京都銀行の「美術研究支援制度」は、京都市立芸術大学の学生が制作された作品を毎年継続的に購入することによって制作者の美術研究費用を支援するもので、優れた芸術の創造・振興に寄与することを目的として2001年に創設いたしました。
購入作品をホームページ上でご紹介することによって多くの方々にご鑑賞いただき、文化・芸術振興の一助になればと願っております。
昨日の続き
山地 文香 日本画 72.7cm×72.7cm
一枚の絵の中に、画一的な部分と筆を持って描く部分を、自身のバランスで併存させ、それらの差異から、他でもない自分自身がこの絵を描くという意味を探っています。
素材:麻紙、岩絵具、水干絵具
呼ばれた水/エコー
沈 楠 日本画 72.7cm×60.6cm
物と空間の境が消えていく感覚や、消えることによって際立ってくるものがあるという感覚を重視している。物の実体は消えていくかもしれないが、中に隠れていた線又は物のイメージは浮き上がってくるように表現したい。
素材:麻紙、岩絵具
life on canvas(2021)
唐田 綾子 油画 80cm×80cm 3点
絵を描いているときも生活は続いている。水平に敷いたキャンバスの上で生活をしながら垂直なキャンバスに絵を描く。私の足下にあるキャンバスからペンキが溢れて床に染みをつくる。これらはすべて私の生活であり絵画である。
素材:キャンバスに油彩、ペンキ、ビニールシート
untitled
竹林 玲香 油画 114cm×77cm
描くことそのものを大事に思い、進みながら作り上げていく中で、自分を超える抽象度を持つようになることを求めています。
素材:油彩、キャンバス
Missing
中森 碧 版画 105cm×72cm
同系色の紙と壁が重なり合っていた。紙には折り目がついており、壁との境目が一部消失しているように見えた。紙は自由に壁とを行き来し、その在り方に強く惹かれ、今回の作品を制作するに至った。
素材:ハーネミューレ、油性インク
石を拾うこと
池田 聡子 版画 117cm×98cm
石を拾う時、それは、その時の事を思い出す物として、また何かの見立てとして、それぞれの心に形を変えて寄り添う。偶発的現象が介入する銅版画技法を使う事で、モチーフとの距離を保ちつつ作者の意図を織り込む事が出来ると考えている。
素材:ファブリアーノ、油性インク
無痛 6
木田 陽子 陶磁器 54.0cm×26.8cm×28.5cm
文字の形を造形の骨子とした陶造形を探究しています。本作は、漢字「痛」がモチーフです。口元を柔らかく覆いながら、日々あてもない言葉を反芻しています。情けない話ですが、今はこの明け透けな一語に身を委ねたいと思います。
素材:陶土、釉薬
乱反射
芥子 萌樹 染織 74cm×61cm
染め表現を通して、海中の光のように曖昧な視覚体験を探究する。日々の経験や思考をイメージ化して再構築させるために、生地の織り目の中で浮かび上がる蝋の筆跡や染料の滲みが持つ「揺らぎ」を美しく表したい。
素材:綿、反応染料