京都の伝統文化と
大阪の技術力を融合させ、
新しいビジネスを創造する。

法人総合営業

成瀬 優介

日常会話の中から出てきた
ビジネスマッチングの要望。

染織商品の製造・販売を手がける老舗企業を先輩行員から引き継いだのは、現在の支店に異動してから半年後のこと。京都銀行とは長年取引がありましたが、新しい営業担当として信頼関係を築くため、頻繁に訪問してお客さまへの理解を深めていきました。積極的に出店を進めて事業を拡大する中での課題をヒアリングし、スピード感を持って対応。メリットの高い融資借り換えの提案をきっかけに、名実ともにメインバンクとしての実績を築いてきました。以来、様々な相談をいただくようになり、何気ない会話からビジネスマッチングのニーズを見つけ出したのです。

銀行のネットワークと人脈を
フルに活用して提携先を模索。

「新商品をつくりたいけど、思ったような色合いを出せる塗料が見つからなくてね」。お客さまがぽろりと漏らしたお悩みを何とかして解決したいと思った私は、商品や塗料についてヒアリングを重ね、提携先を探すために銀行のプラットホームを活用して一斉に情報を発信。その一方で、染織や塗料の専門知識を学ぶため、行内の和装業界の担当者から染織の種類や生産工程などの情報収集も行いました。M&Aで大切なのは、お客さまのニーズを正確に把握し、最適な提携先を紹介すること。さらに具体的な塗料の条件を聞き出し、自ら撮影した商品の写真を参考資料に交渉を進め、候補となる塗料メーカーを絞り込んでいきました。

商談が成立して遂に商品化
心に響いた「ありがとう」。

提携先は技術力をはじめ、企業としての信頼性や経営状態についても念入りに調査。それらの条件を満たし、有力候補として挙がったのが、大阪で特殊塗料をつくるメーカーでした。面談の日には、お互いの社長が初めて顔を合わせ、自社の事業や商品、考え方などをアピールした後に、新商品開発に関する質問が次々と飛び交い、最後まで緊張感が張り詰めていました。お客さまに感触を伺うと、実際に試作をしなければわからないとのこと。それからは、商品化に向けた試作や検証が行われ、その状況を見守り続ける日々。数カ月後、「商談が成立しました」と報告をいただいたときに安堵し、体中から喜びの感情が湧き上がってくるのを感じたのです。

海外の販路づくりを提案
さらに企業成長の支援を。

特に嬉しかったのは、出来上がったばかりの新商品を目にしたときです。その色合いは深く、これまでに見たどの商品よりもインパクトがあり、お客さまの「ありがとう、助かったよ」の言葉が心にじんわりと響きました。しかし、これがゴールではありません。2020年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響でインバウンド市場は一転。課題解決として、海外で商品を販売する戦略を提案し、上司やメンバーにも協力を仰ぎ、チームが一丸となって様々な提案を行っています。会社経営の一翼を担う存在としての責任感と充実感を日々感じながら、これからもお客さまとともに未来に向かって歩んでいきたいと思います。

成長できたこと

京都には老舗企業をはじめ、ベンチャー系企業、情報通信業、飲食業など様々な企業があり、京都銀行では幅広い支援を行っています。金融知識はもちろんですが、あらゆる業界のビジネスについて触れることができ、今回のプロジェクトでは染織と塗料という新しい分野の知識を学ぶことができました。また、成功体験を通じて自信とやりがいを得たことも大きな収穫です。これからもお客さまの課題を見出し、事業発展のために、好奇心を持ってあらゆる仕事にチャレンジしていきたいと思います。