京都銀行の「美術研究支援制度」は、京都市立芸術大学の学生が制作された作品を毎年継続的に購入することによって制作者の美術研究費用を支援するもので、優れた芸術の創造・振興に寄与することを目的として2001年に創設いたしました。
購入作品をホームページ上でご紹介することによって多くの方々にご鑑賞いただき、文化・芸術振興の一助になればと願っております。
公園を散歩するのが好き。木の匂いや音に包まれて、失われそうな記憶に浸っていたい。今日はどんな色が見えてくるだろうか。
この朝顔は初夏に種を植え、苗となり蔓を力いっぱい伸ばして晩夏に開花しました。
たくさん咲いた花達は一日観察をするだけでも色や形に変化が生まれ、時間の流れを感じさせられました。今の瞬間を逃すと二度と出逢えない花達との一期一会、「瞬間を大切に」そんな想いを込めました。
何処かにあるかもしれない金色の洞窟を描いた。日常のふとした瞬間が、非日常的な場に変換され、“不穏なファンタジー”として現れてくる。様々なことに目を凝らすと今迄見えていなかった秘密や謎が見えてくるように思う。
私は歪んだ空間にある醜い表情を描く事で、身近な人間から受けた負の感情を視覚化したい。その醜い表情とは、普段認識している目や鼻の位置や大きさを僅かにずらす事や、省略する事で、得られる居心地の悪さである。
窓をテーマに制作しています。私は多色木版を摺り重ねるときに、紙の中に絵具が染み込み、絵具の層が雪のように降り積もっているイメージを持ちました。そこから、この制作過程を[sin-sin](しんしん)という擬音語とし、これを主題として制作しています。絵具とイメージの層とがリンクし、薄い紙の中で重層的な距離感が存在するよう摺り重ねています。
記憶の断片、ふと脳裏に浮かんでくるイメージをテーマに制作しています。自身が描いたラクガキに加筆・拡大コピーを繰り返し、ノイズやテクスチャーなど自身の意識の及ばない効果を取り込んだ抽象的なイメージを木版画で表現しています。
気持ちのいい朝の日差しをひまわりと漆の変わり塗り技法を利用して表現しました。
私は中国の新石器時代における土器の主体の黒陶を制作しています。テーマに決めた植物模様の魅力である有機的な生命観、同じ形状の植物が曲がっていることで感じるリズム感を黒陶で表現したいと思いますが今回の制作にあたり、ある模様のリズムや細部の拡張を視覚的に抽出し、作品を作っています。