京都銀行の「美術研究支援制度」は、京都市立芸術大学の学生が制作された作品を毎年継続的に購入することによって制作者の美術研究費用を支援するもので、優れた芸術の創造・振興に寄与することを目的として2001年に創設いたしました。
購入作品をホームページ上でご紹介することによって多くの方々にご鑑賞いただき、文化・芸術振興の一助になればと願っております。
色と形は、意味を持ち、響き合い、はまる、そんな瞬間を求め、ただそれを探し描く。常に感じる物足りなさは、次への意欲を駆り立て、追求は終わることがない。
色や形に影響され平面の中に人は空間をみる。古人が色とりどりの岩を砕き描き出したかったものが世界そのものであったように、絵柄は違っていても画は変わらず繋がっているように感じている。
タイトルの「arioso」は音楽用語で「歌うように」という意味。
りんごを中心とした静物は目の前に佇み、歌うように話しかけてくる。
素材:綿布、膠、岩絵具、銀箔、金箔
私自身を取り巻く様々な人との繋がりによって生まれる感情・気持ちを植物の姿を借り、その複雑な形を自分自身と重ね、リズミカルな線と色で『つなぐ』を表現したく描きました。
一番下にあるものから順に、「レンガを積み上げる」ように描くという手法は、建築では重力に従う手法ですが、絵画においては視覚の層に従うものです。この作品では、遠近法以外の絵画的イリュージョンは使わず、視覚の層でどのくらいおもしろさを生み出せるかの実験として制作しました。
無秩序な現代における異質の共存に興味があります。私はこのゾンビを私たちと同じ世界の何処かにいるものとして描きました。
自然、人工。善意、悪意。永劫、刹那。
私を取り巻く世界は、相反するものが沢山浮遊しています。私は、どちらか一方に寄り添うことができず、その間で翻弄されながらどこか確かな場所を求めて蕩っています。
この作品は、淡々と繰り返す画像と、木目。秩序があるものと無いものを同時に彫り進めています。その二つを同時に彫り、刷り上げたとき、両者は矛盾をかかえつつ混じり合い作品として立ち上がるのではないかという思いで造っています。
私はドローイングを元にシルクスクリーンを使って制作します。
遠くで見た時と近くで見た時一枚で二度楽しんでいただけるとありがたいです。
私はよく自然が作り出す形に、はっとさせられることがある。想像を超えるような年月をかけて生み出された鍾乳洞の形であったり、威風堂々とそびえたつ樹木の姿など見た時に私は強い力が宿っているようにも感じ、畏敬の念を抱いたりもする。通常、螺鈿技法の中でも薄貝と呼ばれる技法では貝は薄くスライスされ、中心部にある真珠層だけが使用されるが、私は本来なら使用されずに捨てられてしまう貝の表側にとても力強さ、美しさを感じ、今回使用した。
私は自然(森林、山、海)の中にいると、不思議な感覚に襲われることがある。よく自然は神秘的であるなど言われるが、私には神秘的という言葉だけでは言い表せない感覚であり、その感覚は妙な不安と心地よさが混ざり合った不思議なものである。私はこのような自分が自然の中で感じる感覚を自分の作品にも表したい。作品を見た人が、その感覚を私の作品を通して感じるような作品を作りたいと思う。その中で、素材の元ある美しさを生かしながら、自分の手を加え新しい魅力ある存在を作りたい。
私は、自然や動物、生き物の面白さ、生きる力強さ輝きをテーマに作品を制作しています。
今回の作品は、南国の島へ旅に行った際の日々に出会った、海の中の生き物たちと私とのストーリーを交え実際に体感したことを作品にしました。
珊瑚礁の広がる海の中は、生き物達で溢れていた。
その中には、外見からは想像もつかないような特殊な力を持った生き物たちが沢山いた。
夕方になると、岩のような珊瑚礁からは、満ち潮とともに灰汁の様な泡が流れ着き、海岸をうめつくした。
日が暮れると、一変しエメラルドグリーンの海が、真っ黒な海となり恐さを感じる。
このようなイメージから、自分の視線で「不思議な海の世界」を題材に作品を制作しました。
技法:型染め
素材:絹 酸性染料