京都銀行の「美術研究支援制度」は、京都市立芸術大学の学生が制作された作品を毎年継続的に購入することによって制作者の美術研究費用を支援するもので、優れた芸術の創造・振興に寄与することを目的として2001年に創設いたしました。
購入作品をホームページ上でご紹介することによって多くの方々にご鑑賞いただき、文化・芸術振興の一助になればと願っております。
発生
池森 真生 日本画 65.2cm×50cm
色は、形を伴って目の前に現れる。描いていると、その色と形の関係は空間を生み、それ自体としての意味を持つようになる。そんな、色と形が生む空間の可能性を見つける時間が好きです。
素材:膠、麻紙、岩絵具、水干絵具
光に溶け入る
木岡 史 日本画 60.6cm×72.7cm
“自己との対峙を促す”作用のある炎を対象とすることで、作品内に思考の余白を生み出すことを目指しています。
素材:岩絵具、膠、麻紙
滝とかたまり
内野 小春 油画 73cm×103cm
アメーバのような骨のない立体をもとに、ものの持つ存在感を改めて描き直そうとしています。触りながら確かめていくような感覚で描いています。
素材:キャンバスに油彩
赤い雲と室内
八木 鈴佳 油画 116.7cm×91cm
視覚から得る内容の実在性を普段から疑うことはありませんが認識は不確実性も伴います。日常体験や事物をもとに絵画によって表現することで、目に見えるイメージの表層に隠れた曖昧な境界を捉えたいと考えています。
素材:キャンバス地にアクリル絵具
木工用ボンド
鈴木 真衣子 版画
額装を含んだサイズ 80.7×107.8cm
作品イメージサイズ 63×84cm
見慣れたものも、いつもと違う切り口で捉えると、奇妙でユーモラスな側面を持っています。日用品を実際とは違う構造で分解することで、その面白さを表現しています。
素材:油性木版、鳥の子紙
pixel to dots #23
大﨑 緑 版画 108cm×108cm
作品上にて、デジタル画像と印刷物の画像要素であるピクセルとドットを共存させる。細部と全体を往還可能とし、かつ融合したような表現を試みている。私にとって「版」は、デジタル世界と物質世界を繋ぎ、相異なる両者の境界を自由に往還させてくれるものである。
素材:紙、パネル、シルクスクリーン
fusion -積-
家山 美祈 陶磁器
13.5cm×12cm×14.3cm
9.7cm×11.5cm×9.8cm
7.5cm×7.5cm×8.5cm
「陶磁器とガラスの融合」をテーマに、窯を使って焼成する2つの素材を組み合わせた作品です。今作では、焼成によって形を変え、それを留めるガラスの特性を生かし、陶磁器が浮いているように見えることを目指しました。元々バラバラだったものが焼成を経る事でひとつの作品になることが、面白く思っています。
素材:磁土、ソーダガラス
木地螺鈿旅行鞄 -眺望-
南場 あかね 漆工 32cm×36cm×9.5cm
本作は、漆特有の透け感のある飴色、そこからみえる独特な木目といった素材感を大切にしたトランクケースです。
どこか懐かしく触れたくなるような心地よさのあるかたちにし、漆に対する自身のこだわりやこの作品が誰かに愛されるようにという願いを詰めました。
素材:ケヤキ、メープル、漆、螺鈿、銀粉