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京都総研 SPECIAL INTERVIEW

欧州、とくにフランスから見た現在の世界と日本

世界情勢が大きく変動し、歴史的な転換点を迎えているといわれる。ところが、日本ではそうした国際政治・経済の情報源が、英語圏の米国やイギリスに偏っているように見受けられる。そこで、NHKで欧州総局長、報道局長を歴任し、フランスに長く滞在されていた磯村尚徳氏から、欧州文明、特にフランスのものの見方、日本文化との共通性などについてお聞きした。

“顧客創造”を入口に成長の仕組みづくりを目指せ

低成長から抜け出せない日本市場で、企業が成長していくには何が必要なのか。良いものを安く作れば売れた時代が終わり、企業は顧客ニーズをどのようにとらえ、仕組みをつくればいいのか。
日本マーケティング協会理事長で、日本のマーケティングの第一人者である嶋口充輝氏にマーケティングの発想から、現状を突破するためのヒントをうかがった。

グループの成長と質の向上を目指して

3年半前、持続的成長を目指しホールディングス化を進めたSCREENグループが、長期ビジョンのもと着々と成果をあげている。
コア技術を応用展開し、印刷、エレクトロニクスからエネルギー、ライフサイエンス分野にも事業を拡充するグローバル企業の今後の戦略と展望を最高経営責任者(CEO)の垣内永次氏にうかがった。

激動下にある内外経済の諸課題

リーマンショックから9年、世界経済は回復の方向にあるが、トランプ大統領の登場、英国のEU離脱、大量の難民問題など、世界は激動の最さ中なかにある。
これから世界はどこに向かおうとしているのか、わが国の課題はどこにあり何をどう変えていかなくてはならないのか。元日本銀行総裁で、現在はキヤノングローバル戦略研究所理事長の福井俊彦氏にうかがった

匠の技を科学分析し、新たなモノづくりに挑む

日本各地、とくに古都・京都には世界に誇れる「匠の技」といわれる伝統工芸が数多く存在する。しかし、高度成長期の後半以降、伝統産業の規模は出荷額、事業者数とも縮小し続けている。さらに、伝統工芸の匠の技を習得するためには長い期間を要することから、後継者が不足し、匠の技の継承が危ぶまれているのが現状だ。
伝統産業を再生し、その技術を未来に引き継いでいくには何が必要か。京都工芸繊維大学の 濱田泰以教授にうかがった。

百年で培った技術を新結合し「第三の創業」を歩む

今年で創業108年を迎える第一工業製薬株式会社は、長い歴史の中で培ったコア技術を大切に、舵を切り替えながら工業用薬剤メーカーとして持続的に発展・成長をとげてこられました。そして、同社は一昨年の新5カ年計画のスタートと共に、「第三の創業」の幕を開かれました。
その戦略と抱負について、代表取締役会長兼社長坂本隆司氏にうかがいました。

「地方創生」、「女性活躍社会」の実現を目指して

わが国は人口減少、地方消滅、非正規雇用の増大、賃金の伸び悩み、女性や子どもの貧困、介護離職などの難しい問題について解決を迫られている。
こうした問題に対し、国、自治体、地域住民はどのように取り組んでいけばよいのであろうか。中央省庁の第一線で「地方創生」、「男女共同参画」等の重要施策に最近まで携わってきた、日本生命保険相互会社顧問、元京都府副知事の佐村知子さんに話をうかがった。

ICTを活用しコミュニケーションの壁を超える

情報通信技術が急速に進歩するなか、インターネットなどのサイバー空間と私たちが生活している現実社会を結びつけ、様々な社会的課題を解決するための技術が求められている。しかし、高速・大容量通信ネットワーク上の大量のデータから必要な情報を選別し、活用するには、人との親和性の高いコミュニケーション技術が必要だ。
災害時や異文化間などで立ちふさがるコミュニケーションの壁を超える新たな技術開発について、けいはんな学研都市の国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)ユニバーサルコミュニケーション研究所の木俵豊所長にうかがった。

120年の歴史から未来を紡ぐ

創業から120年、グンゼグループは生糸事業からアパレル事業に転換し、更に時代のニーズに合わせて「明日をもっと、ここちよく」を旗印として、機能資材やメディカル分野等に積極的に事業展開を図っておられます。
そこでグンゼ株式会社代表取締役社長児玉和氏に創業の精神が社名の由来にもつながる同社不変の経営理念、そして、「明日をもっと、ここちよく」に込められた顧客満足と企業価値向上についてうかがった。

超微細な泡(ファインバブル)が暮らしと企業を変える

1メートルの1億分の1というナノレベルの超微細な「泡」をご存じだろうか。カキの養殖では早期に生育する、魚や野菜が大きく育つ、食品や生魚が傷まない、洗剤を使わずに農作物、機械器具、壁、高速道路等を洗浄できる、といったさまざまな効果があり、活用が始まっている。医療の分野でも注目される研究が進んでいる。
将来的にはエネルギー分野でも画期的な高エネルギー物質ができる可能性があり、そうなると私たちの暮らしや産業界は大きく変わるかもしれない。この分野は日本が現状では世界をリードしているが、海外からは熱い視線が寄せられている。第二のガラパゴス化に陥らないためには世界的な視点に立った日本のリードが求められている。
そこで今回は、ファインバブル研究のパイオニアとして、産業界と共同で研究・開発を行っている慶應義塾大学の寺坂宏一教授にファインバブルの可能性や課題等についてうかがった。

未来産業を生み出すイノベーション戦略

日本のイノベーションを育てた企業の中央研究所が姿を消していくなかで、日本の新たなイノベーターを育て、未来産業を生み出すにはどんな仕組みや場が必要なのか。
客員フェローとして訪れたケンブリッジ大学における"ケンブリッジ現象"の秘密を解明し、さらに京都大学大学院総合生存学館・思修館で知の越境を促すメソッドを探求する山口栄一教授に、日本のこれからのイノベーション戦略についてうかがった。

「日日に新たに」、時代の変化を読み取り市場を開拓

電力システムの大変革、一次エネルギーが化石燃料から再生可能エネルギーへと転換するなか、時代の変化を見極め、電力機器を中心に四つのセグメントで成長を促す日新電機。
まもなく創立100年を迎える同社の小畑英明社長に、継承されるベンチャー精神と技術力、さらに今後の展望をうかがった。

イノベーションが日本を救う

輸出産業を中心に企業業績が 上向き、株価が上昇を続けるなど日本経済の一部には明るい兆しがみられる。しかし、成熟した日本経済や競争激化が進むグローバル経済の中で企業が優位性を高め、それを維持していくことは容易なことではない。
そこで、イノベーションこそが経済活性化のカギであり、そのためには提供する商品やサービスの「価値」を本当の意味で高めなければならないと説く一橋大学イノベーション研究センターセンター長の延岡健太郎教授に話をうかがった。

再生医療の事業化に挑む

最近、再生医療がこれからの成長分野として産業界の期待を集めている。特に、iPS細胞に代表される細胞移植に関心が集まっているが、再生医療とはどういうものか再生医療の全貌には理解が進んでいないのではないだろうか。再生医療への理解が進めば幅広い企業で自社の技術との接点が見いだせるかもしれない。
そこで、そもそも再生医療とは何か。そして、ものづくり企業は再生医療にどうかかわれるのか。生体組織工学の発想・技術から再生医療・治療に取り組み、すでに多くの成果をあげておられる京都大学再生医科学研究所の田畑泰彦教授にお聞きした。

新たな成長を目指して、独自性を追求する

人口構造の高齢化が進み医療に対するニーズが高度化するなかで、医薬品業界では患者ニーズに対応した研究・開発、国際競争力の強化、そして、こうした戦略を推進するための人材の確保・育成が課題となっている。
これまで独創的な医薬品を意欲的に市場に投入してきた日本新薬では、こうした課題を見据え、新たな成長を目指す第五次5カ年中期経営計画がスタートした。同社の前川重信社長に当計画をふまえた経営戦略をうかがった。

"体格"で劣っていても"体質"で勝てばいい

日本企業の強さを支えてきた 現場力が衰え、競争力の柱を失っ た企業が少なくない。失われた20年の間に、企業が生き残りを図るため現場に大きな犠牲を強いてきたからだ。
これから日本企業がグローバル市場で活路を見出すためには、現場力をどう回復すればいいのか。自ら現場に赴き、「現場センサー」を駆使したコンサルティングに定評のある遠藤功教授にお聞きした。

近づく"人とロボットの共生社会"

大規模災害や少子高齢化を見据え、災害対策ロボットや介護ロボット、掃除ロボットなど幅広い分野でロボットの開発が加速している。一方、情報通信の面では、情報端末だけでなく家電や自動車など多くのモノがインターネットにつながり、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)といわれる時代に入ってきた。
こうしたなか、けいはんな学研都市のATR(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)では、ロボットをネットワークで結び、単体のロボットではできないサービスを実現する「ネットワークロボット」の研究開発が進んでいる。そこで、ネットワークロボットとは何か、社会をどのように変えていくのか。ATR社会メディア総合研究所所長の萩田紀博先生にお聞きした。

製造業から"創造業"へ

成長著しい新興国との競争が激化する一方、エネルギー問題の深刻化や人口の高齢化など、経営環境は変化の度を強めている。こうしたなか、企業では自社の強みと特徴を活かし、新たな成長の機会を見出すことが課題となっている。
グローバル競争のなかで「キラリと光る存在になる」には何をなすべきか。定評のあるコンデンサ、回路技術を核に、エネルギーや環境、医療分野などの新規事業に挑む、ニチコン株式会社のCEO武田一平会長に中長期をにらんだ成長戦略をお聞きした。

高い塔を建てなければ、新たな水平線は見えてこない

2003年5月に打ち上げられた「はやぶさ」はエンジンの故障、地球との通信不能など数々のトラブルを乗り越え、7年、60億キロメートルにおよぶ航海を終え、2010年6月、大気圏に再突入した。満身創痍のなか、見事にミッションをなしとげた「はやぶさ」の姿に日本中が喝采をあげ、多くの人が勇気をもらった。
構想から25年、「はやぶさ」プロジェクトのマネージャーを務めた川口淳一郎氏に、宇宙開発にたずさわる視点から、今後の日本の立ち位置、目指すべき姿をうかがった。

伝統産業から文化ビジネスへ

マンガやアニメ、ゲームなど日本のポップカルチャーはクールジャパンと呼ばれ、グローバル市場での存在感を増している。一方、その源流である伝統産業は高い技術と意匠をもちながら、その力を発揮できていないのではないだろうか。
京都の伝統産業をどうグローバルな産業に育てるのか、また、そのための課題は何か。2007年に「伝統産業グローバル革新塾」を立ち上げ、伝統産業の人材育成と事業化を進めてこられた同志社大学ビジネススクールの村山裕三教授にお聞きした。

急成長するアジアの自動車市場と日本企業の課題

アジアの経済発展を受けて、日本企業のアジアへの進出が加速している。なかでも自動車メーカー各社は急成長するアジアの自動車市場への浸透を図る一方、この地域を世界市場へ向けた生産拠点として位置づけている。
京都大学東アジア経済研究センターのセンター長を務める塩地洋教授にアジア自動車市場の動向、現地での日本企業の課題等をお聞きした。

オムロンは、何のために、何をやろうとしているのか

リーマンショック後の世界経済の停滞や新興国の台頭、日中の経済摩擦など経営環境が激変するなか、日本企業は新たな企業ビジョンを模索している。
こうしたなか、創業80周年を迎えるグローバル企業オムロンはいま「何のために、何をやろうとしているのか」。作田久男会長に、企業とビジネスマンに求められるものは何かお聞きした。

京都総研 ECONOMIC REPORT

異次元緩和の問題点

日本銀行がデフレからの脱却を目指して異次元緩和をはじめて5年が過ぎた。日本銀行では当初「2年程度の期間を念頭に」2%の消費者物価の上昇を実現させるとしていたが、1%にも届いていない。
原因は「通貨量を増やす」、「物価はいずれ上昇する」と日本銀行が唱えても、それによって物価が目に見えて上昇することはそもそも起こりえないからである。しかも、異次元緩和には深刻な副作用がいくつもある。それにもかかわらず異次元緩和を支持する人たちの多くは、異次元緩和の根本的な誤りに目をつむっている。

財政赤字の現状と処方箋

内閣府がこのほど発表した「2016年度国民経済計算」によると、国、企業、家計などが保有している土地、建物等のわが国の正味資産はこのところ緩やかに増加し、経済に好影響を与えている。しかし、政府部門に限ってみると2017年か2018年には債務が債権を上回る債務超過に転じた可能性が高い。その大きな原因は、後期高齢者医療保険制度の自己負担割合が約1割と非常に低く、また保有している資産ではなく所得をベースに負担率が決定されていることなどにある。債務超過は民間企業で言えばいつ倒産しても不思議のない深刻な事態である。早急に改善策を考え実行しなくてはならない。

日本経済の現状と課題

日本経済は緩やかな拡大の過程にあるが、家計は、所得が増えたほどには消費に積極的でなく、現金・預金が増加している。企業も、収益は既往最高の水準にあるが、消費や輸出がそれほど伸びないため設備投資はあまり盛り上がらず、現金・預金が増加している。しかし、卸・小売業では電子商取引(ネット通販)のウェイト上昇という「激流」のなかにあるなど、企業を取巻く環境は大きな変革期にある。
長期に亘って企業の存続を可能にする鍵は設備投資にある。いまこそ企業は、これまで身を切る思いで蓄えてきた内部留保を有効に使い、競争の少ない「ブルーオーシャン」市場で十分に活躍できる体質に転換して欲しいものである。

なぜ賃金の上昇は緩やかなのか

4~6月期の実質GDPは前期比年率で+2.5%と6四半期連続で増加し、雇用面では1980年代後半のバブル期に迫る需給タイトな状態にある。しかし、賃金は僅かな上昇に止まっており、企業の先行きに対する見方も総じて慎重である。本ペーパーでは、なぜ賃金の上昇は緩やかで、企業心理は総じて慎重なのか、どうすれば日本経済を活性化させることができるかを考えた。

マネーが増えても物価はなぜ上らないか

異次元金融緩和がはじまって5年目に入ったが、2%の物価目標を達成できる目途は立っていない。日本銀行がマネーを大幅に増やし続けているにも拘らず物価が上がらない理由は、マネーは経済拡大や物価上昇の「原因」ではなく「結果」であるからである。「結果」であるマネーを増やしても、「原因」である物価が上昇するはずはない。過剰な金融緩和は日本銀行の国債保有額を異常なまでに増加させ日本銀行の資産内容を不安定にしただけでなく、健全な金融システムを脆弱にしつつあるという点でも問題がある。

新たな景気一致指数から見た日米経済

内閣府が発表している実質GDPは、このところ多少のアップダウンを伴いながらも緩やかに増加を続けている。しかし、同じ内閣府が発表している景気動向指数の「一致指数」はこの2年間低迷を続けていた。なぜ実質GDPと景気動向指数の間に乖離があるかというと、原因は景気動向指数を構成する指標が製造業に偏っていることなどにある。そこで、GDP統計の基本に立ちかえって新たな景気一致指数を日米で作り、両国の経済の特徴について考えてみた。

求められる「グローバル化」への正しい対応

イギリスは国民投票でEU離脱を決定し、アメリカでは共和党のドナルド・トランプ大統領が選出された。これらはいずれも「まさか」とも言える出来事、あるいは「ポピュリズム(大衆迎合主義)の勝利」と捉えられている。しかし、それらはいずれも「グローバル化の進展」によって生じた「弊害」を取り除く動きであると考えると、むしろ当然の結果ということになる。また、そうであるなら、日本のデフレの原因も「グローバル化の進展」よるものであるから、そこに焦点を当てた対策こそが求められていることになる。

アメリカの金融政策の問題点

アメリカの中央銀行であるFRBは昨年12月に政策金利である短期市場金利を7年振りに引き上げたが、その後は中国経済の成長鈍化が懸念されることや自国の雇用者数の増勢が鈍っていること、物価上昇率がまだ2%に達していないこと、などを理由に金利の引き上げに消極的である。しかし、失業率はすでにITバブル期やサブプライムローン問題の原因となった住宅バブル期並みの低い水準にあり、住宅価格と株価は既往ピークを更新し続けている。利上げに慎重なFRBの姿勢が、かつてのようにバブルを加速させることにならないか不安がある。

個人消費と設備投資の現状

このところ日本の景気は今一つ元気がない。とりわけ冴えないのは個人消費であるが、中身をよく調べてみると、電気製品や自動車等の耐久消費財の低迷が大きい。原因は、前回の消費税率の引き上げ前の駆け込み需要の反動の影響に加え、その前の数年間に何度か実施された家電エコポイントやエコカー減税によって需要が先食いされてしまったことにある。円安によって輸入価格が上昇した影響も大きい。
日本銀行は物価の上昇を最重要目標に掲げており、輸出関連企業や市場関係者からは円安待望論が聞かれるが、円安によって生じた物価上昇によって消費者は消費を抑制しなくてはならず、それが景気の足を引っ張っているのである。

マイナス金利付き金融緩和の誤解とリスク

日本銀行は物価目標2%を早期に実現するため、金融機関が日本銀行に預けている当座預金の金利をマイナスにする異次元金融緩和の第3弾を発表した。しかし、この政策にはいくつかの点で誤解がある。
そもそも日本のデフレは金融緩和によって解決できる性格のものではない。海外要因による物価の変動を金融政策でコントロールできると誤解している。また、金融仲介機能を低下させ、日本銀行の収益を悪化させるだけでなく、財政規律を弛緩させるリスクなども無視できない。日本経済が真に活力を取り戻すためには、個々の企業が創意工夫によって自らの企業価値を高めることが不可欠である。

日本経済が元気になる条件

日本経済の先行きを展望したとき、大きなリスクとして中国経済の悪化、アメリカの金融引き締めの影響などがある。しかし、アメリカ経済が今後も順調に拡大を続け、原油価格も低位で推移するなら、今後2~3年は1~2%前後の成長を期待できるだろう。ただし、日本経済の豊かさを示すと考えられる指標(新「採算性指数」)を作り、その変動要因について考えてみると、採算性指数を改善させるような動きはまだ限定的で、日本経済が真に元気を取り戻すためには抜本的な対応が必要である。

中国経済の現状と課題

中国経済は、かつては年率2桁台の成長を続けていたが、最近では7%前後まで減速している。しかもその数字がどこまで信用できるのか不安視する声もある。本稿では、最近の中国経済の減速の実情を実際のデータによって確認しつつ減速の原因について整理した。

原油価格の大幅低下と日本経済

昨年後半から進んだ原油価格の大幅な低下により、これまでわが国経済の重石になっていた「海外に対する支払額の高止まり」という状態が大きく改善した。海外に対する支払額の減少はやがて国内消費や投資を刺激し、国内景気を押し上げることの期待できる「フォローの風」である。しかし、もう少し長い目で考えると、新興国は今後も高い成長が続きエネルギー需要が増えるため、原油価格はいずれ上昇に転じるであろう。

何が財政赤字拡大の原因か

今やわが国の財政赤字は名目GDPの2倍に達し、財政危機がいつ発生しても不思議はない水準にある。なぜここまで大幅な財政赤字になってしまったかというと、一般には少子高齢化にあるとされている。しかし、過去に遡ってデータを調べてみると、2000年度と08年度に社会保障関係費の中の社会保険費が急増しているのが分かる。原因は2000年度からはじまった「介護保険制度」と、08年度からはじまった「後期高齢者医療制度」にある。これら2つの制度においては患者の自己負担率は1割に過ぎない。仮にこの部分が所得や資産の多寡に見合った負担率になっていたならば、財政赤字問題はかなり傷の小さなものであったはずである。

10年先の日本経済を読む

10年先の経済を読むことは難しい。しかし、足許の経済の背後にあるさまざまな動きを注意深く観察すると、今の日本経済に欠けているものが見えてくる。それを一言で表現すれば、「多様化した経済への対応」ということではないだろうか。人々のニーズは溢れるモノやサービスの中でどんどん「多様化」しており、「多様な」新興国が存在感を高めてきた。しかも、ITの普及によって「多様な」情報が瞬時に地球規模で拡がるようになった。本稿では、新たな年を迎えたのを機に、10年先という視点から日本経済について考えてみた。

日本経済の本当の課題

日本経済は20年越しの景気低迷とデフレから脱しつつあるとの見方が増えている。しかし、それは日本銀行の異次元金融緩和や公共投資の効果によるところが大きく、経済の足腰が本当の意味で強化されての改善ではない。むしろ、長期にわたって設備投資や雇用が抑制されてきた結果、設備・人員面での天井が低くなり企業経営の選択肢は狭くなっている。異次元金融緩和によって日本銀行の資産に占める国債のウェイトが高まることのリスクや、金利上昇が財政赤字をさらに拡大させるリスクにも注意が必要である。

日本経済の"アキレス腱"

景気は緩やかな回復を続けている。しかし、輸出面では大幅に価格が低下し続けてきた電気機械のウェイトが非常に高く、輸入面では大幅に価格が上昇し続けてきたエネルギーのウェイトが高いことが輸出入採算を悪化させ、国内需要の減少に起因するデフレをもたらし、また、そうした状態が今も改善されていないことはあまり知られていない。

求められる採算重視の経営

日本企業はこれまで数量を増加させることには熱心であったが、採算はあまり重視してこなかった。それが典型的な形で経営面に現れたのが電気機械で、いまその改善に多大の労力が注がれている。
しかし、数量が重視され、採算があまり重視されてこなかったという点では他の業界も基本は同じである。本稿では、日本企業のそうした実態をデータで確認することにより、何が日本企業に求められているかを考えてみた。

2014年以降の日本経済の見通し

昨年のわが国経済は輸出の回復に復興需要増等が加わり2%近い増加が見込まれ、本年と来年も同程度の成長が期待できそうである。しかし、その後は復興需要の一巡等から成長率が鈍化する可能性がある。
このように当面の景気に大きな不安はないが、これに甘んじることなく世界経済をリードする強い商品・サービス力を創造し続けることが求められている。

為替レートの変動要因とその影響

為替レートの変動要因についてはさまざまな考え方があり、難解な説明も少なくない。しかし、本当はそれほど難しい要因で変化してきたわけではない。為替レートは2つの通貨の交換比率であるので、それぞれの通貨が市場にどれだけ供給されているか、つまり二つの通貨の供給金額の「比率」で決まってくるからである。
本稿ではこのような考え方に基づいて為替レートの変動要因を明らかにするとともに、為替レートの変動が実体経済にどのような影響を与えるものであるのかを整理してみた。

「異次元」金融緩和の効果とリスク

4月4日(木)、日本銀行はこれまでにない金融緩和策を発表した。今回の対策では、デフレからの脱却を目指し、マネタリーベースを年60兆円から70兆円増やし、2年後には残高を270兆円にするとされている。マネタリーベースは、現金と、金融機関が日本銀行に預けている当座預金の合計で、日本銀行が今回大幅に残高を増やそうとしているのは後者である。日本銀行では、日銀当座預金を大幅に増加させるため、金融市場から大量の国債を購入し続けるとしている。
以下では、このような「異次元」金融緩和策がわが国経済にどのような影響を与える可能性があるのかを考えてみた。

デフレの実態とその原因

物価は経済活動の健全さを表す指標と考えられており、なかでも消費者物価指数(以下では「CPI」という)は家計の消費生活に関わる財・サービス価格の変動を示す指標として重視されている。しかし、現在使われているCPIはデフレの度合いを適切に表す指標でないことはほとんど知られていない。また、何がデフレや景気低迷の原因であるかという点でも大きな誤解がある。
そこで以下ではどんな意味で今のCPIに問題があるのか、なぜわが国ではデフレと景気の低迷が続いているのかを明らかにしたい。

京都総研 BUSINESS REPORT

政府統計の総合窓口e-Stat活用入門

平成30年1月、「政府統計の総合窓口 e-Stat」=政府統計のポータルサイト(総務省統計局が整備し、独立行政法人統計センターが運用管理を行っている)のシステムが刷新され、新たに運用が開始されました。
このサイトは各府省が公表する統計データをひとつにまとめ、統計データを検索したり、地図上に表示したりできるなど、たくさんの便利な機能を備えています。本稿では中小企業のマーケティングに活用可能なサイトをご紹介します。

AIスピーカーがわが家にやってきた

昨年10月以降、AIスピーカー「LINEClova」「Google Home」「AmazonEcho」が日本国内で順次発売されました。人の音声を認識し、インターネットにつながり、AIが質問や指示に応えてくれる。スマートフォン同様、新たなプラットフォームとなりうるワイヤレスのスピーカー。
本稿ではAmazon EchoとAmazon製のAIアシスタント「Alexa(アレクサ)」を中心に、何ができ、今後どのようなサービスが考えられるのかを簡単にご紹介します。

準天頂衛星「みちびき」日本版GPSが自動運転を支える

昨年10月10日、日本版GPSと呼ばれる準天頂衛星「みちびき」4号機が打ち上げられました。これにより日本の準天頂衛星システムは4機体制となり、今年度には本格運用の予定です。
みちびきによる高精度測位は今話題の自動運転の実現に不可欠です。本稿では、みちびきの現状と今後について簡単にご紹介します。

〈コネクテッド・インダストリーズ〉ビッグデータの利活用促進の取り組み

今年3月にドイツで開かれた「国際情報通信技術見本市(CeBIT2017)」で、わが国産業が目指す姿「コネクテッド・インダストリーズ(Connected Industries)」が示されました。キーワードは「様々なつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会」。たとえば生産者と販売業者の「つながり」が社会課題を解決し付加価値を生み出す社会の実現が期待されています。本稿では「気象データ」の利活用促進により社会の生産性の向上を目指す取り組みの一端を紹介します。

i-Constructionによる建設現場の生産性革命

平成28年9月、総理大臣官邸で第1回未来投資会議が開かれ、「建設業の未来投資と課題」について議論が行われ、第4次産業革命による『建設現場の生産性革命』に向け、具体的な方針が決定されました。本稿では、その柱となる『i-Construction(アイ・コンストラクション)』についてご紹介します。

オープンイノベーションが未来の扉を開く

「オープン・イノベーション」が日本の未来の扉を開く鍵となっている。本稿ではトヨタ自動車のオープンイノベーションプログラム「TOYOTA NEXT」、関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)における取り組みについてご紹介します。

第4次産業革命を支える3つのキーワードとは

昨年の6月、経済の好循環を持続的な成長路線に結びつけ、「戦後最大の名目GDP600兆円」の実現を目指すために閣議決定された「日本再興戦略2016」。このなかで特に取り上げられた「第4次産業革命」を支える3つのキーワード「ⅠoT(Ⅰnternet of Things)」「CPS(サイバーフィジカルシステム)」「AⅠ( 人工知能)」についてご紹介します。

日本版DMOによる観光地域づくりについて

京都府で「海の京都DMO(一般社団法人京都府北部地域連携都市圏振興社)」が設立されました。京都府と北部7市町で、地域主導によるブランド観光圏を形成することを目的としています。
政府は地域活性化のため「日本版DMO」の形成による観光地域づくりを推進しています。本稿ではDMOの概要と求められる役割等についてご紹介します。

ビッグデータ活用の現状と地域経済分析システムRESASについて

ビッグデータという言葉が登場したのは、2011年頃。当初は多くのメディアに取り上げられましたが、実際に活用している企業は多くありませんでした。その後、大量データを分析・活用する技術の進歩と国による公共データ民間開放等により、ビッグデータの具体的活用の機運が高まっています。ビッグデータ活用の現状と国が提供する地域経済分析システムRESAS(リーサス)についてご紹介します。

スポーツにおけるICT技術活用の現状について

2020年にはオリンピック・パラリンピック東京大会が開催されますが、過去の東京、長野大会がICTの技術革新を進める原動力となったともいわれています。現在ICT技術がスポーツにどのように活用されているか、また、今後期待される技術について紹介します。

観光立国日本を考える

2003年、外国人の訪日を促して経済の活性化を図る「観光立国」宣言が当時の政府によってなされた。それによって「ビジット・ジャパン・キャンペーン」がスタートし、海外広報や外国人旅行者向けの環境整備などの事業を実施し、外国人の呼び込みに努めてきた。
2003年当時、海外旅行へと出かける日本人は1,330万人、これに対して日本を訪れる外国人旅行者は521万人にすぎなかったが、2015年1月~11月(推計値)の日本人海外旅行者は1,487万人、外国人訪日旅行者は1,796万人となり、通年での逆転が確実な状況にある。それとともに外国人旅行者の消費活動によって、新たな巨大市場が誕生し、経済に大きな刺激を与えている。

売電から自家消費へ

FIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)の導入により、大きな飛躍をとげた太陽光発電市場が転機を迎えている。買取価格のプレミアム期間が終了し、年々買取価格が低下していくなかで、FITに代わる成長モデルが描けるかどうかだ。
発電電力の自家消費をめざした新たな環境ビジネスの可能性を探る。

変貌する人材マネジメント

人手不足感が広がっている。最近の人手不足の背景には景気が持ち 直してきていることのほか、総人口の減少を上回る労働力人口の減少や仕事の内容の変化などの構造的な 要因があり、人件費の上昇圧力につながることも想定されるだろう。
このため、企業では人員の充足だけでなく、経営を価値創造型へ転換し、商品やサービスの付加価値を高めることが求められているのではないだろうか。そこで、こうした課題解決に向けた2つの動きをみていこう。

個人消費の2020年問題

消費税率引き上げ後の個人消費の回復の勢いは思いのほか弱い。こうしたなか、日本はすでに高齢化と本格的な人口減少時代に入っており世帯数も2020年から減少に転ずるとみられている。個人消費の主体は家計であり、世帯主の高齢化や世帯数の変化が個人消費に少なからぬ影響を及ぼすことが想定されるだろう。
では、これから世帯の構成がどのように変化し、家計の消費や経済にどのような影響を及ぼすのか少し考えてみよう。

すべてのモノがネットにつながる

ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)をめぐってパラダイムシフトが起こっている。パソコンだけでなくさまざまなモノに通信機能をもたせインターネットにつなぐ「モノのインターネット」IoT(Internet of Things)である。
IoTにより産業がネットワーク化し、新しい製品やサービスが生まれ企業の事業領域が広がることが予想される。こうしたなか、新年は守りから攻めのICT化投資が求められるだろう。

クラウドソーシングが経営と雇用を変える

日本では構造的に生産年齢人口が減少するなか、女性や高齢者などの潜在的な労働力を掘り起こすとともに、企業のイノベーションを加速し成長力を高めることが課題となっている。こうしたなか、注目されるのがインターネットを通じて企業の外部から人材や情報などの経営資源を調達するクラウドソーシングという仕組みである。クラウドソーシングは米国では2000年ごろから始まったが、日本においても広がりをみせはじめた。

人口減少時代に入った住宅市場

日本は人口減少時代に入り、住宅需要のベースとなる世帯数も頭打ちとなり減少に転ずることが予想されている。また、人口構造も住宅を取得する若い世代が減少し、高齢者のいっそうの高齢化が進んでいく。
こうしたなか、既存住宅の流通市場やリフォーム市場の拡大が課題となっているが、これから日本の住宅市場はどのような方向に進むのか、最近の住宅をめぐる動きをみていこう。

変化はみずから創りだせ

アベノミクスの成長戦略では、イノベーションを加速することによりクリーンエネルギーや次世代インフラなどの新たな成長分野を切り開き、市場の創造につなげることがうたわれている。一方、足元では3Dプリンターやビッグデータなど産業構造のパラダイムを変えるような技術も芽生えている。
これまでも、新たなイノベーションに対する対応いかんで企業のパフォーマンスは明暗を分けてきた。そこで、こうした環境変化に企業はどう対応すべきか、すこし考えてみよう。

「0」と「1」がビジネスを変える

デフレからの脱却が日本経済の喫緊の課題となっているが、デジタル化の進展によりモノづくりやモノの売り方が変わり、物価をはじめとした経済現象にも少なからぬ影響を及ぼしてきた。
そして、インターネットなどのデジタル技術を利用したビジネスの世界では、これまでの現実のモノを対象とした経済原理とは異なるデジタルエコノミーが広がりをみせている。

ビッグデータが社会を変える

アルタミラの洞窟壁画から始まり、象形文字、印刷機、コンピュータと文明は世界の現実をデータとして記録し、伝達、加工することにより発展してきた。
近年、膨大なデジタルデータがコンピュータ・ネットワーク上で生成され、流通、蓄積されている。
こうした、ビッグデータをどう活かすか、企業では、ビッグデータを活用して商品やサービスの付加価値を創造する取り組みが始まっている。

人口構造の4つの変化と多極化する消費

先ごろ発表された国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、これから急速に日本の人口構造が変化する。
年齢や世帯構成により、「どこで」、「何を」買うか消費者の行動には違いがあり、これまでも人口構造の変化により商業の業態も変化してきた。
そこで、人口構造の変化により消費者の行動や商業の業態はどう変化するのか、少し考えてみよう。

1988年から未来を考える

本誌ファイナンシャル・フォーラムは1988年に創刊され、このたび100号を迎えた。
1988年というと、日本ではバブル景気が過熱、世界では東欧の自由化と中国の経済改革が進み、日本企業をめぐる経営環境も変貌をとげた時期であった。
では、この四半世紀で企業の経営環境はどう変化したのか。
そして、これからどこへ向かうのか、少し考えてみよう。

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