓口に連絡することが状況改善への第一歩です。

目次

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家賃が払えないときにまずやること

失業などで収入が減ってしまったり、突発的な出費があったりして家賃が払えない状況になると、「どうしよう……」と頭が真っ白になることもあるでしょう。

家賃が払えないとわかったとき、まずやるべきことは、お金を工面することではなく、各所に連絡・報告することです。状況を悪化させないためには、落ち着いて必要な対応をひとつずつ進めることが大切です。

ここでは、家賃が払えないときにやるべきことを順番に確認していきましょう。

家賃が払えないときにまずやること

大家・管理会社にすぐ連絡する

家賃が払えないとわかった時点で、まずは管理会社または大家に連絡しましょう。管理会社が管理している物件は管理会社へ、大家が直接管理している物件は大家へ連絡します。

「家賃を払えないと伝えるのが気まずい」と感じるかもしれませんが、黙って滞納するよりも、事前に一報を入れるほうが誠実な印象を与えやすいでしょう。

大家・管理会社に伝える内容

  • 払えない理由(病気・失業・急な出費といった事情)
  • いつまでに支払えるか(具体的な日付)

ただ「待ってほしい」と伝えるのではなく、「◯月✕日までに△円を支払います」のように具体的な見通しを伝えることで、交渉しやすくなります。

支払いの分割払いを交渉する

家賃を一括で払えそうにないときは、分割払いが可能か確認してみる方法もあります。ただし、分割払いに対応してくれるかどうかは、大家や管理会社によって異なるため確認が必要です。

分割払いが可能な場合は、いつまでにいくら支払い、残額をいつ支払うのかを相談・交渉しましょう。

過去に何度も滞納しているなど、状況によっては分割払いに対応してもらえないことも考えられます。交渉が通らなかった場合は、すぐに資金を確保し、滞納している分を一括で支払う必要があります。

資金調達方法について、詳しくは「家賃が払えないときの一時的な資金調達方法」をご覧ください。

連帯保証人・家族に事情を説明しておく

滞納が続くと、管理会社から連帯保証人へ連絡が入る場合があります。連帯保証人は「賃貸借契約書」などで確認できます。

連帯保証人には賃借人と同等の支払い義務があるため、滞納している家賃の支払いを求められることがあります。突然連絡が入ると驚かせてしまう可能性があるため、管理会社への連絡とあわせて、連帯保証人にも事前に状況を伝えておきましょう。

「迷惑をかけたくないから黙っておきたい」という気持ちもあるかもしれませんが、事前に説明しておくほうが、連帯保証人との関係性を守ることにつながります。

もし連帯保証人が立て替えてくれる場合は、その後の返済計画について、きちんと決めておくことが大切です。

家賃が払えないときに使える公的支援制度

公的支援制度は、国や自治体が用意している、困ったときのためのセーフティネットです。「収入が極端に少ない一部の人だけが利用できるもの」と思われがちですが、状況によっては利用できる制度もあり、家賃が払えないときの助けになる場合もあります。

ただし、申請には準備が必要で、制度によっては利用開始までに時間がかかる場合もあります。現在の状況で利用できる制度があるかどうか、早めに確認してみましょう。

ここでは、家賃が払えないときに利用できる可能性がある公的支援制度を2つ紹介します。

住居確保給付金

住居確保給付金とは、離職や収入減少によって住居を失うおそれがある人に対し、一定期間、家賃相当額を自治体が貸主(大家)や管理会社へ支給する制度です。

支給額は、住んでいる市区町村や世帯人数によって異なります。支給期間は原則3ヵ月で、一定の条件を満たした場合は3ヵ月ごとに延長でき、最長9ヵ月まで利用できます。

利用条件として、次の4つをすべて満たす必要があります。

  • 主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内、または個人の責任や都合によらず、離職・廃業と同程度まで収入が減少している
  • 直近の月の世帯収入合計額が、「基準額(※1)+家賃の合計額(上限あり)」を超えていない
  • 世帯の預貯金合計額が、「基準額(※1)の6ヵ月分(※2)」を超えていない
  • ハローワークへの求職申込みや自立相談支援機関での面談など、誠実に求職活動を行っている

参考:厚生労働省「住居確保給付金」

※1 市町村民税均等割非課税相当額の1/12
※2 100万円を超えない額

なお、申請には次の書類が必要です。

申請に必要な書類

  • 本人確認書類
  • 収入が確認できる書類
  • 預貯金額が確認できる書類
  • 離職・廃業などが確認できる書類

申請者の状況によっては、追加書類の提出を求められる場合があります。

相談窓口は、市区町村役場や自立相談支援機関、福祉事務所など、地域によって異なります。厚生労働省のWEBサイトで最寄りの相談窓口や支給上限額を確認してみましょう。

住居確保給付金 申請・相談窓口

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度とは、低所得世帯や障害者世帯、高齢者世帯が安定した生活を送れるよう、都道府県の社会福祉協議会が資金の貸し付けと必要な相談・支援を行う制度です。

対象要件は次のとおりです。

  • 必要な資金を他から借りることが困難な「低所得世帯」
  • 障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」
  • 65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」

相談窓口は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会です。「(お住まいの自治体名) 社会福祉協議会」などで検索し、窓口の所在地や問い合わせ先を確認してみましょう。

家賃が払えないときは、生活福祉資金貸付制度に含まれる「緊急小口資金」や「総合支援資金」を利用できる場合があります。

緊急小口資金

緊急小口資金とは、低所得世帯(※)が、緊急かつ一時的に生活の維持が困難になった場合に、必要な資金の貸し付けと相談を行うものです。
※ 世帯の収入が社会福祉協議会等で定める収入基準以内である世帯

解雇や休業による収入の減少で支払いが難しくなったときや、社会保険料・公共料金の支払いによって支出が増加したとき、就職後、初回の給料が支給されるまでの生活費が不足するときなどに利用できます。

ただし、あくまで一時的に生活が困難になった場合を対象とする制度であり、継続的な収入不足がある場合や、多額の負債を抱えている場合などは利用できないことがあります。

貸付限度額は10万円以内で、無利子です。連帯保証人は原則不要で、据置期間経過後、原則として12ヵ月以内に返済する必要があります。

申請時に必要な書類は、地域によって異なる場合がありますが、おもに次のような書類が必要です。

申請に必要な書類

  • 住民票
  • 本人確認書類
  • 印鑑登録証明書
  • 収入証明書類
  • 借り入れの理由がわかるもの

その他、負債がある場合は負債の残額がわかるものなど、世帯の状況に応じて追加の書類が必要になることもあります。

総合支援資金

総合支援資金は、日常生活全般に困難を抱えた世帯を対象に、生活の立て直しに向けた継続的な相談支援と、生活費や一時的に必要な資金の貸し付けを行う制度です。

利用するには、失業などによって生活に困窮していることや、就労能力があり、求職活動を行う意思があることなどの要件を満たす必要があります。

家賃が払えない場合は、総合支援資金のうち「生活支援費」や「住宅入居費」を利用できる可能性があります。ただし、住宅入居費は家賃そのものではなく、敷金や礼金など住宅の賃貸契約に必要な費用が対象です。

原則として連帯保証人が1名必要となりますが、連帯保証人を立てなくても申込みが可能です。ただし、連帯保証人を立てない場合は年1.5%の利子がかかります。連帯保証人を立てる場合は無利子です。

なお、総合支援資金の申請が受理されてから資金を受け取るまでには最短1ヵ月程度かかるため、利用したい場合は早めに申請することが大切です。

また、この制度を利用する際は、生活困窮者自立支援制度もあわせて利用し、継続的な相談支援を受けていくことになります。
※自立相談支援機関の名称は市区町村によって異なります。

家賃が払えないときの一時的な資金調達方法

大家への連絡や公的支援制度の利用で状況を改善できない場合は、自分でお金を用意する必要があります。

資金調達の方法はいくつかありますが、まずは不要品を売却したり、頼れる人に相談したりすることから始めましょう。それでも難しい場合は、カードローンなどでお金を借りる方法も選択肢のひとつです。

それぞれの方法を詳しく解説します。

不要品の売却

お金が必要なときにまず試したいのが、リサイクルショップやフリマアプリで不要品を売却する方法です。

リサイクルショップでは、売却したその日に現金を受け取れるメリットがあります。ただし、ブランドものや貴金属、家電(未使用品・人気メーカー製品など)、スマホやタブレット、ゲームなど、人気のものや高価なものを売却しなければ、まとまったお金になりにくいのが特徴です。

フリマアプリは、売却して現金を受け取るまでに時間がかかるものの、リサイクルショップでは売れにくいものでも売却できる可能性があります。

すぐに資金が必要なときはリサイクルショップを利用し、日ごろから不要品を整理したい場合はフリマアプリを活用するなど、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。

家族・知人から一時的に借りる

家族や知人に相談して、一時的にお金を借りるのもひとつの方法です。金融機関でお金を借りると利息が発生しますが、家族や知人から借りる場合、基本的には利息が発生しないメリットがあります。

ただし、今後の関係性を守るためにも、口約束だけで済ませず、「いつまでにいくら返すか」を事前にはっきり決め、できれば借用書を作成することが大切です。借用書には、「借入金額・借入日・返済期日・返済方法(一括または分割)・署名捺印」などを記載します。

借りた後は、後々のトラブルを防ぐためにも、銀行振込など、記録が残る方法で返済を進めましょう。

カードローン

不要品の売却や家族・知人への相談を行っても、どうしても資金を用意できない場合は、金融機関でお金を借りる手段もあります。

カードローンとは、銀行や消費者金融などの金融機関が提供している個人向けの融資サービスです。すべてのカードローンには審査があり、審査によって決まった借入限度額の範囲内で自由に繰り返しお金を借り入れられます。

カードローンでは借りた金額に応じて利息が発生するため、事前に返済シミュレーションを行い、毎月の返済額や返済総額を確認したうえで利用することが大切です。

特に、生活費の補填としてカードローンを繰り返し利用すると、利息の負担が大きくなりやすいため注意が必要です。毎月借り入れが必要な状況であれば、生活費の見直しなどもあわせて行いましょう。

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家賃を滞納するとどうなる?

家賃を滞納すると、段階を経て法的手続きへと進みます。進み方は管理会社や大家、保証会社によって異なり、対応が遅れるほど状況が悪化する可能性があります。

滞納後の一般的な流れは次のとおりです。

滞納後の流れを把握し、早めの対応につなげましょう。

家賃の督促が行われる

家賃の支払いが確認できない場合、支払期限の翌日以降に大家や管理会社から連絡が入ります。連絡方法は、電話・郵便・訪問など、管理会社によって異なります。

この段階で滞納分を支払うか、大家や管理会社と支払方法について話し合いができれば、問題がそれ以上大きくなる可能性は低いでしょう。しかし、督促を無視したり、連絡を取り合わない状態が続いたりすると、次の段階へと進む可能性が高まります。そのため、督促状や催告書が届いたら、すぐに内容を確認することが大切です。

なお、支払いが遅れた日数に応じて遅延損害金が発生するケースもあります。滞納する日数が増えるほど支払う金額も増えるため、早めに対応しましょう。

連帯保証人・保証会社へ電話連絡が行われる

督促を無視するなど、入居者本人と連絡が取れない状況が続くと、管理会社から連帯保証人または保証会社へ連絡が入ります。

連帯保証人がいる場合は、民法上、賃借人と同等の支払い義務を負っているため、滞納家賃の支払いを求められることがあります。連帯保証人に突然連絡が入ることで、相手が驚くかもしれません。大切な人に迷惑をかけないためにも、この段階に至る前に自分から連絡しておきましょう。

保証会社を利用している場合は、保証会社が家賃を立て替えたうえで、入居者へ請求を行うことが一般的です。

また、信販系の保証会社を利用している場合は、家賃の滞納情報が信用情報に登録されることがあります。信用情報とは、クレジットやローンの契約・利用状況などに関する情報のことで、客観的な取引事実を記録した個人情報です。これらの情報は信用情報機関に記録されます。信用情報にマイナスな記録があると、今後、クレジットカードやローン、スマホの分割購入などの審査に影響が出る可能性があります。

明け渡し請求が行われる

入居者本人・連帯保証人のいずれからも滞納家賃の支払いが見込めない場合、大家や管理会社は法的手続きへ移行することがあります。

まず、内容証明郵便で催告書が送付されます。内容証明郵便とは、「いつ・誰が・誰に・どのような内容の手紙を送ったか」を郵便局が証明する書留郵便の一種です。

催告書には、「支払期日までに滞納家賃を支払わなければ賃貸借契約を解除する」旨が記載されており、法的な解除に向けた最終通告としての役割を持ちます。催告書が届いたら、すぐに大家や管理会社へ連絡を取り、支払いの意思を示すことが重要です。

催告書を無視したり、連絡を絶ち続けたりした場合は、その後、建物明渡請求訴訟が提起される可能性があります。建物明渡請求訴訟とは、貸主が借主に対して、物件の明け渡しと退去を求める裁判のことです。

強制退去が行われる

建物明渡請求訴訟で大家や管理会社側が勝訴した場合、それでも入居者が退去しなければ、強制執行(強制退去)が行われます。強制退去とは、裁判所が選任した執行官が物件に立ち入り、入居者と室内の荷物を強制的に撤去する手続きのことです。

撤去された荷物は一時的に保管されますが、保管期限を過ぎると処分される場合があります。強制退去にかかった費用(執行費用・荷物搬出費用など)は、すべて借主が負担しなければなりません。費用は部屋の広さや荷物の量によって異なり、数十万円以上になることもあります。

滞納した家賃や遅延損害金、訴訟費用なども請求されるため、最終的な負担は大きくなるでしょう。

また、保証会社によっては、滞納情報が共有される場合があります。そのため、次の賃貸物件の審査に影響する可能性がある点にも注意が必要です。

家賃が払えなくなる前にやっておきたいこと

家賃が払えなくなるのは突然起こるものではなく、収入と支出のバランスが崩れた結果であることが考えられます。そのため、「まだ大丈夫」と思っているうちに家計を見直しておくことで、家賃を払えなくなるリスクを軽減できる可能性があります。

家賃の支払いが苦しくなる前に、次の2つを確認してみましょう。

収入と家賃の比率を見直す

一般的に、家賃は手取り収入の3割以内が目安とされています。3割を超えている場合、収入が少し下がるだけでも支払いが苦しくなる可能性があります。

また、家賃だけでなく、通信費や保険料、ローン返済額などの固定費も含めて家計全体のバランスを確認することが大切です。

現在の家賃負担が大きいと感じる場合は、更新のタイミングなどにあわせて、家賃の低い物件への引っ越しを検討することも選択肢のひとつです。

緊急時のための生活防衛資金を積み立てる

生活防衛資金とは、病気やケガ、失業、急な出費などに備えて確保しておくお金のことです。急な失業や病気に備え、生活費の3ヵ月〜6ヵ月分程度を、すぐに引き出せる口座に確保しておくことが望ましいとされています。

毎月少額でも積み立てる習慣をつけることで、いざというときに家賃の支払いに困るリスクを下げられるでしょう。

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よくある質問

Q.家賃が払えないときの相談窓口を教えてください。

A.

家賃が払えないとわかった時点で、まずは大家や管理会社へ連絡しましょう。支払いに遅れてからではなく、払えないとわかった段階で早めに相談することが大切です。

そのうえで、どうしても家賃を支払えない場合は、公的支援制度の利用も検討しましょう。相談窓口は、おもに社会福祉協議会や自立相談支援機関などで、市区町村によって異なります。

「家賃が払えないときに使える公的支援制度」で詳しく解説しています。

Q.「住居確保給付金」とはどのようなものですか?

A.

住居確保給付金とは、離職や収入減少によって住居を失うおそれがある人に対し、一定期間、家賃相当額を自治体が貸主(大家)や管理会社へ支給するものです。

支給額は住んでいる市区町村や世帯人数によって異なり、支給期間は原則3ヵ月です。一定の条件を満たすと利用でき、給付金のため返済する必要はありません。

相談窓口などの詳細は「住居確保給付金」で解説しています。

Q.家賃が払えなくて強制退去になるのはいつですか?

A.

強制退去になるまでの期間は、滞納状況や大家、管理会社、保証会社の対応によって異なります。

家賃を滞納すると、督促や連帯保証人・保証会社への連絡、明け渡し請求などの段階を経て、最終的に強制退去となる可能性があります。

強制退去を避けるためにも、家賃を払えないとわかった時点で大家や管理会社へ連絡し、支払方法について相談することが大切です。