美術研究支援制度:2008年度

京都銀行の「美術研究支援制度」は、京都市立芸術大学の学生が制作された作品を毎年継続的に購入することによって制作者の美術研究費用を支援するもので、優れた芸術の創造・振興に寄与することを目的として2001年に創設いたしました。
購入作品をホームページ上でご紹介することによって多くの方々にご鑑賞いただき、文化・芸術振興の一助になればと願っております。

  • 個々の作品についてのお問い合わせにはお答えいたしかねますのでご容赦願います。

購入作品のご紹介

2008年度購入作品(制作者の敬称略)

  • 作品タイトル 長い話
  • 長い話 安本亜佐美 日本画 72.2cm×60.5cm

写真技術の発明された近代以降に於いて,絵画に求められるものは,記録性や写実性でなく,虚構なのだと考えます。
フレームを通して見える,現実とは違う向こう側の世界,そしてそれらを予感させる様な間隙のある赤いカーテンをモチーフに描きました。
鑑賞者にとって,それぞれのファンタジーを托せる様な,創造を膨らますことの出来る絵であれば幸いです。

  • 作品タイトル 栄山寺八角堂 東北柱西南面上段 菩薩像の模写
  • 栄山寺八角堂 東北柱西南面上段 菩薩像の模写 ハンヒジョン 日本画 16.9cmx34.4cm

栄山寺は養老3年(719)に藤原不比等の長男藤原武智麻呂が菩提寺として創建したと伝えられる。室町時代に再建された本堂右手には八角円堂(国宝)が立つ。八角円堂は武智麻呂の菩提を弔うために子の仲麻呂によって建立されたと伝えられており,天平建築の中でも法隆寺夢殿と並ぶ貴重な遺構である。
内陣の柱や天蓋には壁画が施され,建物とは別個に「絵画」として重要文化財に指定されている。内陣の天井とこれを支える飛貫(ひぬき),4本の内陣柱の装飾絵画は剥落が甚だしいとはいえ,今なお画面を留め,尚且つ後人の加筆補彩が認められず,遺品の少ない奈良時代の絵画資料として極めて高い価値を有する。柱には本模写作品の他に,楽器を奏する菩薩像,飛貫には飛天や人面を持つ鳥などが描かれている。
この模写作品の製作意図は奈良時代の建造物彩色に用いられた顔料及び彩色技法の研究であるため,科学分析調査資料に基づいて模写制作を行った。

  • 作品タイトル のし髪
  • のし髪 龍門藍 油画 72cm×72cm

“結ぶ”という行為や,贈り物に貴重品の“のし”を添えて贈るという習慣が,形式化して,広く一般的になっている様子。
同じ“結ぶ”ことで私にとって身近に感じるのは髪を結う行為だ。
日常にあるスタイルの中にかくされている,
本来意味するものや,人の営みの普遍性をみつけたい。

  • 作品タイトル 人間
  • 人間 松田啓佑 油画 67cm×92cm

※本人の意向により制作意図の文章化はしていません。

  • 作品タイトル 引きずり込まれるような引力
  • 引きずり込まれるような引力 松井亜希子 版画 84cmx60cm

銅版画という手法にこだわっているのは,私が描くものと銅版画のマチエールが融合したときに生まれる世界が,私の描きたい世界観であるからです。
鑑賞者を私の絵の中に引き込むような,絵の世界に誘い込むようなものを描きたいと思っています。まるで小説の中の不思議な世界に迷い込むような感覚を鑑賞者に与えたいです。
なぜモノクロで制作しているかというと,モノクロの美しさに魅かれるのに加えて,非現実的な雰囲気が出せると考えるからです。なぜなら,私たちは普段はカラーの世界で生きているからです。カラーでの風景をモノクロの銅版画で描く事によって,絵をより私の世界にできると思っています。無機的な建築物とモノクロの相性も非常にいいです。建築物のシャープな形を表現するのにも,銅版画の細い線は適任であると思っています。

  • 作品タイトル ひ弱なヒーロー
  • ひ弱なヒーロー 成山亜衣 版画 51.5cmx72.8cm

日々,見知らぬ多くの人々が集まったところに出会いがあり,
その時々に,人から,状況から出てくるイメージを表現しています。
「片手にナイフを,,もう一方に飴を,,」そんな現代の人たちの,それぞれの関わりをいつも考えています。

  • 作品タイトル はつゆめ
  • はつゆめ 中村牧子 陶磁器 52cmx48cmx32cm

物があふれている,現代の大量消費社会において,私たちの物欲や虚飾はとどまるところをしりません。
様々な物や装飾が渾然一体となって存在している今の時代を,ユーモアを込めて表現しました。

  • 作品タイトル 森の魂 The soul of forest
  • 森の魂 The soul of forest 佐野暁 漆工 65cmx50cmx13cm

一度命を終え,倒れた木に漆という息吹を吹き込み,新たなる命を宿らせる意図で製作した。
自然が作り出した見事な造形と漆粘土でかたどった心臓のような造形を組み合わせ,新たにわきあがるいのちの胎動を表現した。

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